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200字小説・300字小説

【300字】ぬるくなったレモンスカッシュ

作者: 柿原 凛

 キンキンに冷えていたレモンスカッシュも、もうすっかり氷が溶けて、コースターはじんわりとかいた汗を淡く滲ませている。


 さっきから入口の方ばかり見てしまい、左の首に疲れが溜まっていく。てか炭酸水って頭皮マッサージに使うこともあるって聞いたけど、このレモンスカッシュを頭からかぶれば首の疲れも取れるのかしら。


 バカみたい。来るわけないのに。

 本当にレモンスカッシュを頭からかぶって、頭を冷やしたほうが良さそうね。


 なんて。もうぬるくなっているものを頭からかぶっても、熱くなった鼻頭まで届くわけがないじゃない。「もう閉店ですよ」と言ってくれないマスターの優しさが、強炭酸よりも喉奥に痛かった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 炭酸がじわじわするような、レモンが酸っぱ苦いような、うぅ……ってうなりたくなるような作品でした。 場所についても本人についても相手についてもシチュエーションについても、直接的な説明は無いの…
[良い点] 切なさ、苦さ、痛みが強炭酸と一緒に流れ込んで来ました。 待ち人さん、遅れてでも来てくれないかしら。
[良い点] 最初読み終わったときは「どういうことだ?」状態だったのですけれど、二度目で理解しました。そのあと小説情報のキーワードを見て納得。 マスターの優しさが沁みますね。 そして「熱い鼻頭」と「痛…
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