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EP:2

 僕は今人通りの少ない道を歩いている。今日は学校をサボっているからなるべく知り合いに会わないようにするためだ。まぁ今は授業中だから滅多なことがない限りあう可能性はないんだけれど。

 僕の少し後ろを付いてきているアイはさっきからずっと落ち着かない様子だ。

「なんか珍しいものでもあるのか?」

「地上ってすごいね……」

「は?」

「だってさ、地下では……」

「あー地下云々はいいからさっさと行こうぜ。」

 いろいろと長くなりそうだったし、そうゆう話は家についてからでいいと思いアイの話を聞かないことにした。

「……」

 う、なんかじと目で睨まれた。

「と、とりあえず急ごうぜ。なんとなくだけど早くしたほうがいいと思うんだ。うん」

 無言でうなずくアイ。そんなに話が出来なかったことが悔しいのか。大丈夫だ家に着いたらいろいろ聞いてやるから。出身地の話とか出身地の話とか出身地の話をな。




 歩くことおよそ10分。僕の家の前に着いた。ちなみに家に着くまでの10分間僕はずっとにらまれっぱなしだった。あ、今もか。

「はい、ここが僕の家だよ」

「意外に大きいのね。もしかして恭平って貴族だったりして?」

 今のこのご時世に貴族はないだろ貴族は。まぁ言うまでもなく僕の家は周りの家となんら変わりの無い一般家庭だ。

「貴族だなんてそんなはずないだろう。今のこの世の中に貴族なんているはずないし、僕はあくまでも普通のどこにでもいる高校生だ。」

「ふーん。ここは裕福なのね、一般市民が家を持てるなんて。」

 一体こいつはどんな環境で育っているんだ?まさか過去からタイムスリップしてきたとか、そうゆう設定かもしれないな。……そっちのほうが非現実的だな。

「ねぇ、早く入らない?私もう疲れちゃった。」

 あーすいませんね。ってなんで僕が謝らなければならないんだ。お前は招かれてる側なんだぞ。

 とか思いつつもドアの鍵を開けようとした瞬間、「わきゃ!」

 なんか変な悲鳴が聞こえてきた。

 とてつもなくいやな予感がするが、僕は勇気を振り絞って庭を見てみた。

 そこには、真っ白な服をきた少女がいた。やっぱりというか、なんというか。

「ど、どうも。きょ、今日はいい天気ですね」

「あぁ。ほんとにいい天気だ。空から人が振ってきそうなぐらいにいい天気だね。」

「ギクッ!」

 少女の顔から汗が出てきている。図星だったようだ。

 なぜわかったか?そんなの簡単さ。彼女の背中に羽が生えてたからさ。地底人の次は天界人かよ……

「いろいろと言いたいことがある。君も一緒に来るんだ。」

 めんどくさいから同時に話を聞こう。もうなんだっていいや……

「じゃ、じゃあお言葉に甘えて……」

 そして俺たちは家の中に入っていった。



 長方形のテーブルを囲って座る俺たち。

 目の前にはアイ、そしてその横には空から落ちてきた?謎の少女。

 そして僕の横には僕の母さんが座っている。

「私としては恭介がどうやって二人の女の子を家に連れ込んだかが知りたいんだけどなぁ……」

 なにやら母親は僕が誘拐でもしてきたのではないかと疑っているようだ。まぁ生まれてこのかた女の子を家に連れてきたことなんか一回もないからな。そう、一回も。

 自分で言ってて虚しくなってきたぜ・・・

「こっちの子はいきなり地面から出てきて、こっちはいきなり空から降ってきた。んで事情を詳しく知りたいから安全な家まで連れてきた。それだけだよ。」

 普通の人間がこんなこと聞いても信じるはずはないが僕の母親なら簡単に信じてくれるはず!

「へぇ。珍しい子達ね。おてんばなのはいいけど怪我をしないようにね」

 よし。第一の関門の母親突破!

 さて、ここからは事情聴取といくかな。

 まず最初に聞くのは空から降ってきた?謎の少女のほうだな。名前とか知らないし。

 少女はなんとなく大人びて見える感じだ。髪は黒髪で短め、さっきみた感じだとスタイルはいいかな?詳しく見てないからよくわからないけど。顔はとても整っていて、どこかのお嬢様のような雰囲気が漂っている。服装はさっきもいったように全身真っ白で背中からは天使の羽(正式名称は知らない)が生えている。

「えーとまず空から落ちてきた方。名を名乗れ」

 なんだかよく分からんが聞き方が古風になってしまった。まぁさして問題はないだろう。

「あ、えっと私の名前はハルカって呼んでください」

 ハルカ?やけに日本的な名前だな。

「はい。もとの名前は彩島春香って言うんですけど今はハルカなんです。」

 なにやら意味深なことを言っているな。

 一体どこから来たんだ?

「天空住居日本支部です。」

 そんなこと言われてもさっぱりだ。

「ようするに日本の真上にある天界です。天界にもいろいろあってちょうど私は日本の真上にすんでるわけです。」

 まぁ予想通り天界人か……信じられないけど信じるしかないのか

「とりあえずその羽を触らせてくれないか?」

「羽ですか?別に構いませんが……」

 うーむ羽も本物のようだし疑うポイントが無いな。

「はぁはぁ……」

「ん?どうした?」

「いえ!なんでもないです!気にしないで下さい!」

 羽を触った瞬間顔が赤くなって息も荒くなったってことは羽がハルカの弱点なのか!いいこと発見したぜ。ぐフフフ……ゲフンゲフン危ない危ない変態さんになるところだった。

「ちなみに年は何歳?」

 今更だが聞いてみる。年上だったら呼び捨てのままはいえないと思うし。

「えっと人間だったころは22歳でした。天界人は老いることがないのでそのままの年齢ってことでお願いします。」

 やっぱり年上だったか。天界人になってからは何年ぐらいたつんだろうな……まぁそんなことは今はどうでもいいな。

「年上だったならハルカって呼び捨てはまずいですよね。ハルカさんって呼ばせてもらいます。でハルカさんはどうしてここに?」

「あ、気になさらず。ここに来た理由はちょっと空の旅を楽しんでいたら風に飛ばされそうになってバランスをくずしてしまい……」

「墜落したってことだね。」

「恥ずかしながら……」

 まぁなんとなく事情は分かったしハルカさんへの質問はこれぐらいで良いだろう。

 次はアイか……

「アイ。単刀直入に聞く。なんで地上に来た?」

 めんどくさいのでいきなり核心に触れることにする。

「あ! やっと信じてくれるんだ!」

「そうそうだから早く理由を言ってくれ」

「えっとね、ずっと前から地上に来たいって思っててこの前やっとお父さんが出張になってしばらく家を空けることになったから、抜け出して来たの。ここまで来るのに2日もかかったんだよ!」

 そりゃあおつかれさんでした。ただの家出じゃないか。

「家出っていうか、観光よ。観光。それなら全然問題ないでしょ?」

「まぁ俺は構わないんだがなぁ……お父さんにばれたらどうするんだ?」

 まぁそこらへんはちゃんと考えてあるんだろうが……

「あ! そのこと全然考えてなかった!お父さんいつ帰ってくるのか知らないし」

「……」

「アハハハハ……」

「やっぱりお前ばかだろ。」

「あ! 今ばかって言った! ばかっていった方がばかなんだよ!しらないの!?」

 なんかめっちゃ子供みたいなこといってるし。こうゆうタイプ苦手なんだよなぁ……

「恭平さん。あんまり女の子に失礼なこといってはいけませんよ?女の子はデリケートなんですから」

 あー……すみませんハルカさん。

 やっぱり俺はこうゆうしっかりした大人な対応ができる人の方がいいなぁ。うん

「まぁそれはもう置いておくとして、アイはどれくらいこっちにいるつもりでどこに泊まるつもりなんだ?」

 絶対なにも考えてないんだろうなぁ……

「えっとねぇ、滞在する期限は決めてないけど泊まる場所ならきめてあるよ!」

 ほほう。してそこはどこか。

「恭平の家とか」

 恭平の家ねぇ……なんだこっちに知り合いがいたのか。恭平……?

 僕の名前は?    恭平だよな。

「いや、まぁなんだ。うちは無理だぞ。」

「えええええ!そんな!」

「そんなに驚かれても困る。ほんとに困る。とりあえずうちは無理だ。うん」

 やんわりと拒否しよう。そう心に決めた瞬間に僕の母親がありえないことをいいだした。

「いいんじゃない?おもしろそうだし」

 へぇーいいんだぁ……はぁ?

「なに言ってんだよ母さん!そんなの無理に決まってるだろ!」

「ハルカさんもどう?天界まで戻るの大変なんでしょ?」

「ちょ、まってくれよ!」

 そんなん俺の精神健康上とてもよくない。いろいろよくない

「ほんとうですか?じゃあお邪魔しちゃおうかしら」

 だめだ。この人たち……もうどうにでもなれ。







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