アンラッキー
「突然ですが小テスト始めますー」
教室内に広がるどよめきと溜息。
体内の不調和音が隣からでも聞こえてくる。
「全然勉強してないよ」
心の中で不平不満を唱えながら
隣の人のすらすらと流れる鉛筆音に耳を立てる。
隣の芝生がこんなにも気になるのは
この時が一番だろう。
「ちょっと暑いから窓開けるねー」
先生の声とともに流れる外からの突風。
解答用紙が小鳥が羽ばたくかのように
ひらひらと宙に舞い上がる
隣の人の解答用紙がちょうど自分の席の横
床に落ちた。食い下がるように答案を見た時
上から声がかかった。
「もう終了だぞ」
目が覚めた時テスト終了の鐘が鳴り響いていた。