表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ポンコツ魔王軍の世界征服は今日も進まない。』  作者: mikamikan
第一章 魔王と魔王軍の日常
23/41

第18話 魔王思い出す

今回は、魔王が思い出しました。


ゆるく読んで頂けると嬉しいです

ある日、魔王は気が付いてしまった。


ガタ


悪魔魔道士

「どうされました、魔王様?」


魔王

「わしら、最近全く世界征服しておらん……」


悪魔魔道士

「まぁ、今に始まったことじゃ……」


魔王

「たるんどる。やれ愛だの、恋だの、クルシミマスだの、愛玩動物だの、あーだこーだ云々かんぬん」


悪魔魔道士

(それは、魔王さまが……)


魔王

「魔王軍の本懐は、世界征服じゃ! 世界征服緊急会議行う!」


こうして、世界征服緊急会議が開かれることになったーーー


参加メンバー

魔王、悪魔魔道士、スライム、サキュバス、ドラゴン、大カタツムリ、オーク


魔王

「さて、皆の衆……久しぶりの会議なわけじゃが、まず……」


悪魔魔道士

「……まず?」


魔王

「テーマを決める」


一同

「ズコーッ」

「ははは」


……この、ズコーッまでの流れは、完璧だった。

しかし、会議メンバーの中に、愕然とするものがいた……。


オーク

「……」


会議初参加のオークである。


オーク

(なんなんすかこれは? ズコーッってなんなんすか? はははじゃねぇっすよ)


魔王

「ははは。では、本題に入る……本日の議題は……」


オーク

(あぁよかったっす。やっぱりギャグだったすね)


魔王

「忘れちゃった」


一同

「ズコーッ」

「わははは」


オーク

「………」


諸先輩方の先制攻撃に、オークのお口も思わず、あんぐりするのであった。


魔王

「すまんすまん。テーマは考えておる。勇者討伐作戦じゃ。勇者が旅に出て、しばらく時が経つ。あやつも成長しておるじゃろうし、わしらも手をこまねいておるわけにはいかん」


オーク

(……やっと、まともになったっす……しかし、何かモヤモヤするっす)


悪魔魔道士

「では、意見がある方、挙手をお願いします」


スライム

「はい」


悪魔魔道士

「スライム君」


スライム

「強者から順に、ぶつければどうでしょう?」


魔王

「うーん、あやつら、わしらの動きを察知して、あやつらの最強戦力サイキョーンをが太輔にくるじゃろ。こちらも、ただじゃすむまい。却下じゃ」


スライム

「ちっ、くそが」ボソ


オーク

(ん、あれ?)


サキュバス

「うふ、色仕掛けはどうかしら?」


魔王

「勇者は真面目らしいからのぉ……色仕掛けはのぉ……」


オーク

(あれ? あれ、あれ? こっ、これは……)


ドラゴン

「人質を取ってみては?」


魔王

「うーん……」


オーク

(こっ、これは……)


オークの疑念は、真実に至った。

彼らは、いつぞやの会議と同じ話をしていたのだった。


オーク

(やっぱりっす! こいつら……前の会議と同じ事言ってやがるっす! リセットされてやがるっす!)


オークは、今までの議事録に、ちゃんと目を通す真面目な青年だった。

故に、生まれた悲劇だった。


魔王

「うーむ、なかなかいい案が出ないの……」


オーク

「魔王様。宜しいでしょうかっす?」


オークのその声は、少しの怒気を帯びていた。


魔王

「う、うむ。よいぞ」


オーク

「皆さん……以前と同じ話をしていまっす」


魔王

「そうかの……」


大カタツムリ

「オーク君、それは……」


オーク

「大カタツムリさんは、黙ってて下さいっす」


大カタツムリ

「……」


オーク

「皆さん、話を進めましょうっす。勇者討伐は、僕らにとって大事なタスクっす。ズコーッとか、やってる場合じゃないっす!!」


オークの正論に、会議室は水を打ったように静まり返った。


一同

「…」


一瞬の沈黙の後、スライムが切り出した。


スライム

「……ちっ……オーク君の気持ち……受け取ったぜ! ですよね、みんな?」


サキュバス

「うふ、濡れたわ」


悪魔魔道士

「あー、あー、サキュバスちゃん、ドラゴン君が……」


ドラゴン

「……?」


魔王

「うむ。オーク君は、いい目をし……」


大カタツムリ

「じゃあ、聞きたいんだが、オーク君にいい案はあるのかい?」


魔王

「……」


オーク

「はい、ありまっす」


オークは、不敵に笑った。


オークのプレゼンは、熱気に満ちていた。

まさに、それはまさに、オークの初期衝動だった。


大カタツムリ

「リスクが高すぎる!」


オーク

「リスクは承知っす! リスクが大きくなければ、リターンは小さいっす!」


ドラゴン

「………人質を」ボソ


オーク

「その意見は、オミットしたっす!!!」


ドラゴン

「……うっ、うっ」ジワ


スライム

「ちっ! おい、言い過ぎだろ! ドラゴン君、泣きそうじゃないか!」


オーク

「遠慮してたら、いい答えなんて出ないっす!」


スライム

「何をー!」


サキュバス

「うふ、濡れるわぁ」


今にも、殴り合いが起きる寸前だった。

しかし、ここ最近になかった熱気に、皆、不思議な高揚感があった。


魔王

「うむ……皆、いい目をしておる」


悪魔魔道士

(魔王様……いい目ってやつ、気に入ったのかな……)


白熱した世界征服緊急会議は、時間の概念を超越した。

時計の短針が、長針を12回迎える頃、遂に結論が出たのである。


魔王

「うむ、結論は……」


『魔王軍お楽しみ慰安旅行@地獄温泉』


一同

「わー」

(パチパチ)


オーク

「楽しみっす」

(パチパチパチパチ)


オークも、またポンコツであったーーー


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


次回は、地獄温泉です。


よろしければ、ブクマや評価で応援していただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ