【66】25歳モニカ、動き出す(6)
【27】
急いで9階層に戻ったモニカは、ブローチを操作した。
「屋敷に戻って〈侍女〉達に助けを求めて下さい! レベッカさんの所へ、と言えば分かります!」
〈転移門〉を開ける作業を続けながら、仲間の二人に語りかける。
「モニカさん!」
「嬢ちゃんはどうするんだ! 魔法が使えないんだぞ!」
「その事ですが、一つだけ勝算があります!」
男は一瞬、動きを止めた。モニカは言葉を続ける。
「魔法が使えない、維持できないのは、分かります。ですが、体内に宿らせた精霊はどうですか!」
男は思案している。しかしモニカは、返事を期待していない。時間が惜しい。
「私たちの体には〈生命の精霊〉が宿っています。しかし、体調の変化はありませんでした。ですから、体内に宿らせた精霊は大丈夫なはずです!」
「そうか……いや、理屈ではそうかもしれんが」
「時間がありません! さあ、二人とも行ってください!」
「しかし」
「早く!」
モニカは男の言葉を無視して、二人の体を〈転移門〉の中に押し込んだ。しかし、男はまだ躊躇し、抵抗する。
「仲間を信用してください!」
トドメとばかりに、先ほど言われた言葉を言い返す。男はぽかんとした後、やられたという顔をする。そして鼻で笑った。
「わかった、わかったよ! 信用する! 生きて帰って来いよ!」
ついに諦めた男は、コルを背負いながら〈転移門〉の中に入っていく。最後に、ちらりと振り向いた。
「帰ったら、デートしようぜ!」
「お断りします!」
モニカは、笑顔で即答した。
二人が入ったのを確認したモニカは、ブローチを操作して〈転移門〉を閉じた。
辺りは暗闇に包まれた。
一人になったモニカは、大きく息を吸う。
「〈光の精霊〉と〈音の精霊〉よ、我が求めに応じよ。そして我が身に宿れ!」
モニカは光球と音球を召喚し、体内に取り込んだ。
精霊を体に馴染ませ、調和させていく。モニカの意識に変化が起きる。わずかな衣擦れの音が、うるさく感じる。わずかな光が、眩しく感じる。
さらに〈腰嚢〉をまさぐった。いくつかの試験管と薬包紙を取り出して、調合する。
これだけでは、まだ足りない。
敵も〈索敵〉技能を持っている。近づいただけで気づかれてしまう。
モニカは少しためらったが、意を決して服を脱ぎ始めた。服が足元に落ちる音が、耳につんざく。とうとう、上から下まで完全に裸になった。脱いだ服は、物陰に隠しておく。
幸い、この階層は暖かい。風邪をひくことはなさそうだ。
「〈光の精霊〉よ。我が身から発する、全ての光を遮断しろ」
モニカの裸がぼやけ、黒ずんでいく。ついには黒い影になった。モニカは自分の手を見て、その効果を確認した。
さらに詠唱を続ける。
「〈音の精霊〉よ。我が身から発する、全ての音を遮断しろ」
さっきまでやかましく鳴り響いていた心臓の音が消えた。筋肉がきしむ音が消えた。関節がこすれる音が消えた。
あーあー。
発声してみたが、何も聞こえない。分かっていたことだが、声もかき消された。
これで、魔法を自力解除できなくなった。
自力で解除するには、思念だけで精霊と交信する〈沈黙詠唱〉という技能が必要だ。
モニカは、階下に視線を向ける。調合で作った薬品と、短剣だけを持って、階段を降りて行く。
【28】
モニカは10階層に戻った。
辺りは完全に闇であるはずなのに、驚くほどよく見える。さらにハインツ達のだいたいの位置が聞こえる。
素足の裏の痛みを感じなから、音のする方へ歩く。徐々に剣戟の音が大きくなっていく。うっすらと灯りが見えてきた。ゆっくりと接近していく。
ついに、戦闘場面に出くわした。
味方の剣使いとハインツは、まだ生きていた。
敵は、二人の〈白銀の騎士〉と、後ろで待機している一人の女。
敵の前衛の男は、奇妙な構えをしている。鞘に剣を納め、前傾姿勢を取っている。中衛に立つ男は、鞭をしならせながら振り回していた。後ろの女は、指向性の〈提灯〉を手にして、光源を操っている。
一方、味方の剣使いは、剣を正眼に構えている。ハインツは腰に〈提灯〉を差し、弓を構えている。
どうやら、膠着状態に陥っているようだ。辺りには、鞭にへし折られたと思われる矢の残骸が散らばっていた。
そして、誰もモニカに気がついていない。
モニカは思案する。
今、自分は影になっている。敵を暗殺する為にも、光源を打ち消したい。
ならば、狙うのは女。
そう決断したモニカは、敵の女に狙いをつけ、大きく背後に回っていく。
その時、敵の男が低い声を発した。
「何者だ」
ばれた。
モニカは硬直した。短剣を持つ手が汗で湿っていく。歯が震える。胸が張り裂けそうだ。男から目が離せない。
「お前たちこそ、何者だ」
ハインツが答えた。
「聞いているのはこちらだ」
敵の男は、威圧的に言い放った。僅かに身じろぎし、眼光が鋭くなっていく。
どうやら、気づかれていなかったようだ。
モニカの緊張は、へなへなと急速に萎んでいった。気を取り直して、再び足を動かし始めた。
敵とハインツの会話は続く。
「身なりからして、冒険者なのは分かっていく。どこの者だ」
「お前らはここで何をしている」
話が噛み合っていない。
「今頃、逃げた者たちは捕まっているだろうな。諦めて投降しろ」
「お前らの仲間は、ここにはいない」
モニカは、細心の注意を払いながら、ついに女の真後ろに回った。今度は、女に近づいていく。
「帰って調べれば、お前達の正体は分かる。今のうちに吐いた方が、身の為だぞ?」
「帰さなければ、どうという事はない」
女の首まで、後8歩。
「やけに強気だな。俺たちに何かあれば、フルスベルグの全てが、お前の敵になる」
「戯れ言だ」
残り4歩、3歩、2歩。
モニカは、短剣を振り上げた。
「やはり、痛めつけて白状させるしかなさそうだな」
力一杯に斜め右から突き刺した。さらに、手首をひねり、えぐった。
女は、声をあげることも出来ずに、崩れ落ちた。カランカランと〈提灯〉が床を転がった。
モニカはそれを蹴り飛ばした。足の甲に激痛が走る。中の火が消え、辺りは少し暗くなる。
「何が起きた!」
モニカは、間髪入れずに手持ちのガラス管を二人に投げつけた。
四本のうち一本が、鞭使いに命中した。割れたガラス管から飛び散った濃硫酸を、頭から被った。
その隙をついて、ハインツが矢を放つ。
鞭使いの胸に命中した。しかし、致命傷には至らない。
「何かがいる!」
鞭使いの鞭が大きくうねり、モニカに襲いかかってきた。モニカは、必死に床に伏せた。頭上を風切音が通り過ぎる。
「壁に寄れ!」
敵前衛の男は、鞭使いに声を飛ばした。弾かれたように、二人はその場から逃げ出した。
ハインツ達が追いかける。矢を飛ばす。
敵は矢を弾き飛ばしながら、壁際に向かっていく。
モニカは、ようやく敵の意図を察した。背後からの奇襲を避ける為に、壁を背にするつもりだろう。
「逃げるぞ!」
「追いかけなくていい!」
そのまま敵は、近くの出入り口から逃げ出した。多分、別の階段を使うのだろう。
後にはハインツと、仲間の剣使いが残された。
モニカの緊張の糸がプツリと切れた。大きく息を吐く。
「……魔物か?」
ハインツの警告が、モニカの耳に届いた。
まずい。このままだと、味方に殺されてしまう!
モニカは我に返って、飛び起きた。ハインツの〈提灯〉が、モニカの影を照らす。
「お前は何者だ」
モニカは、自分が裸であることも忘れ、必死に、体で表現する。
とにかく、降参ポーズを取ってみたり、両腕でバツを作ってみたり、体で文字を表現してみたりした。
心の中で『きっとハインツさんなら、分かってくれるはず!』と念じる。
「モニカ……?」
やった、通じた!
今度は、大きく頷いてみたり、感謝を表すジェスチャーをしてみたりした。
何故か変な顔をされているが、気にしてはいけない。
「どうやら、安心していいみたいだな」
剣使いが、構えていた剣を鞘に収めた。
「よく分からんが、他の仲間と合流しよう。色々調べたい事があるしな」
ハインツは頭を振った。そして、白銀の鎧を着た女の死体に、目を向ける。
【29】
それから、モニカ達は9階層に戻った。
まず、隠した服を取り出した。
そして、男には後ろを向いてもらう。下着を見られるのは、裸のシルエットを見られるより恥ずかしいものがある。
ようやく服を着たモニカは〈背嚢〉から、メモ用紙を取り出した。そして、筆談を交わして、今の状況をハインツ達に説明していく。
一通り説明を終えると、ハインツは腕を組みながら、呟いた。
「……先にコルの容体を見に行こう。それにモニカの魔法解除も必要だ。調べるのは、後でもできるだろう」
一度、街に戻ることになった。
モニカは、ブローチを操作して〈転移門〉を開ける。三人は、穴の中に飛び込んだ。
【30】
〈転移門〉を通って、屋敷に戻る途中の事だった。
モニカは、一番後ろを歩いていた。
目の前には、ハインツ達が歩いている。
コルの容体が心配だ。早く戻らなくては、と思う。
しかし、体調が優れない。思ったより、速く歩けない。
初めて〈音の精霊〉と〈光の精霊〉を宿らせたからだろうか。
じわじわと、魔力を失い、足が重くなっていくのがわかる。
ハインツ達との距離が、少しずつ広がっていく。二人の歩く速さに追いつけない。
待ってください!
声は出なかった。
ハインツ達は気づかずに、ドンドン先に行ってしまう。
モニカは、ついに足を前に出せなくなった。
その場に座り込んでしまう。
気がつけば、ハインツ達の姿がない。
置いてかれてしまった。
急にめまいが襲ってきた。
頭を持ち上げる事すらできない。
モニカは床に突っ伏した。
地面が揺れている感じがした。
このままでは、助けを呼ぶことも出来ない。
第一、人が通りかかるような場所でもない。
このまま、放置されたら死んでしまう。
モニカは、急に寂しくなってきた。
思い出すのは、エリーの事。
彼女はいつだってムードメーカーだった。いざという時はとても頼もしかった。
コルの事も思い出された。
今ではモニカより背が高い。しかしモニカな中では、よく懐いてくる少女時代のコルだ。
ハインツの事も思い出された。
淡々としているように見えて、色々な事に気を使ってくれる年上の男性。
しばらくそのままで居ると、背後から誰かが来る気配がした。
助けが来たのだろうか。
そうに違いない。
めまいがひどくなった。
後少しだ。後少しだけ、頑張れ。
めまいを耐えて、後ろを振り向いた。
さっき、モニカが刺し殺した女だった。
首に短剣が突き刺さっている。
首から下は血にまみれている。
苦悶と憤怒の顔をしている。
ゆっくりと、だが確実に近づいて来る。
「よくも、よくも……! あたしを殺してくれたな……!」
モニカは、絶叫した。
そうだ。
そうだった。
この洞窟の名は〈不死生物の洞窟〉と言われている。そこで死んだ者の魂は、永遠に閉じ込められる。
女は、モニカに殺された恨みで、ここまで追いかけて来た。
助けなんて、来るはずがなかった。
「お前も! お前も! 死ね! 死ね! 死ね! 死んでしまえ!」
女は、血まみれの短剣を首から抜いた。
首の穴から、勢いよく血飛沫が飛ぶ。
真っ赤な短剣を、モニカに向ける。
モニカは動けない。
ただ、目の前に刃物が近づいて来る。
「呪われろ! 呪われろ! 呪われろ! 呪われてしまえ! 死んで、呪われてしまえ!」
女は、血まみれの短剣を振り上げた。
「死ね!」
モニカの眉間に、短剣が突き立てられた。
【31】
「うあああああああ!」
モニカは、ベッドから跳ね起きた。
「はあ、はあ、はあ、はあ……」
辺りを見回した。白い部屋だ。
眉間に手を当ててみる。穴は開いていない。ただ、寝汗で髪の毛がべったりと、張り付いている。
「あ……」
モニカは、声が出せる事に気がついた。胸を触ってみる。少し速いが、心臓の鼓動を感じる事ができた。
耳も正常になっている。
「生きてる……?」
その時、扉が開く音がした。
「良かったな。生きてるぞ」
入ってきたのは、小柄な老女だった。どこかで見覚えがある。
「あの。どなたですか?」
途端に老女は渋い顔をした。
「レベッカだよ。レベッカ=ダウム。コルが世話になっているな」
モニカは驚いた。記憶の中では、レベッカは幼女だったはずだ。しかし、そう言われてみれば、面影は残っている。
「その事は後で説明する。それより、気分はどうだ?」
「酷い、悪夢をみました……」
「それは当然だ。それ以外では何かあるか?」
「特には。ただ、少し頭が痛いです」
「それはどうしようもない。しばらくは我慢しな」
モニカは、コルの事を思い出した。
「そうだ、コルちゃんはどうなったのですか!」
「もう、ピンピンしているよ」
「良かった……」
胸を撫で下ろした。
「それで、何がどうなったのですか?」
「その前に渡しておく物がある」
そう言ってレベッカは、宝石を投げ渡してきた。モニカは、うまく手に取って観察してみた。
綺麗に加工された透明な宝石の中に、不思議な光が閉じ込められている。
「魔晶石だ」
「魔晶石というと……あの?」
「そうだ。中に魔力そのものを閉じ込める事ができる。余裕のある時に補充し、足りない時に使いなさい」
「どうして、こんな貴重な物を……?」
「どうして、だって? 君の口からそれを言うのか!」
レベッカは声を荒げた。
「連れの男から聞いたぞ。色々と無茶をしたそうだな」
「は、はい……」
「体内に宿す精霊は一つまで、と忠告したはずだ」
「はい……」
「それを破り、再び二つ同時に使った」
「…ぃ……」
「何か、言い訳は?」
「……ありません……」
「ならば、よろしい」
モニカは、完全に沈没した。
レベッカは、ため息をついた。
「だからだ。その魔晶石は、かなりの量の魔力を貯める事ができる。いざと言う時に使いなさい」
モニカは、ハッと気がついた。
「もしかして、レベッカさんのその姿……」
「オレの事はどうでもよろしい。それにこの姿にも、それなりの理由がある。気にするな」
「はい、ありがとうございます……」
ベッドのそばに、モニカの荷物が置かれていた。モニカは、さっき受け取った魔晶石を、慎重にしまう。
「オレからは以上だ。何か質問はあるかね?」
モニカは、少し思案した。そして、先ほどのレベッカの言葉を思い出した。
「先ほど、悪夢を見るのは当然、だと言いましたけど。どうしてですか?」
「簡単なことだ。〈光の精霊〉と〈音の精霊〉には、わずかに〈精神の精霊〉に属する要素があるからだ」
「そうだったんですか……」
精神に干渉できる精霊を、体内に取り込んだ為に、精神が不安定になったのだろう。
「他には?」
「ここに運ばれてくるまでの記憶がありません。私、いつ倒れたのですか?」
「連れの男が言うには、繋がってすぐ、と言っていた。よく分からないが、君にしか使えない移動魔法があるらしいな」
つまり〈転移門〉を開けて、すぐに倒れた事になる。という事は〈転移門〉を通った後の出来事は、全て夢だったのだ。
モニカは、胸を撫で下ろした。
「私が倒れてから、どの位経ったのですか?」
「丸々三日、という所だな。もうすぐ夕方になる。目が覚めたのなら、さっさと動け。またリハビリしたいか?」
モニカは、首をフルフルと横に振った。
「いえ、結構です!」
「そうだ。そうでなくては困る。でなければ、魔晶石を使った意味がなくなってしまう」
モニカは、ベッドから立ち上がった。前回と比べて筋力が落ちていない。これなら動けそうだ。
「連れの男は、毎日、朝と夕方に看病しに来ていたぞ。心配かけているだろうから、早く姿を見せにいってやれ」
「はい、分かりました」
モニカは、丁重に礼を述べて、レベッカの医療施設を後にした。
【32】
モニカが屋敷に戻ると、コルを含めた全員が玄関で待ち構えていた。
「モニカお姉様!」
コルが、モニカの胸に飛び込んで来た。モニカはコルの体を強く抱きしめた。
「ご主人様、お帰りなさい!」
ブリギッテとカトリンが、手を広げて喜んだ。
「モニカ、無事で良かった」
ハインツが、ぽそりと言った。
「よし、デートの約束を果たす時が来たな!」
モニカに気があるらしい〈光の精霊使い〉が嬉しそうにはしゃいだ。
「な、なんだってー!」
間に受けたブリギッテが反応する。
「ちょっと待って下さい。それは彼の嘘です!」
〈植物の精霊〉を使う女性が慌てて、たしなめた。
モニカは、一連の様子を見て苦笑いした。
そこに〈剣使い〉が近寄ってきた。
「俺は、お前さんを尊敬するよ。あそこまで体を張って、さらに結果まで出せる人間は、そうはいない」
それだけ言うと、男はそそくさと立ち去っていった。
モニカは、自然と涙がこぼれてきた。涙が口に入って、しょっぱい味がした。
「モニカお姉様……?」
そばにいたコルが、モニカの顔を見た。
「私は、一人じゃない。一人じゃないの。だから大丈夫。大丈夫。大丈夫。絶対、大丈夫。」
「お姉様……」
モニカの独り言を、コルだけが聞いた。
そして、コルはそっとモニカの背中をさすりはじめた。
「モニカお姉様。私はモニカお姉様のずっとそばにいます」
結局、その日の夜は、ささやかながら屋敷で宴会となった。全員が生きて返ってきたことを喜び合う。
全員が楽しんだ。
そして、モニカも、悪夢を忘れるかのように、お酒を沢山飲み干した。
【33】
真夜中。
モニカは、ベランダで涼んでいた。少々飲みすぎた。体が火照っている。
「何かあったのか?」
背後から声がした。ハインツだ。
「何も……」
「そんなはずはない。様子が変だ」
何だかんだ言って、モニカの事をよく観察している。そして、要所要所で声をかけてくる。
狙っているのではなく、天然であることをモニカは知っている。
「分かりました。でも、話が長くなりますので、私の部屋で話しませんか?」
「ああ」
【34】
モニカは自分の寝室に、ハインツを連れ込んだ。寝室の扉を閉め、鍵をかけた。
「それで話と言うのは……」
ハインツが戸惑ったかのように呟いた。
モニカは、自分のベッドに座る。そして服を脱ぎ始めた。
「ごめんなさい。でも、何も言わないで下さい」
次々と服を脱いでいく。
「モニカ……」
ハインツは言葉を失った。
「はしたないと思うかもしれませんが……私を、私をもらって下さい……お願いします。お願いします……」
ハインツは息を飲んた。そして、決意したような顔で、モニカのベッドに近づいていく。
その日の夜、二人はまぐわった。




