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A・L・N  作者: Roa
5/11

+かくもしかくも+

こないだ妻が、買ってきたまだ産まれてない子供の下着を手に

「これがあなたの息子の下着よ。小さいでしょ」

と渡されたとき(´;ω;`)感動しました。

◆◇◇Step by 10◇◇◆


 また、このフレーズだ。

『誰もが信じていることが違う。それは紛れも無い事実だ。』

 そして、どこかでかみ合っていない――


「今更だけど、君の名前は?」


 少しの沈黙と―――


「結城真理。あなたは?」


 ―――低い声。


「ロア」


 呆れたかのように――


「あなたのほうこそ日本人でしょ」


 彼女が脇腹を抑えて、初めて笑みを見せる。


「あなたが、ロアなら…

 私は―――、マリオンね」


 脇腹の手を腰に変えて、彼女がそう名乗り直した。僕も釣られて、彼女に笑い掛ける。


◆◇◇Step by 11◇◇◆


 そう―――。

 彼女さえ思い出せば二つの道が生まれるのだ。僕には、希望的観測しかなかった。僕らは、月が白い内にと帰路につく。


 道中を、笑いながら過ごす。

(あの荷物重くない?)

(あなたひ弱ねー)

 と僕らは、そんなたわいのない会話に花を咲かせた。


 なにかが、刺の様に僕の心を締め付けていた。それの正体に、僕は気づいていいる。

 正真正銘に僕は、『戻ってきても還れない』のだ。(2200年?)僕がいつを生きていたのかは知らないが、父も母も兄弟も紛れもなく生きていないのだ。事実は―――、きっとそうだと思っていたことでさえ残酷に刻んだ。


 まるで小さい子が嘘を着くように、僕は笑顔でそこにいた。


 低温睡眠で長く眠っていたという事は、つまりは…そう言うことなのだ。彼もまた、今を生きようと懸命だが、そこには親も無く、家族も無く、友達もまたいなかったのだ。息子を一人、低温睡眠につかせた両親はどんな言葉で送ったのだろう。

 言葉として考えるには、その気持ちの深さに察するに余りあった。


『生きたい』


 でも…、そこには親も無く、家族も無く、友達もいなかった。


読んでくださいましてありがとうございます

結城真理

(ライオンのように強くありたい。)

マリオン

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