VSボス的な男の人
フォンセが剣を構える。相手は斧を取り出し、構える。
僕も槍を構え精神を研ぎ澄ませる。光が槍を包む...今だ。
そして、地を蹴り相手へと向かい槍を振る。光が相手に移り、爆破する。
よしあたっ.........え?...なんで...かすり傷もついてないんだ?
ーそのような攻撃...我には通らんー
「まだ...私もいるわよ。」
僕の隣から、フォンセが走っていった。
フォンセは助走のように走り、そして地を蹴り神剣を振る。
「...全属性特攻、発動。」
彼女がそう唱えると神剣が虹色の光を発生させ、辺り一帯を包む。
そして光は4つの所に集まり、円柱の形になって相手へと向かっていく。
甲高い音が鳴り目がつぶれるほどの光が発生する。僕は思わず目を閉じた。
目を開けた時には表情を変えずに相手を見つめるフォンセと表情をゆがませた
相手が目に入った。
ー...っ...!なんだ...ほかのやつらとは段違いではないか...!ー
「.......もう終わり?町を火の海にする奴も、この程度なのね?」
ー調子に乗りおって...!次は...我の番だ!ー
(フォンセが段違いっていうのは分かり切ってるよ...。
そういう考えが浮かんだが、取り消す。)
相手はそう言った後に斧を振りかざし、
ーアルプ...トラウム!ー
そう唱えたうち、黒い光を発した斧をフォンセへと振り下ろす。
「...全属性吸収、神剣の加護...発動。」
フォンセはそう呟いた後、後転をして相手の攻撃をよける。
振り下ろされた斧は地面に刺さり、地割れを起こす。
え、待って。これ僕...大ピンチじゃない...?
その考えが頭をよぎったがすぐに消される。
地割れが止まり相手の元へと戻っていったのだ。
それに、相手の斧が振り下ろされた場所には魔法陣が書いてあり、黒い光を吸い取った。
ー...何だ...!?ー
その魔方陣と同じ模様をしたものがフォンセの神剣の下にあり、吸収していた黒い光が神剣に集う。
すると戻っていった地割れが相手の足の下へと行き、地面が割れる。
が、相手も後転をしてよける。
フォンセは剣を持って立っていた。はずだったのだが...
「...とどめよ。」
そう呟いた時には、もう相手の所にいた。
剣も相手の頭上にあり、よけるのは不可能に近い。
剣が相手に当たったと思われる頃には、相手の背後に黒光で構築された大剣が
いつの間にか発生していた。其の剣が相手を貫くころ、フォンセはまた見ぬうちに宙に浮き相手を見下ろしていた。
剣は相手を突き刺し、そして浸透する。
ー...ぐ...!仕方ない...ここは引くか。-
そう言って倒れた後...魔法陣が現れ、消えた。
「か...勝った?」
「えぇ...。そうみたいね。」
「や...やった..やったぁぁぁぁぁ!」
「え...そんな興奮する事なの?」
「あ...なんかごめん。でも、今のってボスみたいだったから...つい。」
「謝らなくてもいいけれど...まぁ、貴方の攻撃が通ってなかったしね。」
「う、うるさいなぁ...。」
こうして僕らの(ほぼフォンセがやったけど)
ボス的な男の人との戦いは終わった。
でも...僕らはまだ知らない。今回の天災で何もかも失ってしまったなんて...
まだ。