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クリスマス特別編

続きもかかずにこれ書いてました。評価、感想お願いします

それはある一枚のチラシを見たことから始まった。

「ねぇねぇ、恭平くん」

今日はクリスマス。テレビを点けるとどこのチャンネルでもクリスマスのニュースをやっている。クリスマスなんて僕には無縁のものだ、とか思っていると、

アイがスリッパをパタパタとさせながら、ソファーでくつろぐ僕のところまで来た。右手には今日の朝刊に入っていたクリスマスバーゲンのチラシを持ちながら。

「んー、どうしたぁ?」

「これってなに?なんなの?」

チラシを僕の目の前で勢い良く広げ、ある場所を指差した。そこにあったのは……

「サンタクロース?これがどうかしたのか?」

アイはサンタクロースのおっさんを見ながら首をかしげている。

やっぱり地底にはクリスマスなんてないんだろうか。とゆうより国民全体が祝う行事とかあるのか?まぁそれは今度聞くことにするとして、今はサンタのおっ

さんについての説明をしなきゃ。

「うーむ、そのおっさんはなぁ、サンタクロースと言う意味のわからない名前でな真っ赤な派手な服を着ていて空飛ぶそりに乗り込み、夜間に誰にもばれないよ

うに家に侵入し、何かを盗むこともなく、あまつことさえ自分の持ち物をその家に落としてくる大馬鹿者なんだ。いろんな広告に出ているのはそいつが晒し者に

なってるからだ。」

すんごく適当なことをいってるな、僕。まぁアイならちゃんとだまされてくれるから安心だな。

「えぇ!そんな変な人なの!?それってここにも来るのかな?」

ほらね。アイは気持ちいいほど僕の言うことを信じてくれた。純粋なのはすばらしいけど、それじゃあこれから困るぞ!アイ。

「もう、恭平さん。アイちゃんをからかって遊ぶのもほどほどにしてくださいね」

お茶をソファーの前の机に置きながら、ハルカさんが話し掛けてきた。

「や、これはアイがこれから社会に出てから困らないように訓練を」

こんな僕とハルカさんのやりとりに付いていけてないアイはどうゆうこと、と尋ねてくる。

「あのですね、サンタクロースと言うのは不思議な国からやってきて、子供たちの夢を叶えてくれるとっても優しい人なんです。子供たちが寝ている夜にプレゼ

ントを家に置いてくれるんですよ」

ハルカさんがアイにネタばらしをしてしまった。だまされたとわかったアイはこっちを睨んでいるが、やっぱり全然恐くない。

悪い悪いと謝りつつ、僕は考えた。

――みんなでクリスマスパーティーをやれば面白そうだなぁ、と。





思い立ったらすぐ行動、ってことで僕は元貴に連絡をとった。

「あのさぁ、今日みんなでクリスマスパーティーをやらないか?」

「クリスマスパーティー?急にどうしたんだよ」

僕がいきなり誘ったことに驚いているのか、電話越しに声が大きくなった。

「いや、今年はアイとかハルカさんやコニカがいるじゃん。だからみんなでやっ

たら楽しそうだなぁって思ってさ」

「まぁおまえにしちゃいいアイデアだし、暇だから手伝うぜ!」

さすが元貴だ。最後の暇だしってのがなにか切なげに聞こえたが気にしない。

「よし、そうと決まればさっそく準備に行こう」

待ち合わせ場所を決め、僕は電話を切った。

「元貴はOKだから次は、っと……」

僕はリビングで紅茶をのみながらくつろいでいるハルカさんに声をかけることにする。

「ねぇねぇハルカさん。ハルカさんはクリスマスを知ってるんだよね?」

さっきの話を聞いていたかがり、ハルカさんはちゃんとクリスマスをわかっているだろう。だからこそ聞いたんだけどね。

「あ、はい。以前日本にいたときにパーティーをして楽しみましたねぇ」

なにやら楽しそうに過去を振り返っているハルカさん。そんなに面白かったのか?

「それでですね、今日みんなでクリスマスパーティーをやりたいなぁって思って……」

「本当ですか?それなら私、頑張ってお料理作りますよ!」

すごいやる気になってくれたようだ。すでに一生懸命何を作ろうか考えている。

この調子ならなんとか成功しそうかな?





「よぉ、元貴。待たせたな」

指定した場所に座っていた元貴に声をかける。しばらくまっていたのか、顔が真っ赤になっている。

「おせぇよ。っとこちらの女性は……?」

ハルカさんを見て目を丸くしている。そういえばハルカさんにはあったことがないのか。きっと元貴は僕が彼女を連れてきたとか思ってそうだ。

「初めてお目にかかりました。現在恭平さんの家に居候させていただいております、ハルカと言います。あなたの話はよく聞いていますよ、元貴さん」

丁寧な自己紹介をするハルカさんに、少し唖然としている元貴。

「あー、えっと恭平の友達やってる、宮野内元貴です。よ、よろしくお願いします」

「はい、こちらこそ」

緊張気味の元貴に笑顔を向けるハルカさん。その笑顔は冬に咲くタンポポのようにも感じられた。元貴もその笑顔に目を奪われているようだ。

「さ、時間もありませんしどんどん準備しましょう」

ハルカさんに促され、僕達は人の溢れかえっているデパートへと足をすすめた。




「あー疲れたぁ……」

デパートのなかにあるベンチに倒れるように座り込み、手に持ったたくさんの荷物を地面に下ろす。隣にいる元貴は声も出ないようだ。

「だ、大丈夫か?」

元貴に声をかけるが、返事は返ってこない。代わりに手をひらひらと振って答える。

――もう限界だからほっておいてくれ。

ちなみにここにはハルカさんはいない。まだ買ってないものがあるとかで一人でどこかに行ってしまった。

こうゆうときは男より女のほうが体力あるのはなんでだろう……

しばらく休んでいると荷物をもったハルカさんが帰ってきた。

「お待たせしました〜。ってどうしたんですか?元貴さん」

ベンチに横になっている元貴に不思議そうに尋ねるハルカさん。元貴は答えられそうにないからお構いなく、と代わりに答えておく。

「それよりハルカさんは何を買ったんですか?」

「それは秘密です♪きっとあとでわかりますよ」

楽しそうに言われてしまった。こうなったらもう聞き出せないだろう。

早く帰って準備しましょう、とハルカさんが言ったので、横になっている元貴をむりやり起こして、僕達は帰宅することにした。





 家に帰ってせっせと準備にとりかかる僕たち。なにごとかと思って来たコニカも一緒にだ。

「しっかしこっちの世界はめんどくさいわねぇ。なにかあるごとにいちいちこんなことして」

 コニカは愚痴を言いながらも作業する手は止めていない。

「まぁいいだろたまには。一年に一回しかないんだからさ」

 そんなものなのかねぇ、といまいち興味なさげにつぶやいて、コニカは机に食器などを並べる。

「いやぁでもクリスマスパーティーなんか久しぶりだから結構楽しみにしてるぜ」

 さっきまで疲れて死んでいたはずの元貴だけど今ではすっかり復活して一生懸命準備にとりかかっている。

 元貴は意外にこうゆう行事が好きだから準備とかは張り切ってやる傾向があるからな。

 そしてハルカさんはいつも以上に張り切って料理に取り掛かっている。

 さっきから良い匂いが漂ってきてもう正直限界だ。

「こっちはもう出来ましたよー。そっちはどうですか?」

「こっちもちょうど終わりましたー!」

 もう準備も終わったし、後は始めるだけなんだけど……

「アイはどこいったんだ?」

 アイはこういうの大好きだから準備とか積極的に取り組みそうなんだけどなぁ。

「そういえばそうですね。どこ行ったのかしらアイちゃん」

 ハルカさんも心配そうにしている。ほんとにどこにいったんだか。

「あ、そういえば」

 ちょっとしんとした空気のなか、コニカが声を上げた。

「そういえばあなたたちが出かけてる間に、アイもどこかに行くって行ってたような……」

 それは結構重要なことだぞコニカ!どこに行ったかを聞き出そうと思ったけど、肝心のコニカはどこに行ったかは覚えていないらしい。まぁ覚えてないならしょうがないな……

「アイちゃんが来ないとはじめられませんから、大人しく待つ事にしましょう」


待つこと30分。リビングの扉が思いっきり開けられた。

「たっだいまー!ってあれ?みんななにしてるの?」 なんていうかやっぱりアイは空気が読めないんだな。みんな唖然としてアイを見ている。

「え?なになに?」

とりあえずアイの頭を軽く叩く。

「いったー!恭平くんなにすんのさ!?」

「みんなおまえを待ってたんだよ。さっさとやろうぜ」

「待ってたって……?」

僕が机のほうを指差す。アイは机に盛られたたくさんの料理を見て、クリスマス、と小さくつぶやいて笑った。つられて僕も笑った。そしたらみんなも笑い、そのままクリスマスパーティーが始まった。



パーティーはめちゃくちゃだった。もちろんいい意味でだ。ひそかに酒を持ってきた元貴が酔った勢いでネタを披露したり、コニカの不思議能力を使った遊びをやったり、ハルカさんのミニスカサンタのコスプレを見たりとたくさんのことをやった。

今みんなは酔い潰れて寝ているようだ。コニカなんかありえないぐらい飲んでたけど大丈夫なんだろうか。

玄関から外に出て、夜風に当たっていると、誰かが玄関から出てきた。

あれは……アイだ。

「どうしたんだ、アイ。さっきまで寝てたはずだろ?」

やっぱり酔っているようで少し顔が赤いように見える。

「目が覚めたら恭平くんがいなくてさ、どうしたのかと思って来てみたんだよ」

心配になって見にきてくれたのか。それは迷惑をかけてしまったな。

そういえばアイにまだプレゼントを渡してなかったな。

「ほら、これやるよ」

クリスマス用にラッピングされた小さな箱をアイに投げる。

落としそうになりながらもなんとかキャッチしたアイは首をかしげて何これ?、と言った。

「クリスマスプレゼントだよ。あ、できればあとで開けてくれると助かる」

さすがにこの場でプレゼントを開けられるのは恥ずかしいものがあるからな。中身にはきっとアイも喜んでくれると思う。

「恭平くん、ありがと!」

「どういたしまして、さぁここは冷えるし中にはいろうぜ」

「あ、恭平くん待って。わ、私もその、プレゼント……」

そういってアイは細長い箱を渡してきた。

「そ、それもあとで開けてね?」

照れながら言うアイはとても可愛かった。

そんなこんなで僕達のクリスマスは終わりを告げた。

まぁあのあと母さんが帰ってきて僕達に雷を落としたりと、色々あったがそれも含めていいクリスマスだと僕は思っている。

ちなみに僕がアイにあげたプレゼントはベタだけどオルゴールだ。地底にはなさそうだったからそれを選んだんだけど、結構気に入ってもらえたようだ。

そしてアイが僕にくれたものは……

『これを使ってみんなをどんどん突っ込んでね!』と書いてある手紙と、ハリセンだった……



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