「夏」祭り
単に「夏」にまつわる言語遊戯を…という事で
①まずは
『あつはなついねえ』
なんてのがありますよね。これは語呂の似た「夏」と「熱」を入れ替えると云う言葉遊びです。中々に面白いですよね。
つまりはアナグラムになっている訳ですよ。アナグラムをするだけでこんな個性の強い文章が生まれるとは…
②
「飛んでゆに入る夏の武士」 ※ゆ=湯
「飛んで火に入る夏の虫」のパロディで、地口という洒落の様なものです。落語なんかでもよく使われまして、その中でも、地口で話を締めるものを地口落ちと呼ぶそうで。なんだか語呂が良い。
以降私が作ったものになります。ご注意下さい。
③
「いやー忍冬の花も咲き始めたね」
「要は夏になったって事ですな」
「そういう事」
「なるほどなあ、そういう言い方もあるんだな」
「や?!西瓜が安いか」
「ここら辺は収穫し易いからねえ。これ位でも売れるもんよ」
『やすいか』で駄洒落ですね。意外と沢山入ってます。ちなみに『忍冬の花』も夏の季語だもんで、都合が良い。
④
セーラーの売り手は地下室で後悔した。
似た言葉を集めただけ、ですが、セーラーには航海士といった意味も含まれるため、「航海士」と「後悔し」でも駄洒落をしてるという代物ですね。
⑤
夏祭り、彼女との待ち合わせ前に山にある神社にて恋愛成就を祈願した。そしてついに……
寝る頃も
忘れぬ 火より
熱い視線
浴衣の君と
空に咲く花
惚けて目縁
笑むを御山へ
※目縁…まぶたを指す言葉
御山…神仏が祀られた山
はい、今回のトリを飾るは完全パングラムでございます。ハマってます。しかもこれは「五・七・五(六)・七・七」の俳句形式に「七・七」を足したものです。語感重視ですよ。花火に恋愛成就とアツアツな物に仕上がりましたよ。気に入ってくれたら嬉しいです。