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二十三話 許可証と【気】

この町のギルドはそこまで大きくは無いが、かなり新しい建物なのだと分かるほど建造物に傷などがなかった。


入口の戸を開けると、中は大勢の人で賑わっており受付はかなりの人で並んでいてかなり待ちそうだった。


中々の強靭な肉体をお持ちの方が多いようで、、、

だが、そんな賑わっていたギルド内も彼女たちが中へ足を踏み入れれば、彼らの視線は美女二人に釘付けになった。


「こ、怖いですな……筋肉マッチョいっぱい……」

「そのうち、筋肉マッチョにラクさんもなれますよ!なんなら、シャーリャと鍛えたらどうです?」

「わんちゃん殺されそうなんでやめときます」


小声でそう伝えるが、たまたま彼女に聞こえたらしく「殺されてみる?」

と言われ、殺気を感じ、肌の産毛が逆立つ。

俺が無言になったところである男が俺たちの前にやってきた。


「嬢ちゃん達、もしかして依頼しに来たのかい?それなら、俺たちのパーティー雇わないか?」

「いえ、大丈夫です。私たちは指定区域立ち入り申請をしにきただけですので」

「どこに?申請必須ほどの場所なら、そこのひ弱な男といるより俺たちと組んだ方がいいんじゃないか?」


これが、異世界のナンパかぁ!冒険者らしいナンパだな。しかし、この二人手馴れてる。

そう思えるのは、姫さんは彼らの目を見ずに俺との会話とは全く情が籠っていない会話であり、興味が無いからどこかに言ってくれと伝わってくる対応だった。


しかし、察しが悪い男はそれでも距離を縮めようと奮闘していた。

痺れを切らした男が姫さまの肩に手をおこうとした瞬間。


「【聖樹海】」


その言葉を耳にした途端、手は止まった。その顔は少し青ざめていた。

姫さまは男から見えないように一瞬だけ笑みを浮かべた。


「それでも、まだ私たちの護衛をしたいと?」

「い、いやー!ちょっと、今日は別の依頼があったのでね。え、遠慮しておきます!!」


すぐさま男はギルドから逃げるように立ち去った。

その名前を口にしてから、周りは羨望の眼差しから恐ろしいと言わんばかりの目に変わっていた。


姫さまは何食わぬ顔で受付まで歩き始める。受付に人だかりが出来ていたが彼女が通る道はどんどんと人が離れていった。

そ、そんなヤバいとこなん!?聖樹海って!!


そんなこんなで簡単に受付嬢まで行け、彼女は何やら準備をしていた。


「Sランク指定区域【聖樹海】ザンクトシーザに行かれるのですね?でしたら、この書類に身分と目的、そして、もしこの区域で死亡した場合その死体は回収できません。救助も可能ではないことを理解して、ここの書類にサインを、、、」


そう言いながら、紙を二枚ほど取り出した。

姫さまはスラスラと身分とサインをしてから、王族命令書を提示した。

それから、すんなりと指定区域許可証を手に入れることができた。


それから、俺たちはすぐにその場を立ち去った。ギルドを出てすぐ背後から騒音が大きくなった。


それから、泊まっていた宿のチェックアウトを終え、この先に例の森があるのだろう。警備がかなり厳重で許可証を見せられた男は目を見開いていた。


「き、許可証を確認しました。お気をつけて」

「ご心配ありがとうございます。では、ラクさん行きましょう!」

「ちょ、ちょっと待ってください!そんな元気に『行きましょう』なんて言われても……そんなにヤバいとこだったんですか!【聖樹海】って」


彼女は少し考え事をした後、何かを言いたげにしたがやめた。その後、騎士さんに説明を任せることにしたようだ。


「いいか?ラク、私たちがこれから向かうのは七王が住む場所だ。かなりの強敵が出るかもしれない、だが今は私と姫さまがラクを守る。安心しろ私達は強い」

「は、はい」

「いい子だ。しかし、危険だということは変わらない極力戦闘もしたくもないからな!これを飲む」


そういい、とある瓶を姫さまがカバンから取り出す。

それは、青白色に染まったポーションだ。


「これは?」

指を指し、そう尋ねると


「これは、魔物からの注意を無くすポーションだ。効果は一日。しかし、注意を引くまでだ鼻がいい魔物など感覚がとても鋭い魔物には効かない。それに、大きくバレるようなことをすればすぐにバレるからな」

「わ、分かりました!」


馬車に乗る。鞭を打つ音が聞こえ、走り出す。

窓を開け、駆け抜ける大地の風は来る時とは違い沈んだ風だった。


「ほ、本当に──行くんですか?」

「ラクさん、もう覚悟してください。先程からしょんぼりしてますが」

「覚悟、、、」


これから死に行くようなもので、覚悟など。

しかし、ふと思えばこれまでも死にかけてきたが今もまだこの体がある。そう考えれば心に余裕ができる。

心に誓う。


「分かりました、やってやりますよ!!」

「その意気ですよ!ラクさん!!」


そんな、会話をしていると空はもう暗くなってきていた。まだ、オレンジ色は残っているがほぼ黒い状態だ。

馬を走らせる、騎士さんは後ろを向き言う。


「もうそろそろザンクトシーザに着きます。入口で今日は寝ましょう!」

「分かりました。ラクさん今日はしっかり休みましょう」


数分経てば、馬車は止まる。外を見れば、巨大な森が広がっていた。道の先を見ても、地平線が見えるほと何も無いというのに森の終わりは見えなかった。


「火を起こしましょうか。ラクさん頼んでもいいですか?私達はご飯の準備と寝場所の準備をします。」

「分かりました!」


馬車をおり、火起こしをし始める。この世界に来て、この前初めて火起こしをしたが最初は上手くできなかったが今はなかなか様になってきた。


初めての事を思い出しながら、火打ち石を弾き続け、ついに火種が薪へと移った。パチパチと音を立てながら、燃える灯火に安堵の気持ちを抱く。


「火、つきましたね!じゃあ、お肉焼きましょう!」

「やったー!」

「では、今さっき森の入口で狩ってきたしし肉を焼きましょう。」

「へ?今さっきって、、、まぁいいか」


木で骨組みを建て、しし肉を棒で突き刺し焼き始める。数分もすれば肉肌は赤みから茶色へと変わり、ポタポタと肉汁が垂れる。


ジュルリ。

そんな効果音が出るほど美味そうな肉であった。


「そろそろですね。では、こちらを」

「あ、ありがとございます!!う、ウマー!」


肉汁が口の中で溢れ出す、そのアツアツな肉汁に火傷しそうになりそうなるが、この美味さの前では気にもしない。


食事は終わり、俺は先に、彼女たちは俺の後に近くの川へ水浴びへ向かった。覗くなよと毎度釘を刺される。


クソ!めっちゃ見たい、とこではあるが見たら俺の息子──いや、首が飛びかねん……!!

そう思うと、腕で体を抱きしめブルっと体を震わせる。


「はぁ、怖っ。というか、明日どうするかね、、、まさか、そこの森がめっちゃ危険なんてさ」


考えても、もう行くしかないんだなと思い、眠れなくなる前に別のことを考え始めた。しかし、次第に眠くなり。気づいた頃には深い眠りについた。


───虚空───


「起きろー!はぁ、行くぞー」


ばっこーーーん!

男は拳を振り上げ、寝ている俺を殴り飛ばした。

その、痛みに悲鳴をあげる。


「いってぇぇぇぇ!!」

「おはよう!楽よ」

「またかよ!!この野郎!」


殴りかかろうとしたが、テイッと軽く殴られ飛ばされた。

強すぎ……!


「おい、何寝てる起きろ」

「は、はひぃぃ!!」

「さて、どうだ?思い出せるか昨日の出来事」


確かに、今日一日虚空での記憶は一切なかった。しかし、ここに来れば全て思い出せる。しかも、今日あった出来事全ても。


「で、レベル見れなかったか?」

「なぜ、知っているかのような、、、」

「まぁ、魂にいるしな?」


確かに、俺の考えもお見通しか、、、ん?俺の行動全て監視されてるのか!?うわ、嫌すぎる。


「魂には呪いは反映されないからな、確認してみろ。ほら、ステータスボード展開と言え」

「【ステータスボード展開】」


ブオンの音と共にステータスボードが目の前に現れる。


菊田 楽 レベル:15


職業:無職


体力 105 強化必要ポイント 10

魔力 130 強化必要ポイント 100 

腕力 100 強化必要ポイント 10

頑丈 100 強化必要ポイント 10

俊敏 100 強化必要ポイント 10

器用 100 強化必要ポイント 10

運  104 強化必要ポイント 10


スキル

火魔法 レベル2 レベル3必要ポイント1000

水魔法 レベル1 レベル2必要ポイント100

風魔法 レベル2 レベル3必要ポイント1000


所持強化ポイント500


【飛躍】

【スラッシュ・I】

呪い


神呪(しんじゅ):レベルの秘匿

【呪いが追加されました。極呪:レベルの秘匿 追加効果:この呪いは他者からでしか確認不可】


「レベル見れた!!てか、ガチで呪われてる!?」

「この呪いは神をも呪うからな、聖女でも解呪可能か分からんぞ?」

「そのレベルかよ!!誰が呪ったんだよ、、、」

「さぁな」


男は気づいたら呪われていたと言い、それ以上は何も言わなかった。

しかし、レベル15か、、、弱すぎるな


「まぁ、レベルは確認できただろう。後、五レベル頑張れ」

「はい、、、」

「では、早速花だ。受け取れ」


目の前に蕾が閉じたままの花が現れる。昨日の続きだろう。また、長い戦いの始まりかと軽く絶望しつつ、花を手に取り、昨晩と同じ工程をする。


気を送ると言われたが何も分からない。思いを込めて集中するが何も起こるはずもなく、何かを掴むわけでも無かった。そんな苦悶をしている中、男はずっと座禅をしていた。


「これどうやったら咲くんです?」

「知らん」


目を閉じた男はただそれだけしか言わなかった。

なにか無いのかと思い、男が手本で見せた場面(シーン)を思い出す。

手に目線を集中していたな。


「はぁあ!!」

力を込め、手に全集中を注ぐ。しかし、萎むどころか枯れてしまった。


「うるさい。花は丁重にと言っておろう、そんな乱雑な気持ちでは一向に咲かんぞ、、、」

「花は丁重に、、、か。強くもあり優しくもある。正義のヒーローみたいだな」


ブンブンと頭を振った、そんなことを呟いてる暇はない。今以上に強くならなければ!気ってなんだよ!座禅をさせた理由はなんだ感覚共有だろ?


はっ!と閃く。

「そうか、そうか!」

俺は男に感覚共有をする。


感覚共有をした途端、目の前にいる男は座禅しているはずなのに感じられる力は途方もなかった。

中央に込められた強くも優しい力。正義のヒーローがそこにはいた。


「こ、これが【気】?凄い」


圧倒されたその力に俺はいつの間にか精神をすり減らし、額には汗が滲む。だが、掴めた!これが気か!


「何か分かった顔をしているな」

「はい!今からやってみます」


【気】というものを何一つ理解出来ていなかった、【気】はおそらくその人の持つ生命力なんだと感じた。感覚共有で気を目の当たりにした時、物理的な力とはまた違うものだった。


つまり、生命力を感じる必要があった。しかし、それを完全に自覚、感じるには途方もない時間を要するだろう。分かることは、この男本当に化け物だ、、、


しかし、そんなことは最初から分かっていたことではあるだろう。今は自分のことに集中するべきだ。

生命力か、、、生きるとは何かを説いてのと同じだろ?魂を感じる、それが一番答えに近い気がするよな。


「魂を感じろ、楽」

己の中にある魂を探る、奥深くへと。全身に汗が流れ出す。気を抜けば倒れてしまうほどに精神は削れていく。

──魂の奥底に、確かに生きる力、それは静かに燃える青い炎のようで、力強くもそれでいてとても優しい温かさ───【気】だ!しかし、まだ弱々しい。


俺はそのまま魂の【気】を手に移動させる。

くそ、途切れた!まだだ。優しくゆっくりと、、、

汗を吸った服はもはや土砂降りの中にでもいたかのような濡れ具合をしていた。


「そうだ。もう少し、ゆっくりと……で、できた!」

「ほう!もう、【気】を理解し、応用して見せたか!及第点以上だな」

「もう無理……疲れ、た」


俺はそのまま倒れ込んだ。

男は倒れ込んだ少年を横たわらせ、そのまま立ち上がる。


「予想以上の速さだな。やはり、こいつは俺の目的を果たしてくれる存在やも知れぬな」

男は遠い目をし、そっと少年へ視線を向けた。男はそれ以上は何も語らず、そのままどこかへ消えた。

夏頃から沢山書くと思います。

それまでは自分のペースですがよろしくお願いします。出来れば改善点やコメント、反応など貰えると嬉しいです。

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