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第10話 魔王軍新人オリエンテーション

今回は、前回採用した、新人のオリエンテーションです。


ゆるく読んで頂けると嬉しいです

魔王軍は、採用した新人のためにオリエンテーションを開催した。


悪魔魔道士

「えー、それではお時間になりましたので、新人オリエンテーションを始めたいと思います。では、最初は魔王様からお言葉を頂きます。魔王様、よろしくお願いします」


新人達は緊張した面持ちで、一斉に背筋を伸ばした。


その中にはオーク君の姿があり、他の新人同様、緊張していた。


オーク

(ドキドキするっす!)


魔王

「わしが、魔王である。

うむ……皆……いい目をしておる。

……えー、そのなんじゃ、皆、頑張るんじゃぞ。以上じゃ」


新人一同

(パチパチパチパチ)


悪魔魔道士

(あー、魔王様緊張して飛ばしたなぁ……

カンペいらないって言ってたから、やな予感したんだよなぁ)


魔王は新人達より、緊張していたーーー


悪魔魔道士

「続きまして、軍歌斉唱です。ドラゴン君、お願いします」


ドラゴン

「はい。紹介にあずかりましたドラゴンです。僭越ながら斉唱させて頂きます」


オーク君

(軍歌斉唱!?)


チャラララ~♪ チャララララ~♪


『進め、我ら魔王軍』


作詞 魔王

作曲 魔王

編曲 魔王


一番

今日も明るく一日一悪

頑張るあなたは美しい

頑張る僕も美しい みんな美しい

笑顔っていいよね 素敵やん


サビ

おお~魔王軍 おお~魔王軍

ま・お・う・ぐ・ん・

魔王軍って素敵やん

(セリフ 素敵やん)


二番

時に迷い 立ち止まり

風に心が 揺れても

仲間の声が 背を押す

仲間っていいよね 泣けるやん


サビ

おお~魔王軍 おお~魔王軍

ま・お・う・ぐ・ん

魔王軍って泣けるやん

(セリフ 泣けるやん)


三番

今日もお茶目で 小粋なジョーク

みんなの心の休憩所

そんな男って 素敵で泣けるやん

(セリフ 素敵で泣けるやん)


大サビ

おお~魔王軍 おお~魔王軍

ま・お・う・ぐ・ん

魔王軍って素敵やん

(セリフ 素敵やん)

魔王軍って泣けるやん

(セリフ 泣けるやん)

魔王軍って素敵で泣けるやん

(セリフ 素敵泣けるやん)

やん……やん……やん……やん

……や……


ドラゴン君は、体の大きさに似つかわしくないか細い声で、上手くもなく下手でもなく、絶妙に聞き応えのないそれでいて、切ない歌声で最後まで歌い上げた。


新人一同


(パチパチパチパ……)

(……)

オーク

(今の時間は、一体なんなんすか……)


悪魔魔道士

「ドラゴン君、ありがとうございました。次は社訓の唱和です。スライム君、よろしくお願いします」


スライム

「はい、私がスライムです。よろしくお願いします……」


(なんで、俺がこんなことをやらないといけないんだよ!)


スライム

「……では、社訓を唱和します。私のあとに皆さんも続けて下さい。よろしくお願いします」


新人一同

「はい!」


スライム

「魔王軍社訓

一つ、夢をあきらめないで

一つ、負けないで

一つ、ほら、笑ってごらん

一つ、やればできる


中略ーー20分後ーー


一つ、愛だろ、愛


以上です……(ちっ、何だよこれ)ボソ」


新人一同

(パチパチ……)


オーク

(長いっす……)


悪魔魔道士

「スライム君、ありがとうございました。

さて、次は魔王軍の説明を、私からさせてもらいます。

魔王軍は《明るく楽しく世界征服》をモットーに世界征服を行う団体です。

その収益の9割を、魔領域名物《魔饅頭》の生産・販売で担っております。この、魔《饅頭》は芳醇な味わいで、甘さ控えめ、それでいて癖になると好評を得ております。

サンプルを皆さんにお配りしますので、お持ち帰り下さい。以上です」


オーク

(ほぼ、饅頭屋っす……饅頭屋であること以外、何も分からなかったっす……)


悪魔魔道士

「以上で、新人オリエンテーションは終了です。何か質問のある方はいますか?」


新人達は困惑した表情で一斉に顔を見合わせた。誰も手を挙げない。


悪魔魔道士

「では、本日はこれにて解散とします」


新人一同

「ありがとうございました……」


帰り道ーーー


オーク

「……僕は、ここでやっていけるのだろうかっす……

とりあえず、頂いた饅頭食べるっす……」

オーク君は饅頭を口に入れた。


オーク

「んっ!? これは!?……うまいっす!?……」


次の日ーーー


悪魔魔道士

「魔王様、魔王様!新人達のほとんどが退軍を申し出ています!」


魔王

「なんじゃと!?」


新人オリエンテーションの内容に不安を覚えた新人の9割以上が、魔王軍を辞めた。

オーク君は魔饅頭の美味しさに、軍の商品力の高さに軍の将来を感じて、辞めなかった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


魔王軍には、少しずつ、仲間が増えていきます。


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