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第一話 目が覚めたら後の五大老の息子でした!?

※最新話に追いつき次第、この前書きは削除します。


活動報告にも書きましたが、現在書き直し中でございます。(あまりにも高校生の時の書き方と今の書き方が違いすぎるので…)

また、そこまでの間で大幅に話数が増加することが確定したので、後半部分で話数の調整が出来るように書き直し前の第一話から五話の中盤ぐらいまでを大幅修正したうえでこの一話にまとめました。

書き直し前の四十話までは(修正が入りますが)ほぼ書き直し前のストーリーと変わりません。そこからは少しずつストーリーが変わっていきますので当初構想していたクライマックスよりも読み応えのある作品になると思います。(多分)


主人公の性格は基本変えません。というか、変えたら孫四郎じゃないんで(語彙力不足)

なので、全くの別作品になるわけではないです。八割これまで通りに、そして二割弱設定を加えるイメージがわかりやすいかなと思います。


(前書きの)最後になりますが、書き直し前のお話は活動休止前の時点に追いつき次第、削除する予定です。予めご了承ください。


それでは、書き直した新しい第一話並びに本作をこれからもよろしくお願いします!

「天下布武。それは俺にしか出来ぬことよ」

「俺の夢は亡き信長様の夢を継ぐこと。そのために今、秀吉様に仕えているのさ」

「おいらは皆が笑って暮らせる世を作りたい。それだけなんだ…!」

「この家康に力を貸してくれぬか?亡き太閤殿下の夢のためにも…!」


何だ、これは?沢山の人の声が聞こえる。


「お前の夢は、お前だけのものだ。豊臣のためじゃなく、日ノ本のためにお前は生きろ」

「孫四郎さん、僕の夢は君の願いでもあるんだよ?だから、僕は―」

「しょうがないな……俺はお前に賭ける。お前しか夢を託せる先輩がいないからな…!」


孫四郎…って誰だ?何て思っていたら急に真っ暗な世界から眩しい世界に吸い込まれた。次の瞬間、僕は何かにぶつかったような、はたまた入れ替わったようなそんな感覚がした。あ…もしかして、魂が抜けた?


「よく来たね、さあ、君の物語の始まりさ!」


最後に聞こえた声は子供の声…?




「…何だ、夢か」


目が覚めた。あれ?僕はさっきまで普通に働いていたはずなのに、何だか見覚えのない場所にいる…?ここはどこだろう?…ちょっと待て。声がおかしい。


「あーあー」


明らかに声が高い。この声、さっき最後に聞こえた声と同じだ。…落ち着け。まずは、今まで何があったのか整理しよう。


まず、僕はあの日普通に会社に出社していた。その後に…ああ思い出した。理由不明の爆発事故に巻き込まれたんだ。あれでよく生き残ったな。とすると、これは病院?いや、どう見ても違うな。服装も僕が来ていた服じゃないし何より身長が縮んでいる。とするとこれは夢?にしては感覚がしっかりしているよな…?


「やっと、起きたか。犬千代」


知らないおじさんが声をかけてきた。僕は犬千代じゃないよ。いや、この体の名前が犬千代の可能性もあるか。


「どうした?俺のことを忘れたか?父親だぞ?」


申し訳ないですけど、あなたのことは一目も見たことがありません。

とはいえ、このまま喋らないことには何も始まらない。この声には違和感しかないけど…勇気をもって話してみよう。


「ええと、僕は一体…?」

「三日前に急に高熱を出しただろ?あの時から今までずっと起きてこなかったから心配したぞ」


この体は三日前に熱を出して起きなかったことはわかった。でも、今一番欲しい情報はそれじゃない。


「僕は多分、記憶がありません。いえ、ないと言っては噓になりますが、それでもこの体に関する情報は何もわかりません」


そう言うと、この体の父親というおじさんはきょとんとした。しばらく考えた後、


「お前、本当に俺のことがわからないのか?」


と聞いてきた。


「はい…多分話すと長くなりますが―」

「犬千代、起きたのね…!良かった…」


また知らない人に声をかけられた。ただ、その人との関係性はわかる。母親だ。


「ええと、僕は―」

「僕?犬千代はこんな喋り方だったかしら」


どうすればいいの?全く情報が理解できない。そもそも犬千代って誰?よく見たら、おじさんは刀を差しているし…もしや令和じゃない?江戸…戦国…室町…鎌倉?服装的にこのあたりの時代が怪しいか?


「…もしかしたら目が覚めたばかりで状況が理解できていないだけかもしれないな!今日は休んで、明日からゆっくり思い出せばいい」

「は、はい。ええと、父上?」

「そうだ、俺がお前の父親だぞ」


何だか、騙しているみたいで嫌だな。時間をかけてでもいいから、この人たちに自分の状況を話した方がいいよね。じゃないと一生話が嚙み合わない。




夕方になった。話す機会が得られなかったけど、夜ご飯を食べるタイミングで皆揃うはずだからそこで話すしかないよな?


「お、いたいた。出かける支度をしとけよ。隣の藤吉の家で飯を食いに行くぞ」

「あ、はい」


藤吉?ようやく人の名前が出てきた。住んでいる家的に有名な武士の家の可能性が高いんだよな。うーん、情報量が少なすぎる。というか支度って何すればいいの?


「何してるの、犬千代!ぼーっとしてたら置いていかれちゃうよ!」


また知らない人に声をかけられた。呼び捨てで呼んだということは両親と顔が似ているし、姉か?


「あ、ええと、はい」


とりあえず、外に出てみますか。自分が何者なのかわかるかもしれないし。



うちの表札を見てみたら前田って書いてあった。前田?うーん、どこの前田さんだろう?そして、お隣さんの表札には木下と書いてあった。木下さんも日本には沢山いるからな……いや、藤吉?


「おお、利家殿!犬千代は元気になったか?」


としいえ?…前田利家!?今の木下さんの発言からしてこの体の持ち主の父親は前田利家の可能性が高くなったぞ。え、あの五大老の前田利家?


「何とかな。…ずっと犬千代が治るよう祈っていてくれたと小一郎から聞いたぞ、藤吉。いつもありがとな」


藤吉…木下藤吉…木下藤吉郎秀吉!?え、目の前にいるおじさんは後の豊臣秀吉!?戦国時代中期に有名な武将が二人、僕の前にいるってこと!?じゃあ、前田犬千代って教科書の隅の方に書いてあった前田利長?


ここに来てようやく状況が理解できた。僕は利家亡き後の五大老の一人、前田利長に転生しちゃったんだ。


(なん)の、こんなのいつもおいらを支えてくれている利家殿からの恩に比べたら大したことじゃないって」

「いやいや、こうやって犬千代が元気になったのもきっとお前のおかげだって」

「いーやいや、それこそ利家殿の―」

「お前様達、いつまで何をやっているんだい!ご飯が冷めちゃうよ!」

「あ、そうだった。ささ、中へお入りください」


状況は理解できても今からどうやって生きていけばいいのかわからない…。


「犬千代?さっきからどうした?」

「あ、ええと…」

「…何となくわかった。とりあえず、飯食べながら話を聞かせてもらうぞ?」


何となくわかった?え、僕が未来から来たってことがかな。いや、まさかそんなことは…あり得るか。とりあえず、利家さんについていくしかない…よね。




「幸!犬千代!よく来たな!」

「秀吉様!」


姉の名前は(こう)というのか。


「よしよし、よく来たな。…あれ?犬千代?」

「こ、こんにちは。秀吉…様?」

「お、おう。…何か変わったな」


元々の犬千代がどんな性格だったのかわからないからな…。雰囲気からして怪しまれてる感じではなさそうだけど。と思ったら横から利家さんが助けてくれた。


「きっと成長したんだよ、きっと」

「そうか、熱出して冷静になったのか!…本当にそうか?」

「有り得るだろ?お前だって昔は猿みたいに暴れてたんだろ?でもある時を境に変わったと小一郎から聞いたぞ?」

「まあ、そう言われてみれば何も言い返せないな」

「秀吉様、遊ぼ!」


幸さんが声をかけると秀吉さんはニコッとして彼女がいる方へ向かった。


「ご飯前なんだけどな…。わかった!すまない、利家殿。続きはねねがやってくれるから!じゃあねね任せた!」

「え、お前様!…皆、ごめんね。とりあえずお茶でも飲む?」


そう言って、僕と利家さんと母…某大河ドラマの名前からしてまつさんか?の三人にお茶を手渡してくれた。利家さんが飲んでいたので様子を伺いながら僕も飲む。美味い。喉が渇いていたのもあるけどこの時代の麦茶かな?も美味しい。


「…さてと、俺は何となくわかったけどさては犬千代、中身が変わったな?」


利家さんにいきなり当てられて今飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。でも、ある意味話しやすくなったかも。


「…その通りです。僕は前田犬千代さん…少なくとも昨日までの彼とは違います」

「やっぱりね。でも、普通に話せているから人ではあるのよね?」


人でなくても一部の鳥は話せたりしますけどね。ってそうじゃない。とりあえず頷いておこう。


「とりあえず、お前がわかっている情報を教えてくれないか?」


利家さんが聞いてきた。…覚悟を決めた。もしこれで嫌われたらどうすればいいのかはまた別の問題として今、この状況を打開するには正直に話すしかないよね。


「僕は今から四百五十年後の未来から魂だけこの時代にやって来ました。前世ではサラリーマン…この時代だと商人に近い職業に就いて働いていました。ですが、とある爆発事故に巻き込まれてしまって…起きたら何故か犬千代さんの体に転生…いや憑依?していました」

「「「…え!?!?」」」


そんな反応になりますよね。声にこそ出さなかったけど僕もさっきまでそんな状態だったもん。驚くなという方が無理がある。


「なので、皆さんにこの先何があるのか大体わかります。こんなこと今言っていいのかわからないですけど、皆さんは日本の歴史に大きな影響を与えた人たちだと未来で教わりましたから。…幸さんはわかりませんけど」

「え、俺は未来の人なら誰でも知っているのか?」

「利家さんと秀吉さんは特に有名です。あと、織田信長も」

「え、じゃあ信長様が天下を取るのか?」

「そこまではもしかしたら歴史を変えかねないので言えないですけど…少なくともここにいる皆さんは戦で死んだりとかはしないことは言えるかな」

「利家様はこの子の言うことを信じるのですね」

「信じるも何も出鱈目でこんなこと言えるやつ、少なくとも俺は生まれてから一度も見たことがないぞ」

「それは…そうですね」

「とか言ってまつさん、全然理解できていないでしょ」

「ねねさんもでしょ?」

「いや、多分ねねと俺は七割理解してる。今遊んでる藤吉に話したところで多分理解できないだろうが」

「まあ、うちの旦那はいつもあんな感じだから…」


横を見ると秀吉さんは幸さんと楽しそうに遊んでいる。あの人が後に天下を取る豊臣秀吉なのか…。今の彼からはとてもそんな覇気を感じない。


「んで、お前はどうしたいんだ?」

「…と言いますと?」

「俺からしたら今までの犬千代ではないけど、そんなのが理由で野に放つのは流石に危なすぎるからな。ただ、可能な限りお前を守ってやることは出来る」

「中身は違えど、犬千代は犬千代ですしね」


言葉が出てこない。中身はほぼ他人の僕にこんな優しく接してくれるなんて…。


「どうする?」

「どうするって言われても…今の僕が一番信用できるのは初めに会ったお二人ですから…よろしくお願いします」

「よく言えました」

「まつ…それじゃあ幸と変わらないぞ」

「何ですか!まだ私を子ども扱いしてるんですか!」

「いや、そういうわけじゃ…」


そう言えば、まつさんもねねさんも凄く若いよね。…え、まつさんは犬千代はともかく、幸さんを何歳で産んだんだ?


「後で寝る前にお仕置きが必要ですね!」

「わ、わかったから!許してくれ!」


何だこの夫婦は。さっきまでの緊迫した雰囲気が嘘みたいに面白い。思わず笑いそうになる。


「お前様、()()()が笑っていますよ?」

「本当だ。というか、犬千代でいいのか?」

「僕に聞かれても…いや、僕が決めなきゃ駄目ですよね」

「当たり前だろ」


正直、一日目なのにこの呼び方に慣れそうな自分がいるんだよな。というか犬千代を消したら歴史が変わりそうだし。


「これまで通り…って僕が言うのも変ですけどそれでお願いします。犬千代さんの名前がこの世から消えたら申し訳ないので」

「…お前は自分の好きなように生きればいいさ。無理に元々の犬千代に合わせようとしなくてもいい。さっきの話聞いてた感じ、志を果たせずに死んじゃったんだろ?せっかく、また生を得ることが出来たんだ。お前の好きなように生きればいい」


好きなように生きればいい…か。


「それと、お前が今話したことは絶対他の皆には話すなよ?幸はともかく、藤吉にもな」

「え、どうしてですか?」

「そりゃあお前が未来から来たなんて知ったらきっと道具にしか見られなくなるぞ。…他国にでも知れ渡ったら警戒されて殺されるかもしれないし」


そんなにやばいんですね、この時代。うかうかしていたらすぐに殺されそうだ…。


「…今日は飯食ってすぐ寝ていいぞ。疲れただろう?」

「そうです…ね」

「…それと、後でどんな風に生きたいか聞かせてもらってもいいか?」


何か、父親みたいだ。いや、この体からしたら利家さんは父親だけど。


「はい」

「父上!お腹すいた!」


遠くで幸さんが声をかける。そう言えば今日は何も食べていないや。僕もお腹が空いたな…。


「ん、わかった。藤吉、一旦飯にしよう」

「えー?まだ遊びたいのに」

「お前様!いい加減にしな!子供みたいだよ!」

「わ、わかった!すぐに準備するから!」


秀吉さんは子供好きなんだなってことがよくわかった。





布団に入りながら、前田家について知っていることを思い出しながら今後のことを考える。利家が生きている頃はあの徳川家康も天下を取れなかったこと。加賀百万石の基礎を築いたこと。そして前田家は江戸時代を生き残ること。つまり、僕も普通に生きていれば戦で死んだりすることはないと思う。


じゃあ、利家に付いていくだけの人生でいいのか?それは僕の性格的に嫌だな。だけど、利家さんから離れたら生きていけない気がするんだよな…。


そう言えばあの後、利家さんに聞いたけど今は永禄八年らしい。でもそれが何年かわからなかったので直近に何があったか聞いたら先日、足利義輝が暗殺された事件が起きたそうだ。つまり一五六五年ということがわかった。…確か信長はまだ美濃攻めに苦戦している頃だよね。というか、利家さんの主君は織田信長……!


この先、何もなければ僕は利家の跡継ぎとなるだろう。今の僕にあの前田利家の跡を継げるとは思えない。だから…




朝になった。この体は恐らく三歳ぐらいだと思うけど、そのおかげか前世よりもすぐに寝つけて寝起きもスッキリだった。


まずは、利家さん……いや、()()に話をしよう。どこにいるのかわからないから廊下を歩きながら探していたら外から声がした。庭かな?と思い向かったら槍の素振りを行っていた。


「おはようございます、父上」

「ん、犬千代……その目、お前の目指すものが決まったんだな」

「はい」


「…では問おう。犬千代、お前はどんな風に生きたい」


僕は深呼吸を一回してから答えた。


「この日ノ本の皆が幸せに暮らせる世を、一生付いていくと決めた方と共に築きます」

書き直し前に比べてねねの存在が薄いかもしれませんが、この方が後々書きやすかったので前田家メインにしました。


一話で5643文字…『魔王の運命を変えたくて』よりは少ないですけど、高校生の頃の約三倍の量になるので更新頻度が一気に落ちてます…。申し訳ないですが、その分読み応えのある作品にしていこうと考えておりますので再スタートを飾った本作品を再びよろしくお願いします…!


ちなみに書き直し前の謎設定、孫四郎は元服まで出てきません。その方が(少なくとも私は)分かりやすいので。


第二話で書き直し前の五話までの内容が全てまとまる予定です。河野島以降は大幅加筆した上で話の区切りはこれまで通りで旧第一章範囲は進む予定です。旧第一章としているのは犬千代が元服するまでで二章分使うのは話の進行が遅くなるだけだと判断したためです。


書き直し前に追いつくまでは新第〇章と書かせていただきます。追いつき次第、新の文字を消していく予定です。

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