第36話 図解モチベーションアップ
今回は、から第3章です。
ゆるく読んで頂けると嬉しいです
バタ、バタ。
そこには急いで、魔王の玉座に向かう悪魔魔道士がいた。
悪魔魔道士
「魔王様!魔王様!大変です!」
魔王
「どうしたんじゃ?」
悪魔魔道士
「魔王様!勇者が魔領域圏内に近づきつつあります!」
魔王
「そうか……それより……」
悪魔魔道士
「えっ!?」
魔王
「ん?」
悪魔魔道士
「え?……あ……はい……何でしょう?」
魔王
「城の模様替えをしようと思うんじゃが、どうじゃ?」
悪魔魔道士
「え、模様替えですか?急にどうしたんですか?」
魔王
「みんなのモチベーションアップに繋がるかと思っての」
悪魔魔道士
「はぁ……まぁいいんじゃないですか?それより……」
魔王
「あっ、あとのぉ」
悪魔魔道士
「は、はい?何ですか?」
魔王
「軍の食堂のメニューを変えようと思うんじゃが、どうじゃろ?もっと健康に配慮したメニューじゃ」
悪魔魔道士
「……いいんじゃないですか……そんなことより」
魔王
「そうじゃ!皆にお誕生日休暇をやろうと思うんじゃが、どうじゃ?」
悪魔魔道士
「い、いいんじゃないですかね……」
魔王
「なんか、今日はノリが悪いの……」
悪魔魔道士
「…………」
二人の間に沈黙が流れた。
悪魔魔道士
(何なんだ、今日の魔王様は……まぁいつも通りだけど……んっ?あれは?)
魔王の傍らには、一冊の本が置いてあった。
悪魔魔道士
(あれは……『図解モチベーションアップ 悪魔出版』じゃあないか……影響されてる!)
魔王
「ん?悪魔魔道士君?どうしたんじゃ?」
悪魔魔道士
「あっ、いや魔王様、その本は?」
魔王
「んっ?あぁ、まぁ何でもない」
悪魔魔道士
(なんか、誤魔化した)
魔王は誤魔化したのであった。
悪魔魔道士
「魔王様…………真剣にやって下さい!」
いつものやりとりと変わらない。だが、いつもとは違う緊張感が悪魔魔道士を苛立たせた。
魔王
「むっ?わしは、真剣じゃぞ」
悪魔魔道士
「そんな風に見えないですよ!すぐ何かに影響されて!大変なんですよ!本当に!」
魔王
「…………すまぬ」
悪魔魔道士
「本当ですよ……あ」
悪魔魔道士は、潤んでいる魔王の瞳を見てしまった。魔王もまさか怒られるとは、よもや思っていなかったのだ。
悪魔魔道士
「あっ……私こそ申し訳ありませんでした……なんか怒ってしまって……」
魔王
「いや、すまぬ……わしもな、魔王軍の底上げに何かやれることがないか……必死だったのだ……」
悪魔魔道士
「魔王様……」
魔王
「悪魔魔道士……」
ガシ。
二人は強く抱擁をした。魔王軍を良くしたいという二人の思いと、安っぽいドラマがない交ぜになったような微妙な時間が流れる。ふと我に返った二人は、少し照れながら離れた。
悪魔魔道士
「……魔王様」
魔王
「なんじゃ?」
悪魔魔道士
「魔王軍、もっといい組織にしていきましょうね!」
魔王
「うむ、そうじゃな」
魔王・悪魔魔道士
「はははは」
二人は、何か大事なことを忘れつつ、魔王軍をさらに良くしていく決意を新たにするのであった。
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