〈0・0〉 過去の経験
もう随分むかしのことになるが風俗で働いている女性たちが好きだった。のっけから女性たちに嫌われるようなことを言っていることは重々承知している。風俗で働いている女性たちは自分が何の仕事をしているかを言いたがらない人が多い。どうやら女性たちの間では“身分が低い人がする仕事”と認識されているようだ。なぜそのような認識なのかはわからない。たしかに金銭的な理由で風俗の仕事をすることになるケースが多いのだが、たんにお金を稼ぐだけなら他にもいろいろ方法はある。
風俗の仕事はたしかに稼げる。残念ながらすべての女性が稼げるというわけにはいかないが。容姿が良くて明らかにお金を稼げるように見えるタイプの女性でも、仕事に適応できなくてすぐに辞めて行く人も多い。長く続けられる人はそれなりの理由があって、たいていは他者(ほとんどの場合、男性)に対して寛容なケースが理由として挙げられる。風俗で長く働ける女性たちは、“男たちにとって“優しい女たちなのだ。
さらに標準から外れた精神構造を持っていて個性的な人が多いので、人間心理の秘密を探っていく上で大いに参考になる。わたしはこれまでたくさんの女性たちから話を聞くことができた。
人気のある風俗嬢は、客である男性たちから「プライベートで店の外で会わないか?」と誘われたり、「結婚してくれ」と言われることが多い。実際、そういう風俗嬢は複数の男性たちと交際していることも多い。男性経験が豊富であり、多くの男性を観察してきているので男性はどのような生き物であるかという意見が的確でもある。だから、女性たちが男性をどのように見ているかの情報もかなり聞くことができた。
女性と男性の違いをざっくり言うと、女性は服やバッグなどのプレゼントの形をした物質的なものと包容力などの精神的なものの両方を男性に求める。男性は(肉欲を除いて)精神的なものを女性に求める。このため、容姿はそれほどでもないのに、周囲から不思議に思われるくらい男性たちにモテる風俗嬢もいる。




