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EP:9

すいません!更新が激しく遅れてしまいました。言い訳を言わせてもらうとまったくネタが思いつきませんでした。これからはもっと早く書けるように精進します。

「あー!また負けたー!」

 負けたのがよっぽど悔しかったのか、アイは髪をくしゃくしゃとやりながら叫ぶ。

「なぁ、もうそろそろ……」

「恭平くん!もう一回!」

「いや、もう寝……」

「きっともうこのキャラじゃ勝てないんだなぁ。次はどうしようかなぁ」

 あれからかなりの時間アイと二人でゲームを続けている。

 ただの暇つぶしにと始めたんだけど予想以上にアイが本気になってしまい、そのままぶっ続けで対戦している。

 アイも着々と実力をつけてきているが、さすがに僕に勝つまではできない。コンピューターには勝てるようになったけど。

 僕がわざと手を抜いて負ければ終わるかなぁとか思ってやってみたけどそれはやってる途中でアイにばれてしまった。まぁあのまま負けるのもプライドが許さなかったが。

「このキャラに対応するには、これより速いキャラを使ったほうがいいぞ。あの狐とか鳥とか」

「でもそのキャラ私には使いづらいんだよぉ」

一刻も早く僕を越えていただくためにも苦手なキャラを教えるがそれでも僕とアイの差は縮まらない。

キャラ替えてもう一戦。 カチャカチャとコントローラーを動かす音が部屋に響く。僕とアイの間に会話はない。

しばらくして僕のキャラとアイのキャラが一騎打ちになり、すぐに僕のキャラがアイのキャラを吹っ飛ばす。

「あー!なんでよー!」

コントローラーを投げるアイ。負け続けてストレスがたまってるんだろうなぁ。僕もこのゲームを始めたとき元樹にぼこぼこにやられたから非常に気持ちはわかる。

「ねぇ、あんたらちょっとうるさいんだけど」

ドアをあけて文句を言ってきたのはコニカだった。少しアイがうるさくしすぎたようだ。

「ごめんねコニカちゃん。でもこれすっごくおもしろいんだぁ。コニカちゃんもやる?」

「なにそれ?」

コニカもゲームに興味を持ったようで、アイの説明を熱心に聞いている。

まてよ。このままコニカにアイの相手をさせておけばいいんじゃないか?

「よし、コニカ。アイの相手を頼んだぞ!僕はもう寝る。おやすみ!」

「え?どうゆうこと?」

「じゃあコニカちゃん対戦しよう!」

そして僕は眠りに落ちた。




「……さん!恭平さん!」

 誰かが僕の名前を呼んでいる。

うっすらと目を開くとハルカさんが見える。あぁもう朝なのか。

「あと五分……」

 お約束な受け答えをしてもう一度眠りに就こうとする。

だけどピコピコとうるさい音が流れていてなかなか寝付けない。ん?ピコピコ?

不審に思いがばっと布団をはがして起き上がると、寝る前にやっていたゲームの画面が。

「まさか君たち徹夜でゲームを……?」

「何言ってんのよ。窓をみてみなさい。徹夜っていうにはまだ早いわ」

窓の外は一面真っ暗闇。次は時計をみる。3時前。僕が寝たのはたしか1時半ぐらいだったから僕が寝てた時間は……一時間とちょっと。

うん。もう一回寝よう。

「じゃあおやすみー」

布団をかぶって寝ようとするがアイに布団を剥がされる。

「恭平君は起きて私たちと対戦する!」

「いやいや、勝手に決めるなよ。第一僕は明日学校があるんだからもう寝ないと」

「今から寝たって寝坊するだけよ。だからいっそのこと徹夜しちゃいなさいよ」

「だけど眠いし……」

「お願いっ。今日だけ、ねっ?」

ぐっ!上目遣いで言ってくるアイははっきりいってかなり可愛い。可愛いんだけど……

「でも本当に眠いんだよ……」

僕の思いが通じたのか、アイは少ししょんぼりとして、そっか……とつぶやいた。

「じゃあおやすみー……」

 アイには悪いがこれでやっと安眠を手に入れられる。

だけど世の中そんなに甘くはなかった。

「あーもう!あんたは黙ってやればいいのよ!」

そういいながら手には謎の電気が。

「わー!わかった!やるからそれはストップ!」

「わかればいいのよ。わかれば」

あぁこれで俺は今晩寝れる可能性がほぼなくなってしまった。

「はぁ……」

「やったー!あのね、私結構強くなったんだよ!」

「最初から起きてればよかったのよ」

「ごめんなさい、止めようとしたんですけど無理でした……」

アイはやる気満々だし、コニカは恐ろしいし、ハルカさんはやさしいし。

あーもうこれはあれだな、僕が全力でやってみんなのやる気を削ぐしかないのか。

「よっしゃ!こうなったらとことんやってやる!」

そして僕はコントローラーを握って戦場へ乗り込んでいった。




「あーねみぃ……」

僕達四人の死闘がやっと終わった。結局僕の一人勝のような感じで今回のゲーム大会は幕を閉じた。なんだかしらないけどコニカがめちゃくちゃ強かったことにはびっくりした。ハルカさんは予想どおり最下位だった。

外はもう太陽が昇り、小鳥のさえずりまで聞こえてくる。

「おつかれさまです」

そういいながらコーヒーを差し出してくれるハルカさんはやっぱりやさしい。

「あいつら終わった途端にすぐねちゃって……眠いなら徹夜するなっていいたいですよ」

「あはは……」

「とりあえず僕はこれから目を覚ましにシャワーに行ってきます」

「あ、はい。じゃあその間に朝ご飯作っちゃいますね」

ちゃちゃっとシャワーを浴びて、ご飯を食べて家を出る。

いやー、いい天気だ。これは絶対に授業中に寝ちゃうね。そんでもって先生に怒られるんだろうなぁ……

「はぁ……」

学校へ向かう僕の足取りはとても重かった。

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