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第11話 レベリング



 【Normal Monster】ウルフ Lv.5 アクティブ



 【Normal Monster】ウルフ Lv.4 アクティブ



 ウルフが2匹いる。背を向けているためこちらには気づいていないようだな。

 この場合は不意打ちが有効だ。


 「レベル4のウルフから片づけるぞ。俺が合図したら弓を引け」


 「わかりました」


 「でも、その前にこれ食べておけ。幸運値が上がるから」


 差し出したのはバタークッキーだ。


 「ありがとうございます、矢も作っておきますね」


 「ああ」


 矢を作るということはアーチャーが使える《矢生成》というスキルを使うのだろう。

 それはMPを消費して矢を創り出すというもの。

 以前は道具屋などで矢を購入しなければならなかったため、大変便利なスキルだ。


 あくみんはバタークッキーを食べ終えて、《矢生成》を使用したので俺はウルフに気づかれないよう忍び足で近づく。

 あくみんは後方で弓を構えてウルフに照準を当てている。


 不意打ちのことだが、まずはあくみんが《ファイアーアロー》で攻撃する。

 なぜかというと、アーチャーは幸運値が高いためクリティカルダメージが出やすいからだ。

 

 基本的にソードマンのほうが火力は高いのだが、アーチャーがもし連続してクリティカルダメージを与えると瞬間的な火力ではアーチャーの圧勝だ。

 だから、あくみんが最初に攻撃するのだ。

 

 それに、クリティカルダメージは若干プレイヤースキルも関係してくる。

 それはモンスターの弱点を狙うこと。

 弱点を攻撃すると大ダメージを与えられるのだが、クリティカルダメージというわけではない。

 少しややこしいのだが、クリティカルダメージというのは完全に運で決まる。

 その可能性を高めるのが幸運値とプレイヤースキルだ。

 幸運値が高ければ高いほどクリティカルダメージは出やすい。

 プレイヤースキルについては弱点を狙うとクリティカルダメージが出やすくなる。

 

 あくみんは現実では弓道部に所属しており、インターハイに出場するくらいの実力者なので腕前は相当良い。

 ウルフの弱点は目。

 あくみんは絶対に当てる。そう信じてる。


 俺はあくみんに目配せして合図を送る。


 「ファイアーアロー!」


 スキルの発動と同時に俺は一気にウルフとの距離を詰める。

 それよりも速く真っ赤に燃え盛る矢が俺の横を通り過ぎる。

 俺の肌に熱気、鼻に焦げ臭さを残して一直線に風を切っていく。

 吸い込まれるように後ろ斜めからウルフの目に命中した。


 ウルフは大きく吠えて後ろへと跳ねる。

 レベル5のウルフとぶつかり合う。

 HPゲージは・・・全損!

 弱点による大ダメージとクリティカルダメージが決まったのだ。

 

 ぶつかったことで宙に浮いていたウルフは煙のように消えていく。

 レベル5のウルフはバランスを崩して倒れている。

 今だな。

 スラッシュ!


 ウルフの首元を切り裂いたがHPゲージは削り切れない。

 だが、すぐに援護の矢が飛んできてレベル5のウルフの目に命中してHPゲージはゼロになった。

 このタイミングとアキュラシーはさすがだな。



 【両手剣専用スキル スラッシュLv.2のスキルレベルがLv.3に上昇しました!】

 【Lv.6に到達しました。おめでとうございます! HP+4 MP+3 筋力値+3 敏捷値+3 幸運値+2 魔力値+0 】



 大多数がトルーアに籠っているだろうからレベル6というのはそこそこ早いスピードのはずだ。

 だが、一番ではない。

 今もいくつかのパーティーが戦っており。戦闘音が聞こえてくる。

 何人かは見かけたことがある。

 ランカーだった奴らや、大手ギルドに所属していた奴らだ。

 顔を見知っている程度なので馴れ馴れしく話しかけることはできず、俺も向こうもちらちらと瞥見するだけ。

 しかし、向こうは目を細めて睨むように瞥見してくるため、瞥見する理由は俺と異なると思われるが。

 

 俺はどんな奴らが死の危険を伴ってでもレベルを上げるのか気になっただけだ。

 俺は向こうを知っているが、レベル998のときの俺は装備で顔が隠れていたので向こうは俺が誰なのかわからない。

 「よう」などと気安く話しかけて俺が誰なのか教えてやればいいのだが、そんな関係ではない。

 過去に「果てなき幻影」はある事件により大手ギルドと対立して修復不可能な確執が存在している。

 それに、俺自身も嫉妬や僻みで忌み嫌われていた。


 向こうが瞥見してくる理由だが、きっと知らない誰かが強くなることが怖いのだろう。

 <Fantasy Tale>ではHPが減らない安全地帯は存在しない。それは男と女性プレイヤーが町で死んだことからもわかるだろう。

 この状況だとレベルを上げて強くなった者が優位性を持つ。

 HPが機能しているのかは不明だが、筋力値や敏捷値は上昇すると、攻撃力は高くなるし、早く動けるようになることは戦闘でわかっている。

 つまり、他の誰かが自分より強くなって命の危険が生じるという事実が怖いのだ。

 

 「俺もだけどな・・・・・」


 「何がですか?」


 俺の独り言を耳にしたあくみんが問いかけてくる。

 聞こえないように言ったつもりだったのにな。


 「何でもないさ・・・それより俺たち以外にもレベルを上げている奴がいるみたいだ。ここから見える奴もそうだが、次のマップへと続く道に足跡が残っている。知らない奴の足跡もあるだろうが、あいつらも先に進んだんだろう」


 「立ち止まってくれればいいのに薄情ですよね」


 「ははは、あいつらの性格上それは無理だろ」


 周囲を見渡してもかつてのギルメン達はいない。先に進んだのだろう。

 立ち止まることは他の者にレベルの遅れを取ることになる。

 自分の身を護るためだ。先に進んだのは俺とあくみんを見捨てたわけではないはずだ。

 トルーアに籠っていることも考えられるが、それはない。

 なぜなのかと言われると俺も困ってしまうが、言うなれば勘・・・だろうか?

 長い付き合いだ、あいつらの性格は知っている。


 「俺たちも早急に追いつこう、油断せず確実にな」


 「はい!」







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レイヤ 職業ソードマン Lv.6

【所属ギルド】果てなき幻影


【HP】49/49(+20)

【MP】34/34(+10)


【筋力値】22(+5)

【敏捷値】21(+5)

【幸運値】11(+0)

【魔力値】5(+0)


【攻撃力】23

【防御力】43

【回避率】0

【命中率】7


【装備追加効果】無し

【装備追加セット効果】無し

【装備追加スキル】無し


【称号】無し


【装備武器】イルダブルソード

【装備防具】初心者のシャツ 初心者のズボン メタルガントレット メタルブーツ 獣のリング 

【装備ペット】無し


【習得スキル】スラッシュLv.3


【所持アイテム】青色の小さなポーション×6 バタークッキー×2 薄い布の寝袋 ウルフの牙 回帰の結晶


【所持金】420MIL


 

 

 

 

 

 

 

 


 



 




 

 

 


 

 

 

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