第7話 サキュバスの恋
今回は、サキュバスちゃんの恋の話です。
今回も魔王軍は平常運転です。
ゆるく読んで頂けると嬉しいです
数日前、魔王城廊下。魔王は謎の視線を感じていたーー
悪魔魔道士
「魔王さま、どうかされましたか?」
魔王
「なんか視線を感じるんじゃ…誰かに見られておるような…ん?サキュバスちゃん?」
数日後ーー
サキュバス
(ジーーーーーー)
魔王
(やっぱりじゃ、サキュバスちゃんが見ておる)
悪魔魔道士
「魔王さま、なんか落ち着きないですよ」
魔王
「そうかの?気のせいじゃ。気のせい。」
さらに数日後、魔王城・執務室。魔王が書類に目を通していると、控えめなノックがあった。ーーー
サキュバス
「魔王様……少し、お時間よろしいかしら」
魔王
「うむ。どうしたのじゃ」
最近、彼女がこうして執務室を訪れることが、少し増えていた。用件があるようで、ないような。魔王は深く考えないようにしていたが、今日は様子が違う。
サキュバス
「その……相談があって」
魔王
「相談、とな」
サキュバス
「こ、恋の相談なの」
魔王
(き、きた)
「わ、ワシで良ければ…」
サキュバス
「男の人って、私みたいにエッチな女の子ってやっぱり嫌いかな…?」
魔王
「魔物によるんじゃないかの…」
サキュバス
「…魔王様はどう?」
魔王
(わし?こ、これは!?)
「う、うむ。ワシは嫌いじゃないぞ」
サキュバス
「そう、よかったわ」
魔王
「き、気になってる相手は、どんな魔物なんじゃ…?」
サキュバス
「年上で、仕事が出来て、優しくて…時々寂しそうな表情をするの…」
魔王
「そ、そうなのか」
(やっぱりわし、わしじゃないか…仕事出来るし…これは、恋する相手に敢えて相談し、意識させるというテクニックでは?サキュバスちゃんは恋愛巧者じゃ、あり得るぞ)
魔王は自分が出来る男だと思っていた
サキュバス
「実は、魔王軍の上司なの…」
魔王
(これは決まりじゃ!しかし…受け入れ…いいものじゃろか…皆が、やりにくくなるのでは?…しかし、サキュバスちゃんの気持ちは無碍にできぬ!軍内恋愛はやりようじゃ!よし!)
「…魔王軍は軍内恋愛はしても大丈夫じゃぞ。それで、相手は誰かのぉ?気持ちの準備はできておるぞ」
サキュバス
「私が好きな人は…」
魔王
「人は?」
サキュバス
「悪魔魔道士さんよ」
魔王
「ありがとう。わしもサキュバスちゃ…ん、悪魔魔道士?」
サキュバス
「ええ。」
魔王
「てっきり、ワシかと…」
サキュバス
「なんで、魔王様なのよ?」
魔王
「いや、最近わしのことめちゃくちゃ見ておるし…最近執務室によく来るし、今日だってわしの前でモジモジしておったから」
サキュバス
「それは…魔王様の横にいる悪魔魔道士さんを見てたのよ…それに、私も女の子だから恋の相談するときはモジモジしちゃうわ」
魔王
「淫魔なのに奥ゆかしいの…」
サキュバス
「実は、殿方と手も繋いだこともないわ」
魔王
「みんなの前で脱ぐのにか?」
サキュバス
「あれはあれ。これはこれよ」
魔王
「そうなんじゃな…まぁ、話を戻すが悪魔魔道士君がお主のことを好きかどうか、わしには分からぬ。だが、お主が相手のことを思って行動すれば、必ず結果はついてくると思うぞい」
サキュバス
「そうね、頑張るわ」
魔王
「焦らずにな。わしら魔物生(人生)は長いからの」
サキュバス
「やっぱり魔王様に相談してよかったわ」
魔王
「それは、よかったわい」
サキュバス
「うふ、私行きますわね。魔王様、ありがとう。チュ」
魔王
「ふふ、頑張るんじゃぞ…」
…
魔王
「そうじゃの、わしにはお主がおったの。セイラ。わしは浮気者じゃな…」
魔王城庭園ーー
悪魔魔道士
「あれ、サキュバスちゃん」
サキュバス
「あ、悪魔魔道士さん」
(ドキドキ)
悪魔魔道士
「どうしたんですか、動揺して」
サキュバス
「ど、どうもしてないわよ」
悪魔魔道士
「そうですか。今日も疲れましたね」
サキュバス
「そうね…」
悪魔魔道士
「サキュバスちゃん、良くここにいますね」
サキュバス
「ここは、夜空が綺麗に見えるの」
悪魔魔道士
「本当だ…月が…綺麗ですね」
サキュバス
「こんな綺麗な月は、初めてですわ…」
月が、ひときわ輝いていた…
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
似た経験があって話にしてみました。
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次回も引き続き、ポンコツ魔王軍の日常をお届けします。




