第3話 装備強化
装備を強化するが、俺が着用している初心者装備セットは強化不可能だ。
だからトルーアの武器屋で購入する必要がある。
武器屋にいるNPCの武器職人然としたおじさんから購入したのはこれ。
[戦闘装備:両手剣] イルダブルソード 制限レベル:3 レア度:☆
装備効果:攻撃力+23
[戦闘装備:腕] ブロンズガントレット 制限レベル:2 レア度:☆
装備効果:防御力+15 命中率+5
[戦闘装備:靴] ブロンズブーツ 制限レベル:2 レア度:☆
装備効果:防御力+12
ブロンズガントレットとブロンズブーツを強化しようと思う。
強化するには3つの方法がある。一つ目は武器屋のNPCに依頼すること。
2つ目は強化するために必要なハンマーを購入して自分で強化すること。
3つ目は生産系のスキルに特化したプレイヤーに依頼すること。
この中で可能なのは武器屋のNPCに依頼することだ。
強化するためのハンマーは今の所持金では購入できない。また、プレイヤーデータがリセットされたため生産系のスキルに特化したプレイヤーなどいない。とはいえNPCに依頼するのは一番リスクが高い。
装備を強化するならば必要なアイテムをNPCに渡せば渡すだけ成功率が高くなるのだが、どうしても生産系のスキルを上げているプレイヤーよりは失敗率が高い。
まあ今は選択肢は1つしかないので運頼みだ。
ウルフの牙とブラウンウルフの牙を全てNPCに渡すと、NPCは奥の工房へ行き、古錆びたハンマーで防具を叩き始めた。
カーンカーンと心地よい金属音が鳴り響く。するとブロンズガントレットが光り、形状が変化した。
装備強化の成功である。
NPCはブロンズブーツもハンマーで叩き始めて数十秒後同じように形状が変化した。
これが強化に成功して得られたアイテム。
[戦闘装備:腕] メタルガントレット 制限レベル:3 レア度:☆
装備効果:防御力+18 命中率+7
[戦闘装備:靴] メタルブーツ 制限レベル:3 レア度:☆
装備効果:防御力+15
俺はこれらを装備状態にして初心者のダブルソードとブラウンウルフの毛皮を売った。
序盤で手に入るアイテムのため少額だったが。
今度はポーションを買うか。
「まだこんなにいるのか・・・・・・」
武器屋を出ると未だに新たなプレイヤー達が出現しており、ぽかんとして表情で立ち尽くしている。
話しかけられて現在の状況を説明するのは時間の無駄なので俺は足早に立ち去り、道具屋の扉を開いた。
ポーションはいらないと言ったのだが少しお金が余ってしまったのだ。
購入したのはこれ。
[消費アイテム] 青色の小さなポーション 制限レベル:1 レア度:☆
使用効果:HP+100回復 クールタイム10秒
これを10個ほど購入しておいた。理由はスキルにもレベルという成長システムが存在しているからだ。
スキルを使うとレベルが上がる。するとスキルの威力が上がり、より早く剣を振ることができる。
次はクエストを受けようと思う。
クエスト達成の報酬でそれなりにステータスが上がる装備を手に入れられるからだ。
「ごめんください」
住宅地域にある小さな民家の扉をコンコンと叩き住人に入ってもいいか確認を取る。
奥からかすれた弱々しい声が聞こえてきた。
扉を開くと薄暗い室内でベッドの上にいるおじいさんがいた。
そのおじいさんはせき込みながら俺に視線を向けて言った。
「・・・こんにちは・・・冒険者さん・・・。旅の疲れが溜まっているのならば休んでいってください・・・・・ゴホゴホッ!」
このおじいさんもNPCである。といってもNPCであると判断したのは以前にここに来たことがあるから知っている。大抵のVRMMOではカーソルというプレイヤーかNPCであるか判断するものがあるのだが、〈Fantasy Tale〉にはカーソルが無いため判断するのは厳しい。
おじいさんがせき込んでいるのは何か困りごとがあると示唆している。
クエストを受けられるのだ。
ここで言葉通りに休んでしまっては何も進展はないが、その困りごとに触れるとクエストが発生する。
「どうかしましたかおじいさん、辛そうではないですか?」
「はい・・・実は1週間ほど前に・・・病に侵されてしまい・・・・・・ゴホッ!・・・・・薬を買いに行きたいのですが・・・・・ゴホッ!・・・その体力も無くて・・・・どうか代わりに薬を買ってきてもらえないでしょうか?・・・・・ゴホゴホッ!・・・もちろんお礼は差し上げます・・・・」
「わかりました、待っていてください」
これでクエストを受けたことになったはずだ。
ただのおつかいなので簡単だが、薬代が自腹なのが痛い。
これが購入したクエストアイテム。
[消費アイテム] 緑の薬草 制限レベル:1 レア度:☆
使用効果:HP+50回復 クールタイム10秒
これをおじいさんに渡しに行こう。
おじいさんの家の扉をノックをして扉を開けた。
「おじいさん薬を買ってきました。どうぞ。」
「・・・これはありがとうございます・・・・・・」
おじいさんは緑の薬草をちぎり口に入れ、いつの間にか用意していた水の入ったコップで流し込んだ。
「・・・しばらくすると病気も治るでしょう・・・これはお礼です・・・冒険の役に立つと思います・・・・・・」
おじいさんからもらったアイテムはこれ。
[戦闘装備:指輪] 獣のリング 制限レベル:5 レア度:☆
装備効果:筋力値+5 敏捷値+5
制限レベルにより装備することができない。
タタトス渓谷に行きレベルを上げに行こう。
【Normal Monster】ブラウンウルフ Lv.8 アクティブ
俺にターゲットを取ったブラウンウルフが突進してくる。
青色の小さなポーションを使用したため俺のMPは全快している。
遠慮なくスキルを使用していこう。
【両手剣専用スキル スラッシュLv.1のスキルレベルがLv.2に上昇しました!】
【Lv.5に到達しました。おめでとうございます! HP+5 MP+4 筋力値+5 敏捷値+4 幸運値+3 魔力値+1 】
《スラッシュ》を何回か発動したためこのようにスキルレベルが上がったことを示すログが流れた。
ついでにレベルもアップしたため獣のリングを装備しておいた。
何気なく後ろを振り返ると日が沈み始めており、夕日が地面をオレンジ色に照らしていた。
「奇麗だな・・・・・・あ、宿ってどうしたらいいんだ?」
このまま夕日が地平線へと沈み行き夜になってしまったらどうなるのだろうか?
これまではログアウトをする前に安全地帯に行きログアウトボタンを押せば安全に現実世界へと戻れたのだが、異世界に飛んでしまったためそのようなことはできない。
宿にでも泊まればいいのだろうか?
モンスターがいるマップで寝ることは死に直結することは明白だが、モンスターがポップしない圏内の道で横たわっていたら?
他のプレイヤーに刺されでもしたら怖いし、ここは素直にお金を払って宿に泊まろう。
トルーアに戻り第一宿泊所と呼ばれる冒険者のための宿の前に着いたのだが、何という事だ。
「これって、何の行列だよ・・・・・・」
声に出した言葉とは裏腹に想像はついている。
うん、これは第一宿泊所に泊まりたいプレイヤー達の行列だ。
奥の方では何やらプレイヤーが騒ぎ立てている。
「もっと値引きしろよ!」
「まったく部屋数が足りないじゃないか!」
「お願いだから一日だけ部屋を貸してください」
そのような言葉が聞こえてきた。
受け答えしているのは融通が利かないNPCのため値引きなどは絶対にしないはずだ。プレイヤー達も混乱しているな。
今日の宿泊場所はどうしたらいいのだろうか?
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レイヤ 職業ソードマン Lv.5
【HP】45/45(+20)
【MP】31/31(+10)
【筋力値】19(+5)
【敏捷値】18(+5)
【幸運値】9(+0)
【魔力値】5(+0)
【攻撃力】23
【防御力】43
【回避率】0
【命中率】7
【装備追加効果】無し
【装備追加セット効果】無し
【装備追加スキル】無し
【称号】無し
【装備武器】イルダブルソード
【装備防具】初心者のシャツ 初心者のズボン メタルガントレット メタルブーツ 獣のリング
【装備ペット】無し
【習得スキル】スラッシュLv.2
【所持アイテム】青色の小さなポーション×6 ブラウンウルフの毛皮×2 ブラウンウルフの牙×3 回帰の結晶
【所持金】8722MIL




