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第1章 8話
コンコン
「入れ」
男は静かに所長室の扉を開く
「此度の仕事
ごくろうだったな」
所長の労いの言葉が
頭に入ってこない
「初仕事にしては
なかなか上出来だったぞ」
「どこがだよ?」
オレは少し苛つきながら
所長に問う
「お前は傷一つ
負っていないではないか
それは私にとって喜ばしい」
「そうかよ
用が無いなら
オレは私室に戻るぞ」
「ああ、今は休め」
オレは静かに書類を置くと
所長室を出た
「………」
廊下を歩く時
無意識に早足になる
自室に入る
ベッドに横になる
ふと隣を見ると
あの少年を貫いた
白い剣がある
これでいい
こうなると分かってて
この道を選んだ
後悔がない訳じゃない
それでもたぶんきっと
これでよかった…
男は静かに目を閉じた
第1章 完結です
たぶんきっといないと
思いますが
読んで下さった方
ありがとうございました




