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『ポンコツ魔王軍の世界征服は今日も進まない。』  作者: mikamikan
第一章 魔王と魔王軍の日常
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幕間6 ドラゴン娘

今回は、勇者達に、仲間が増えます。


ゆるく読んで頂けると嬉しいです

アポロ達は、あるダンジョンを攻略した。

そのダンジョンは《竜の間》――そう呼ばれていた。

《竜の間》には、狂った竜の群れが棲みついているという。ーーー


アポロたちが、ダンジョンの最奥で目の当たりにしたのは、狂った竜……いや、狂わされた竜の群れだった。

そこにいたのは、鱗を剥がされ、角を折られ、今にも朽ち果てそうな竜達と、それを悲しそうに見つめる少女の姿だった。


「この子達を助けてあげて」


本能に従い抗った。それは、生きるための最後の抵抗だった。

やがて一匹の竜が今際の極、束の間の正気を取り戻す。

そして、かすれた声で、ただ一言告げた。


「……狂ってる」


ーーーーー


エンキ

「なぁ、シグリ……本当についてくるのか?」


エンキは、少女に語りかけた。


シグリ

「絶対に行く。私はドラゴンに会いたいの」


エンキは少し困った顔でアポロを見た。


アポロ

「いいんじゃないか」


エンキ

「お前な……」


アポロ

「……僕が守るよ」


シグリ

「ほら! アポロもああ言ってくれてるし!」


エンキ

「……ティアはどう思う?」


ティア

「私もいいと思います」


エンキ

「お前らなぁ……」


シグリは、頬を膨らませながらエンキに詰め寄った。


シグリ

「もー、エンキはなんで、私がついて行くことに反対なの?」


エンキ

「旅は危険だ。お前みたいな子供、連れて行けるかよ」


シグリ

「もう、十四才だし!」


エンキ

「子供じゃねぇか」


シグリ

「エンキもそんなに、変わらないじゃない」


エンキ

「……大体さぁ、なんでそんなにドラゴンに会いたいんだ?」


シグリ

「私、子供の時、ドラゴンと一緒に冒険したの!

 愉しかったなぁ、村も救ったのよ……

 それなのに……ドラゴンに酷いこと言っちゃって……

 それで謝りたいの」


エンキ

「今も子供じゃないか」


シグリ

「うるさいなぁ」


アポロは、苦笑いをしながらシグリに聞いた。


アポロ

「ねぇシグリ、ドラゴンと冒険したときの話を聞かせてもらえるかな?」


シグリ

「いいわよ、最初はね……」


アポロは、シグリの話に、静かに耳を傾けた。


エンキ

「なるほどねぇ、大冒険だな」


ティア

「でも、そのドラゴンの特徴って……」


アポロ

「……《邪竜》の末裔」


シグリ

「邪……竜?」


その言葉の響きを、口の中で転がすように繰り返した。


ティア

「角の形、鱗の色、火の吐き方……

 あなたが話してくれた特徴は、文献に残っているものと一致しますね」


シグリ

「有名なんだ……じゃあ、あの子凄いドラゴンなんだね!」


アポロ

「……すごい……ドラゴンだよ」


エンキ

「おまえ、謝って……どうするんだ?」


シグリ

「仲直りするの」


エンキ

「仲直りして、そのあとは?」


シグリ

「……うー、わかんない……分かんないけど会いたいの」


アポロ

「エンキ、あまりイジメるなよ」


アポロは、暗闇の中で、静かに揺れる炎を見つめながら、《竜の間》での出来事を反芻していた。


アポロ

「エンキ、連れていくぞ」


エンキ

「……おまえは、頑固だからな」


アポロ

「今日だって、一人であんな危険な場所にいたんだ。

 シグリは、一人でも魔領域に向かうんだろ?」


シグリ

「うん」


ティア

「じゃ、じゃあ、考え方を変えて……

 シグリの護衛をするということじゃ駄目かしら?」


エンキ

「うーん、そうだな……確かに、ほっといても危険だしな……

 仕方がないか」


アポロ

「エンキだって、強引についてきたじゃないか」


アポロは、おどけたように言った。


エンキ

「はいはい、お前には、勝てないよ」


シグリ

「じゃあ?」


アポロ

「いいよ、一緒に行こう」


シグリ

「やったー!」


エンキ

「お前、絶対に危険な真似するなよ」


シグリ

「はいはい、気を付けまーす!」


エンキ

「こいつ、絶対に言うこと聞かないな」


アポロ

「はは」


アポロは二人のやりとりに、思わず頬を緩めた。

そして、誰に聞かせるでもなく、呟いた。


アポロ

「……狂ってるのはどっちだ……」


一筋の風が吹き、炎は不安定に揺らめいてた。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


シグリちゃんは、別の話で最強に至る存在です。


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