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第29話 スラムの酒場

 シルバーウォッチの針は16時を指しており、日が沈む前にトルーアに到着しそうだ。

 今はタタトス渓谷を歩いている。

 ウルフなどのモンスターはレベル差があることから逃げていくので最短距離で歩いていけるからだ。

 レベル差で逃げていくのは変わらないようだ。

 

 それにしてもあの黒衣の男は誰だったのだろうか。

 弓を手に持って《ファイヤーアロー》を使ったことから職業はアーチャーであるはずだ。

 いや、武器には追加スキルなるものがあり、簡単なスキルならば他職でも使えてしまう。

 決めつけてしまうには早計だったな。


 そもそも俺たちをMPKに嵌めた目的は何だったのだろうか?

 俺はランキングで一位であったため、妬んでいたり快く思っていないプレイヤーがいるという話が聞こえてきたが、実害はなかった。

 俺の顔を知る者は指で数えるほどであるので、俺を狙ったわけではないだろう。

 おとぎはギルドメンバーくらいしか顔を知られていないし、あくみんは俺よりも知り合いは多いが、恨まれたりされるわけがない。


 となると単なるPKプレイヤーキラーかもしれない。

 プレイヤーをマップで襲ったり、俺たちがされたようなMPKをする者もいる。

 それは何も問題が無いプレイヤーの一つの遊び方であるため文句などは言えないが、現状は違う。

 本物の死が訪れるのだ。

 PKは根の腐った者が多いため、死ぬことがわかって行っている狂人か現実から目を逸らしていつもの遊びをしているPKなのかもしれない。


 だが、どちらにせよ許されることではないのだ。

 やはり秩序を保つことは最優先事項であるので早くあいつに会いに行こう。




 午後5時にトルーアに帰ってきた。

 おぶっていたおとぎはすうすうと眠っていたので宿屋へ行き、あくみんにおとぎの面倒を見てくれと頼んだら二つ返事でOKしてくれた。

 おとぎとの関係を修復したいのだろう。

 小さい一歩だが、その積み重ねによりいつか必ず溝は埋まっていくはずだ。


 

 二人と別れた俺はというと口を大きく開けてあんぐりとしている。

 なぜなら、ポーションの補充やアイテムを整理しようと道具屋へ行き、アイテムストレージを確認するとレアアイテムが収められていたからだ。



 [戦闘装備:槍] 女王蜂のクイーンズスピア 制限レベル:30 レア度:☆☆☆☆☆☆☆☆

  装備効果:攻撃力+300 筋力値+100 クリティカル確率+5% 

 


 クイーンハニビーからドロップしたアイテムだ。ドロップ率1%なのにたった一度でドロップするとは・・・。

 この1%という数字が高いか低いかは人それぞれだが、俺は100回に1回というのは低い確率だと思う。

 数字を見て100回繰り返せばドロップする!と意気込んでも100回同じことをするのはしんどいし100回繰り返しても絶対にドロップするわけではない。

 特に〈女王蜂のクイーンズスピア〉はドロップ率1%ではあるが、1%どころではない。

 

 〈女王蜂のクイーンズスピア〉を手に入れたいのならばハニビーの巣を見つけなければならないし、その巣もいつポップするかわからない。さらに、クイーンハニビーの数が少ない。

 それらを考慮すると1%という数字に惑わされてはいけない。


 他にも優れた武器があるとはいえ、今手に入れたことは幸運以外の何物でもない。

 俺が活用したいところだが、残念ながら剣を用いたスキルしか使えないため、俺が持っていては宝の持ち腐れだ。あくみんとおとぎは装備できないし、NPCは安価で買い取るため売りたくはない。

 

 俺はうんうんと唸り、どう活用しようか思考を巡らせていると一つの考えに至った。


 「・・・使えるかもしれないな」


 俺は一人にやりと笑い、〈女王蜂のクイーンズスピア〉をアイテムストレージに納めて目的地へと向かう。そこはスラム街のような場所だ。

 世界都市トルーアは本当に広大なマップで、東京23区ほどの大きさがある。

 そして、その土地を高さ30mの壁で円のようにして囲まれている。

 奇麗な円形というわけではなく、地球と同じで楕円ではあるがあまりにも広いので円のように見えるらしい。


 そんな高い壁であるので端っこの地域は陽が当たることのない日陰が出来てしまう。

 そこがスラムである。

 俺が行くのは決して陽が当たらない特に危険な地域。

 町の中であるのにモンスターがポップするのだ。

 

 ・・・スラム街が見えてきた。

 モンスターは湧いていないので速足で暗闇を進んでいく。

 わずかな陽光が放射されているので視界に問題ない。

 そして、一軒の寂れた酒場の前に二人の大男が槍を持っているのを確認。

 顔を隠す必要はないと思うが道具屋で買った鉄の仮面を装備。



 [戦闘装備:頭] 鉄の仮面 制限レベル:20 レア度:☆

  装備効果:防御力+53



 鉄の仮面は視界が狭くなり、戦闘時には邪魔であるので購入していなかった。

 この酒場に来るときは超レアアイテムの頭装備などを着ていたのであの二人の大男の間を顔パスならぬ、装備パスで堂々と通過できたが、鉄の仮面でいけるだろうか?


 顔は知っているが、二人の大男と話したことが無いのでどういった人間なのか知らない。見た目で判断するなら短絡的な単細胞な奴らだろう。

 横切る際、後ろから槍で突かれたらどうしようか?

 さすがに殺すことはないだろうが緊張してしまう。


 俺は意を決して前に進む。

 二人の大男が俺の姿を見て目を細くして睨みつける。

 そして二人の横を過ぎ去ったとき、両肩に手をかけられて―――――


 「うぉおい!!」

 「んだ、てめぇはよ!!」


 怒鳴りつけられてしまった。

 内心超ビビってしまったが、俺は毅然と振舞う。


 「・・・お前たちの飼い主に呼ばれたんだがな?」


 声のトーンを下げて冷静に言ったが、仮面の中の俺の顔は引きつっているのではないだろうか?

 ・・・怖い。


 「あぁ!?んなこと聞いてねえんだよ!!」

 「シバくぞゴラァ!!」


 俺の肩をゆっさゆさと揺らしてくるものだから、下手に出ればよかったと後悔。

 例えそうしても同じ対応だったとは思うが。


 そう考えていると、この騒ぎを聞きつけてか西部劇によく出てくる酒場のスイングドアをバタンと押して、細身ではあるものの体躯が良い高身長の男が出てきた。


 「やめろ、その男は私の招待客だ」

  

 





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レイヤ 職業ソードマン Lv.30

【HP】166/166(+20)

【MP】118/118(+10)


【筋力値】152(+25)

【敏捷値】247(+145)

【幸運値】88(+10)

【魔力値】54(+10)


【攻撃力】77

【防御力】141

【回避率】10

【命中率】15


【装備追加効果】無し

【装備追加セット効果】無し

【装備追加スキル】無し


【称号】無し


【装備武器】バスターツーハンドソード

【装備防具】初心者のシャツ 初心者のズボン スズガントレット スズブーツ 獣のリング+2 ライトイヤリング+2 ライトペンダント+2 シルバーウォッチ 鉄の仮面

【装備ペット】無し


【習得スキル】スラッシュLv.23 バーティカルLv.24 スクエアLv.20 ホリゾンタルLv.17 ペネトレイトLv.16 ストライクLv.12 パワーウェーブLv.7 鍛冶Lv.8 錬金術Lv.5 細工術Lv.1 エンチャントLv.1 研磨Lv.2 料理Lv.3


【所持アイテム】薄い布の寝袋 銅色ハンマー ハニビー印の高級はちみつ 女王蜂のクイーンズスピア 青色の小さなポーション×15 赤色の小さなポーション×3 回帰の結晶 


【所持金】37792MIL 


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