一年後
姉が神剣の継承者になったりチートスキルを発動してから、1年の歳月がたった。
(因みに兵役は5年だ。)
フォンセは瞬く間に戦闘に関する才能を開花させ、
聖騎士の人たちと共に上級ダンジョンの攻略をするようになった。
それに彼女の活躍で今まで町を困らせていた魔物の数が大幅に減少し、
町の人々はフォンセの事を「救済の勇者」と呼んでいるらしい。
1年も経てば、まぁ普通の人は下級魔物くらいは簡単に倒せるようになる。
それに基づき、仲のいい人で10の班に分かれての(因みに僕の班はライ、ユカリ、リナ、(ユカリ、リナは最近できた友達)僕の四人だ。)
町から遠く離れた草原の魔物退治が多くなった。
4年ほどたてば、魔物の発生源である下級ダンジョンに行くこととなる。
(フォンセは半年で上級ダンジョンに行くこととなったが。)
今日の相手はコドラ(弱ドラゴンの子供。下級魔物)らしい。
下級魔物といえども中級魔物と下級魔物の間くらいの強さだし、
火の粉をはいてくるので得意属性が水でなければなかなか下級騎士での討伐は厳しいらしい。
でも一応聖騎士の人がいるため、最低限死ぬことはない。
因みに僕の付き添いはルナさんだ。
そんなことを言っている間に前方に、コドラの群れがいた。
僕はコドラの群れへと槍を構える。
神経を研ぎ澄ませ、槍に力を籠める。すると、槍から光が現れる。
今だ。
僕は構えのままコドラの群れの真ん中に突撃し、槍を円を描くようにに振る。
その刹那、光がコドラの群れを包む。そして...爆発する。
「「ぎゃおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」
「...浄化、完了。」
大量に討伐して、つい口からこぼれてしまった。
「ふふ、すごいですね。最初は突きすらまともにできなかったのに...
1年たてば武器を使いこなしているなんて。」
「姉に比べればまだまだですよ、僕なんて。」
ルナさんがほめてくれたが...
フォンセが姉の僕にとっては嫌味にしか聞こえない。
まぁ、これでも槍兵仲間の中では強いほう...のはずだ。
とはいえ、下級ダンジョンの攻略ができるかは分からないが。
「シャイニー!終わったぜー!」
「こっちも終わったよー。」
「全滅いたしました。」
と、ライたちも終わったのか。
「では、集合場所へと向かいましょうか。」
一見平凡だけど、それでも僕はこれが続けばなって思うくらい大切な時間。
でも、僕は知らなかった。
この世界に天災が訪れるなんて、まだ。