無実の罪の勇者様
あるところに一人の男がいた。常に勇敢.....ではなく、強い.....わけでもなく、ただセールが行われているお店へ入っていった者である。まさか、この流れからあんなことが起こるとは.....な。
あれから1ヶ月ほどたっただろうか。魔物と人、みんなが平和に暮らすこの町で事件が起きた。俺は町の魔宝石を売っているお店で買い物をしていたんだが、つまずいてあいにく魔宝石が並べられている商品棚を割ってしまったのだ。ただ、そこに並べられていたのが、かなり高額な魔宝石だったらしく、店主が強盗だと思って、騒いでしまったのだ。俺が悪いのは間違いなかった。けど、この国での盗みは大変重い罪にかけられる。ましてや魔宝石、これはこの国ではとても貴重かつ重要なもので他のものとは明確な差がつけられている。もし盗んだら死刑だ。それに怯えて俺は走って逃げた。これこそ、最大の過ち。1時間も経たないうちに、騎士団に捕まった。
そして今、とうとう今日が処刑の日。
「実は転んだだけで.....」
「強盗なんかじゃないんです.....」
とか、嘘一つない言い訳も、周りからすれば醜い言い訳。死刑の方々がたくさんいるこの収容所に来たばかりのときは、まだ元気があって、必死に言い訳してきた。けど、その気力はもうない。日に日にいなくなっていく人たち。日に日に入ってくるヤバそうな人たち。なぜか仲良くなった同じく死刑の人も昨日消えた。だから今、元気がない。
「あぁ、どうしてこうなったんだ....転んだからか。できれば痛くないといいな、死刑.....。」
牢屋がたくさんあるこの収容所の廊下から近づいてくる足音が聞こえた。もうおしまいか。あぁ、死んだらどうなるんだろうな。足音が、自分の牢屋の前までやってきて、入ってきた。
『よかったな、死刑囚。お前運がいいな。』
え!?まさか、俺の言い訳を認めてくださったのか。あぁ、うれしい!まさか、こんなギリギリで無実が証明されるとは!.....
『あんたがまさか勇者様とはな!』
「は?」
『さっき、預言者が勇者様をお見つけになったんだ。それがお前だ。』
.....。俺はしばらく沈黙した。そして頭に?が100個くらい浮かんだところで口を開いた。
「この世界って、魔物と仲いいですよね?」
『あぁ。』
「歴史的に、定説とかで、勇者って魔王を倒す感じですよね。」
『おぅ。』
「魔王ってこの国の同盟国の王ですよね。まずくないですか?」
『いやぁ、勘違いすんなよ。この世界は、たしかに魔王は敵ではないな。』
「はい.....はい?」
『じゃあ、異世界転生しましょう!さようならー!』
こうして俺は死刑を執行された。
このあとの物語は誰も知らない。もしかしたら、ガチで異世界転生したかもしれないし、また普通の人として生まれるかもしれない。さぁ、続きの世界はあなたの想像が教えてくれるでしょう!




