最終章 9話
「てめぇが黒幕かよ」
黒い男は
どす黒い炎の様な光で
己を焼きながら詰め寄る
「黒幕…か」
白い男は静かに笑った
「確かに黒幕と言えば黒幕さ
でも僕は君に恨まれるような事
した覚えは無いんだけどね」
「なに言ってんだ…てめぇ」
「そうじゃないかい?
僕が君になにをした?
僕は確かに所長に色々
頼み事をしたけど
具体的な指示は1つも
出していないんだけどね」
「はっ!
笑わせるな!
この施設にいた連中
全員殺したのは
あんただろ!」
どす黒い炎の様な光が
爆発したかの様に燃え上がる
「違うよ
かれらを殺したのは所長さ
この件に関して僕は
特になにも指示していないよ」
「…だったらなんだよ!
…お前が黒幕だって言うんなら
…オレはお前を殺すだけだ」
「おいおい少しは話し合おうよ
もしかしたら話すだけで
解決出来るかも
しれないじゃないか」
「………
本気で言ってんのかよ?」
「ああ、もちろんさ!
君は僕を殺せば自由になれるが
僕は君を殺しても
なんの得も無いんだよ?
話し合いで解決出来るなら
是非ともそうしたいさ」
「…くっそ!」
黒い男から光が消える
「分かってくれたかい?」
白い男は優しく語る
「…もう良い
もうオレには関わるな」
黒い男は剣を鞘に収め
その場から立ち去ろうとする
ヒュン
「………?」
微かに音がした気がして
黒い男は振り返る
そこには笑う白い男がいた
「………え……、ぁ」
ドサッ
膝が地面につく
倒れそうな体を手で
なんとか支え
自分の体を見る
痛みなんてこれっぽっちも無い
なのに何故か黒い剣が
自分の胴体に突き刺さっていた
バタッ
ついに堪えきれず
黒い男は仰向けに倒れた
ザアアアアア...
雨が降り始める
「悪いね
僕には君の命が
どうしても必要なんだ
でも安心してよ
さっき言った通り
殺しはしないよ」
白い男はニコニコしながら
語りかける
黒い男はパクパク口を動かす
「ん?なにかな?
声が小さくて聞こえないよ」
白い男は耳を近づける
「くたば…れ…外道、…っ!」
ブン!
「は?」
白い剣が白い男の首を絶つ




