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第38話 友達

 「本当にありがとうございます!!」


 ウルドが大きく言うと一列になっている7人が一斉に頭を下げる。

 麻痺状態で動けていなかったパーティーメンバー達だ。


 「すごすぎますよレイヤさんは!エリュシオンの奴らをたった一人で倒すなんて!しかも武器破壊まで!」


 ウルドが俺を大いに褒めたたえる。

 続いてミナミ。


 「テントの中にいたから外がどうなっているのかわからなかったけどさ、あいつらの叫び声でさすがレイヤ君!だと思ったよ」


 「・・・・・・果てなき幻影が最強と言われるのがわかった」


 サピエンスがぼそぼそと呟く。


 「んも~、サピちゃんそれじゃ聞こえねえっての。でも2人の美少女が惚れこんでいるのもわかりますわ~。俺じゃあんなマネできないっすもん」


 オーランドがそう言ってあくみんとおとぎの方をジロジロと見ると、


 「何を口走っているのですか!このチャラ男!黙っていなさい!」


 クリストが盾でオーランドの後頭部を叩きつける。


 「ふふふ・・・。さすが我がマスターだ」


 おとぎは涙目で俺を讃える。

 涙目なのは怖かったからだろうか?


 「そんなに褒められるほどのことではないし、俺だけのおかげではないさ。あくみんが地面に落ちた武器を破壊したからだよ」


 余りにも気恥ずかしかったためもう一人の貢献者であるあくみんに押し付ける。


 「私は横から攻撃しただけですよ!だからレイヤさんのおかげですよ!」


 残念ながらあくみんの言葉によって俺はさらに讃えられてしまった。


 「ちょ、ちょっと待ってほしい。あいつらを引きつけてしまったのは俺のせいなんだ。」


 すると1秒前の賛辞が嘘のようにぴしゃりと止まった。

 しまった混乱したせいで言葉の選択を間違えてしまった。


 「実はメリウス草原でレベリングしていた時、何か気配を感じたんだ。それで《看破》を使ったんだけど、何も反応が無くて気にしていなかった。だけど、考えればエリュシオンの奴らに違いなかったはずなんだ。だから、すまない。俺が油断していなければ皆をあんな目に合わせることは回避できたはずなのに」


 スキルレベル1の俺の《看破》では「エリュシオン」の奴らを見破ることはできなかったのだろう。だが、おとぎに《ダークフレイム》で広範囲攻撃をさせるなりしておけばよかったのだ。


 「それでもあいつらはここまで来ていたと思いますし、レイヤさんには全く責任はありません!」


 ウルドの一言で全員がうんうんと頷く。


 「はは・・・、とりあえず明日に備えてもう寝よう」


 「エリュシオン」の奴らが仲間を連れてくることを考えて、シールダー5人が交代で見張ることに。

 俺も見張ると主張したが、レイヤさんは休んでください、と全員から言われては眠る他なかった。





 「レイヤさん、そろそろ時間ですよ」


 「ああ、わかったよ」


 今の日付は11月1日。時刻は午後12時。

 経験値の泉は11月1日の午前0時から午後23時59分まで解放されるらしく、既に12時間が経過している。

 さすがに24時間起きていることは不可能なので時間分担することになった。

 俺たち8人で分担するというわけではなく、朝になると「EWSNカンファレンス」のプレイヤーが100人以上集まっており、パーティーごとに分担するらしい。

 

 「EWSNカンファレンス」は商会ギルドのためトッププレイヤーはいないが、その中でも指折りのプレイヤーが集っているとのこと。確かに3~4日でレベル75以上にするとは腕はあるようだ。


 経験値ポーションを求めて「EWSNカンファレンス」以外のプレイヤーも来たようだが、圧倒的な物量で経験値の泉を占拠して追い返しているらしい。

 俺がその立場なら文句を言いたいところだが、今は他のプレイヤーの命が懸かっているのだ。

 構ってはいられない。




 「ここが経験値の泉か」


 澄んだ水が湧きだしており、木草が生い茂り、沐浴でもしたくなるほど美しい泉だった。

 ここでポップするモンスターは少ないらしく、ウルドがパーティーリーダーのウルド班だけで今から2時間狩りをする。

 

 「余った分は俺がもらってもいいんだよな?」


 「ええ、他のプレイヤーさんのために僕も頑張りますよ」


 ウルド班の経験値ポーションの目標個数は1000個。

 ウルドに他のプレイヤーのために余った分をもらえないかと聞いてみたところ快くOKしてくれた。

 ノルマを達成してしまえば契約違反ではないためラスコッドは何も言えないだろう。

 

 支給されていたドロップ率上昇のアイテムを使用。


 「始めようか」




 「一、十、百、千、万だと!?」


 何と目標個数の1000よりも一桁多い1万以上の経験値ポーションを獲得してしまった・・・。

 一致団結したことで為せた成果だろうか?

 これで多くのプレイヤーを救えることになる。


 「本当にたくさん集まりましたね」


 ウルドが俺の驚き声を聞いて話しかけてくる。


 「本当にもらっても?」


 「ええ、もちろんです」


 「でも、まだラスコッドの依頼は続いているからなあ。トルーアにいるプレイヤーに配るのはすぐにはできそうもないんだよな。申し訳ないと思うけど、ウルド達に任せることはできないか?」


 「いいですよ、ラスコッドさんに見つからないように配らないとですね」


 ウルドは俺の頼みを引き受けてくれるようだが、言葉遣いが気になってしまう。


 「なあ、ウルド。敬語はやめにしないか?俺たちはもう友達なんだから。ランキングで1位だからってかしこまることはないさ。俺だってごく普通の人間なんだから」


 「うん―――うん!これからもよろしく、レイヤ!経験値ポーションは僕たちに任せてくれ!」


 ウルドは友達と言ってくれたことに嬉しかったのか声が弾む。

 そして他のシールダー達も、


 「任せてね!」

 「・・・うん」

 「よろしくっす!」

 「任せてください」


 上機嫌で返事をする。

 いい友達を作れたことに嬉しくも思うが、彼らの5人の関係が羨ましかった。


 「・・・ありがとう。じゃあ今日はお別れだな。あくみん、おとぎ帰ろう。それじゃあウルド、ミナミ、サピエンス、オーランド、クリスト。パーティーを組めてよかったよ。また会おう」


 俺はウルド達のおかげでVRMMOの醍醐味である「他のプレイヤーと仲良く遊ぼう!」を実感できたと思う。

 俺はそれに引き込まれて〈Fantasy Tale〉をプレイしていたのだ。

 だから俺は「果てなき幻影」の皆を探さなければならない。

 その恩を返すためにも。


 ウルド達と別れの挨拶を交わして俺たちはその場を後にした。







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レイヤ 職業ソードマン Lv.88

【HP】574/574(+20)

【MP】458/458(+10)


【筋力値】523(+25)

【敏捷値】596(+145)

【幸運値】387(+10)

【魔力値】292(+10)


【攻撃力】77

【防御力】88

【回避率】10

【命中率】15


【装備追加効果】無し

【装備追加セット効果】無し

【装備追加スキル】無し


【称号】無し


【装備武器】バスターツーハンドソード

【装備防具】初心者のシャツ 初心者のズボン スズガントレット スズブーツ 獣のリング+2 ライトイヤリング+2 ライトペンダント+2 シルバーウォッチ 

【装備ペット】無し


【習得スキル】スラッシュLv.43 バーティカルLv.43 スクエアLv.39 ホリゾンタルLv.36 ペネトレイトLv.35 ストライクLv.31 パワーウェーブLv.26 ダブルスラッシュLv.20 メテオスイングLv.20 スピードスターLv.17 ソードバーストLv.16 ビハインドエアLv.16 ダストストリームLv.13 シノハユLv.5 鍛冶Lv.8 錬金術Lv.5 細工術Lv.1 エンチャントLv.1 研磨Lv.2 料理Lv.3


【所持アイテム】薄い布の寝袋 銅色ハンマー ハニビー印の高級はちみつ 赤色の小さなポーション×3 鉄の仮面 シャークプラントの垢が残った歯×79 トレントの枝×122 ハリガネスネークの針金×69 レッドドラゴンソード 回帰の結晶 


【所持金】340105MIL 

 




 



 

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