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悪夢の序章

其れは予兆もなく訪れた。


或る夜。僕が夜の散歩をしていた時、突然の破壊音が鳴った。

弾かれたように廊下の窓から外を見たとき、そこは地獄のようだった。

外は真っ暗な雲に覆われ、月は朱く染まり、

防御用の壁でよく見えないが炎も上がっているように見えた。

咄嗟に僕は走り出した。逃げなければいけないと本能が告げていた。

誰かと合流しないといけない。何より兵役での訓練生の単独行動は危険だ。

だれか...誰かいないのか...!


「シャイニ!!」


いつもの聞きなれた声がした。


「フォンセ!!」


フォンセが前方からやってきた。

良かった...一人でも合流できれば気持ちは楽だし...。


「良かった、一人で散歩に行っていたようだから追って来たの。

単独行動だったみたいだけど...怪我はないようね。

...とりあえず、みんなと合流しましょう。

そのほうが怪我した時もすぐ治療できるもの。」


「うん、そうだね。」


フォンセがいれば大体の敵は倒せるだろうから千人の騎士がいるも

同然だけど...町を火の海にしたかもしれないよう魔物ならいくらチート騎士のフォンセでも倒せるかはわからない。

とりあえず聖騎士の人やみんなと合流しないと...。


ー騎士が二匹...逃がすものかー


「!!」


低くて禍々しい声が聞こえる。この世の絶望を籠めたような声が。


「..............。」


フォンセがいつの間にか黒い剣を手に持ち、縦に構えていた。

すると鼓膜が破けるほどの破壊音とともに壁が壊れる。

その瓦礫がフォンセへと向かう。でもフォンセの前で止まり、落ちる。


「...シャイニ、少し厄介なことになったわ。」


...言われなくても分かっている。

さっきの声にしろ、...壁の破壊にしろ。

並みの相手じゃないくらいは分かる。僕も、自分の槍を抜き出す。


ー...神剣に光属性の騎士か。まぁよかろう。貴様らなど我の相手ではない。ー


「っ!」


壁から現れたのは真っ黒な鎧を着た男の人だった。

でも...冷汗が止まらない...それに足も動いてくれない。

今の僕はまるで...蛇に睨まれた蛙みたいな...。


すると横から真っ黒な雷撃のようなものが飛んだ。


「シャイニ!しっかりしなさい!」


そうだ。僕は一応騎士なんだから、戦わなきゃ...

今何が起きてるのかも、この人が何者なのかも知らなくていい。

逃げてもどうせ追いつかれる。其れなら...


戦って生き延びるしかないんだ!


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