型破り
「あ、あの…フィオさん?随分歩きましたけど…」
「んー…そうだねー…こんぐらい広ければ十分かなー?」
ただただ広い草原…何も障害になる物がない場所までかなりの時間をかけて歩いてきたフィオとリーチェ。
「ねぇリーチェちゃんは雷と風の魔法が使えるんだよね?どんな魔法にするか考えはあるの?」
「えっと…全く…」
「なーるほーど…ねー…」
「…何をしているんですか?」
「ん?準備運動だよ?」
「…?」
全身を隈なく動かしているフィオに小首を傾げるリーチェだったがフィオが小さくよしと呟くと…
「じゃあ難しい事を考えるより身体を動かそっか。来て、麒麟、セイレーン」
「っ!?!?」
突然空から紫紺の稲妻が迸りフィオの近くに落雷の轟音と共にバチバチと帯電した真っ白な毛並みの鹿に似た麒麟が現れ、空気や地中から水分が集まると人魚の姿をした精霊、セイレーンが現れフィオの頬に頬ずりをし始める。
「んーよしよし、麒麟もセイレーンも来てくれてありがとね?」
『ん…今日はパパはいないの?』
『えー、ウーちゃんいないのーママ?』
「ごめんごめん、大ママからお仕事頼まれちゃってね」
「しゃべ…召喚魔法…ですか?」
「まぁそんな所かな。…それより、私は抜いてるけどリーチェちゃんは抜かないの?」
「っ!?い、いつの間に…!?」
召喚した麒麟とセイレーンと戯れていたはずなのにいつの間にかフィオの右手には緋色の刀身を持つ刀が既に握られており、驚きつつも一回のバックステップで15m程後ろに飛んだリーチェは額から滴る汗を拭いながら風を身に纏い山茶花に雷を這わせ深く腰を落とし、神速の血統魔法を使うと思考が何倍にも引き延ばされる感覚を覚えながら居合の構えを取る。
「…うんうん、隙が無くていい構えだね。麒麟、セイレーン」
『『わかった』』
「…なっ!?」
十分な距離が開いているのにも関わらずフィオが刀を片手で正眼に構えると麒麟とセイレーンの姿が紫電と水球に変わりフィオの身体に吸い込まれ…フィオの刀が緋色から紫紺へと変わり全身にバリバリと耳を劈く音を発する紫電を纏うと…
「リーチェちゃん、準備はいい?」
「っ……っふぅっ…!」
片手を地面に着き身体をギリギリまで伏せると刀を持った腕を限界まで後ろに引き絞り、別人としか思えない顔つきになったフィオの突き刺すような殺気に息を飲むが、リーチェは息を強く短く吐き捨て存在が希薄になる程の集中をする。
「はい…何時でもどうぞ…」
「おっけー。反撃できるなら遠慮なくしていいからね」
「…」
まるで反撃する事が出来ないとでも言いたげなフィオの言い草に眉を顰めより一層の集中…草の揺れる動きが全て止まって見える視界の中…
「いくよ。…雷切流二ノ型、雷火ッ!!」
「っ!?!?!?」
最初に開いていた5m、バックステップで稼いだ15m、計20mもの距離を全て止まって見える視界でも一瞬の姿も見せずに落雷の轟音と共に詰めたフィオは驚いているリーチェの山茶花に手を置き、抜かせない様力を込めて首に刀を添え笑みを浮かべる。
(み…見えなかった…抜けなかった…抜かせてもらえなかった…でも私もフィオさんみたいに雷を刀に纏わせるんじゃなく、身体に纏えば…)
「どう?反撃できそうだった?」
「…今はまだ無理です」
「…ふふん!やっぱりリーチェちゃんは小難しく考えるより身体を動かして実戦経験を積んで、閃きを頼りにした方が伸びると思ったんだよね!そして…煽られた方がより一層伸びるってね!」
見立て通り今の一瞬の交差で何かを掴みかけたリーチェの首から刀が退かされた時…リーチェは二度目の驚きを目にする。
「…!か、刀じゃない…!?」
「そっ!貶すわけじゃないけど正直、リーチェちゃんはまだまだ私が抜く程の剣…手練れじゃないからね」
リーチェの事を剣士ではなく手練れと言うと鞘をくるくると回し横に突き出し、空から紫紺の刀が落ちてきて澄んだ音を立てながら鞘に収まった…。
(あの一瞬でこんな曲芸染みた事まで…何も言い返せない…剣士とも認められていない…悔しいっ…)
「んじゃあ…これから授業するけど…まず気付いた事を言ってもいい?」
「…はい!お願いします!」
鞘から刀が抜けない様きつく紐で縛り付けるフィオに頭を下げたリーチェは銀色のブレスレットから空間収納を開いてメモとペンを取り出した。
「リーチェちゃんってさ、目がかなりいいでしょ?後、お姉ちゃんから聞いてるけど神速って言う血統魔法で思考加速もしてるんだよね?」
「目は確かに相手の動きを見切る為にかなり訓練していますし、神速で思考加速もしていますが…」
「うんうん。でもちょーっとその目と神速に頼り過ぎかなって」
「頼り過ぎですか…」
「こう…剣を交えてるとさ?目に見えなくても直感的なものを感じる時あるでしょ?私はその直感のままに動いているけど、リーチェちゃんの場合は目で見て加速された思考の中で最善の手を考えて行動に移す…このタイムロスが勿体無いなって」
「タイムロス…ですか…」
「後さ…刀以外にその腰に吊るしてる二本の剣は使わないの?」
「この剣と刀はランさんに作ってもらったのですが…剣、アイリスとアネモネの方は魔法の反射と吸収が出来るので魔法をメインで使う相手の時にしか扱うメリットが…」
「んーそれも勿体無いよねー…せっかく三本あるんだから例えばさ…」
そう言って刀を腰帯に差したフィオは紫電で出来た剣を二本、刀を一本創り出し…
「こう…さっきみたいに刀を上に放り投げてる間に二本の剣をパパッと使って落ちてきた刀と剣を入れ替える様にまた上に投げて~とかさ?剣と刀だと使い方も違うし、剣と刀を使う手を左右入れ替えたりとかしたらそれを受ける相手も対応し辛いんじゃない?」
ナイフでジャグリングをする様に剣と刀の三本で曲芸を披露するフィオとその姿を見て苦笑するリーチェ…。
「…流石にそれだと万全の踏み込みも斬り込みも出来ませんよね?」
「ほら、また最善の手を考えた」
「っ!?…た、確かに…」
「ちょっと見ててね?」
「…?」
何度も驚くリーチェに笑みを浮かべたフィオは三本の剣と刀を消すと腰帯に差した刀を鞘ごと抜き、剣を扱う者であれば誰でもわかる滅茶苦茶な動き…それでも何処か洗練された剣技を披露し始める。
「す、すごい…」
「こうやってさっ…型破りな剣技も突き詰めればっ…立派な剣技っ…なわけでっ…それはっ…魔法にも言えるんじゃっ…ないかなっ!」
「っ!?あっ!?」
リーチェの山茶花に紫電を纏わせ触れずに遠くから刀を抜き手元に引き寄せたフィオはそのまま二振りの刀で変幻自在の剣技を披露し続ける。
「雷の魔法なんてさ?普通に考えたらピカって光って凄い音が鳴って、ビリビリして燃えそうな物を燃やすぐらいしか出来ないじゃん?でも今、触れずにリーチェちゃんの刀を抜いたでしょ?知識があるうえで型を破る…それが自分の必殺技に繋がるんじゃない?」
「知識があるうえで型を破る…いや、でもこれは…」
「…ふぅ。じゃあ…」
リーチェの呟きは聞こえなかったが何かを一瞬迷ったのを見抜いたフィオは自分の刀を腰帯に戻し、奪った山茶花をリーチェの鞘に納めると銀色のブレスレットに魔力を流し、空間収納から白と黒の木刀を取り出してリーチェの手に白い木刀を乗せると黒い木刀を振りかぶり問う。
「リーチェちゃんは右の袈裟斬りにはどうやって対応する?」
「右の袈裟斬り…刃に当てず流すか対角線から迎え撃ちます」
そう言って自分の対処方法を披露するとうんうんとフィオは頷き、リーチェにも同じ構えをさせ…
「私ならがっつり近づいて相手の懐に潜り込んで剣の柄を押さえてがら空きになった腹に腹パンか足払い、男なら股座を膝で蹴り上げるかな」
「なっ…それは剣士としてどうなんですか…?」
リーチェとは全く違う対処方法…剣士同士では禁じ手とすら言われる対処に眉を顰めるリーチェだったがフィオは小首を傾げながら言う。
「剣士としての誇りや矜持…でもそれは剣士同士の暗黙の了解で、相手が剣士だとは言ってないし、一騎討とも言ってないし、右の袈裟斬りとしか言わなかったよ?魔法を使う人や人の命を遊び感覚で奪う盗賊や山賊犯罪者、そして上からの命令で盲目的に人を殺す兵士にも同じ様に剣士同士の暗黙の了解を押し付けるの?」
「そ、それは…」
「左からの胴の払い斬りにはどうする?」
「…後ろに下がるか受け止めます」
「私なら上体を逸らして避けつつ仰け反った状態を利用して相手の腕の隙間から顎を蹴り上げるか刀を持つ手を蹴り上げる。男なら股座だけどね?」
「…」
同じ剣士であるはずなのにフィオの対処方法がどうしても理解出来ないリーチェは更に眉を顰めるがフィオは小首を傾げて言う。
「刀は使うけど私は自分が剣士だと一言も言ってないからそんな顔されてもお門違いなんだけどさー…リーチェちゃんさ、立派な剣士であろうとしているのはとてもいい事だけど…それって本当にリーチェちゃんなの?」
「っ!?」
深い深海から覗き込む様なフィオの青い瞳に身体をビクリと震わせ…自分の何もかもを見透かすようなフィオの眼から逃れる様に顔を背けるリーチェ…だが、フィオはそんなリーチェの抵抗に笑みを浮かべながら…
「…ねぇ、リーチェちゃん?」
「…はい…」
「唯織君の事、好きでしょ?」
「なぁっ!?」
「…わっかりやすいな~!ねぇねぇ?唯織君のどんな所を好きになったの?」
必殺の一撃とも言える一刺しを遠慮なく、容赦なく突き刺す。
「そ、それは…」
「ほらほら、唯織君のどんな所を好きになったのー?」
「…言わなきゃダメ…ですか…?」
「これも授業の一環だからねー!別に言いふらしたりしないしここには私達しかいないし…ほらほら、白状しなよリーチェちゃん!白状しないと授業してあげないよ~?強くなれないよ~?ん~?」
「うくっ…」
木刀の持ち手で執拗に脇腹を突き脅してくるフィオに苛立ちと恥ずかしさを感じつつも話さないとこのまま茶化され続けると思ったリーチェは重苦しいため息を吐き捨て口を開く…。
「……正直…顔です」
「ほほう?リーチェちゃんって意外と面食いなんだね?もっと優しい所が好きとか言うと思ったよ?」
「そういう所も好きですよ…顔が好きと言えば悪く聞こえますが、実際はふとした時に見せる笑顔とか考える顔とか泣き顔とか…そういう顔を見ると胸がきゅってなるんです。当然、男性なのにあんなに可愛らしい顔立ちをしている普段の表情も好きですが……これで満足ですか?」
「んーん、もっと全部聞かせて?」
「…はぁ…そうですね…優しい所…それも裏表のない優しさを持っている所が好きです。打算じゃない…己の利益を求めず己を躊躇なく差し出しその人の為に尽力する所が好きで…出来ればそれを私だけに向けて欲しいと…」
「なるほどねー?他には他には?」
「…~~!!!」
ニヤニヤとするフィオの顔に一発お見舞いしたい気持ちをぐっと堪えたリーチェはその気持ちを言葉に乗せて捲し立てていく。
「声です!ユイ君の声を聞いていると安らぎますし寝る前に子守唄代わりに耳元で囁いて欲しくなるぐらい好きです!!それに匂いです!あの長くて綺麗な白髪が揺れる度にいい匂いがしてお腹の辺りが熱くなりますし!ふとした時に見せる男らしい所とか何であんなに可愛い顔してるのにあんなかっこいい顔が出来るのかとか!!私の手を覆ってしまえる手の大きさ!あの手で頭を撫でられたいよ!!ユイ君は料理も出来てすごく美味しいし毎日ユイ君のご飯を食べたいし!!料理はした事ないけど四苦八苦しながらもユイ君と一緒に料理してみたいし!ユイ君は私やこの世界の人達が持っていない物や特別な力をいっぱい持っているのにそれをひけらかす事も傲慢に振るうわけでもなく…あああもう!!何が言いたいのかわかりません!!………でも一番好きなのは…ユイ君の隣が一番…安心と心地よさと幸せを…本当の自分を感じられたから…」
「お、おおう…な、何かごめんね?聞いてるこっちまで恥ずかしくなっちゃった…」
「っ!?じゃあ何で言わせたんですか!?」
言わせた張本人なのに顔を真っ赤にして照れているフィオの胸倉を掴んで揺さぶるリーチェだったが…
「剣士である事にずっと囚われてるリーチェちゃんに本当のリーチェちゃんになって欲しかったんだよ」
「っ……剣士である事にずっと囚われてる…?」
力が抜けたリーチェの手を退け、乱れた襟を合わせ直したフィオはリーチェが落とした白い木刀を拾い笑みを浮かべる。
「お姉ちゃんからは『リーチェは本当の自分を持っているのに貴族であろう、剣士であろうとし過ぎているからよろしく頼むわ』って言われててね?だから本当のリーチェちゃんを知りたかったんだよ」
「…」
「リーチェちゃんがさ、攻撃魔法を使わないのって剣士として違うと思うから…でしょ?だから身体強化系の魔法は使っても剣で攻撃しない遠距離の攻撃は邪道だって思っている…さっきから私の対処方法を聞いて嫌な顔してたけどそれは剣士として最悪の手。だけど本当のリーチェちゃんはそれが効果的だってわかってるでしょ?」
「っ…」
図星…言葉を発しなくても分かるほどに図星を突かれて表情を歪めるリーチェの胸に手を当てフィオは語る…。
「貴族のリーチェちゃん。剣士のリーチェちゃん。唯織君が好きなリーチェちゃん。女の子って言うのは色んな顔を持っていて当たり前だし、ミステリアスな女の子は確かに魅力的に映るかも知れないけど…それって自分に嘘までついて演じ続ける必要のあるものなの?」
「…」
「私はリーチェちゃんみたいに良い所の生まれじゃない。ただの辺鄙な村の村娘だったから貴族の事はわかんない。私はただの村娘で仕事から帰って来るお父さんをお母さんと一緒にお家で待ってたり、幼馴染…今は私の旦那さんだけど…その旦那さんと村の中を駆け回って遊んだり、村の近くにある森の浅い所にあるお花畑で遊んでばかりでリーチェちゃんみたいに小さい時から頑張って剣を振って剣士になったわけじゃない。だから今の私はリーチェちゃんにこんな事を言えるかも知れないけど…自分じゃない自分を演じ続けるのは辛くない?」
「……」
「私ね?小さい時に山賊に旦那さんと一緒に攫われて売り飛ばされそうになった事があってね?その時迷子になってるお姉ちゃんに出会って助けてもらって…強くなりたいって思ってこの二振りの木刀をもらったの。それからお姉ちゃんに強くなったねって認めてもらいたくて必死になって訓練してたらいつの間にか『勇者の生まれ変わりだ』、『英雄だ』なんて言われる様になってたの。でも私はただお姉ちゃんに認められたくて頑張ってただけなのにそんな事を言われて続けてたら自分でもそうなのかな…なんて思い始めちゃってさ…そんな時にお姉ちゃんが魔王になっちゃってね?みんな勇者の私と旦那さんがいるから安心だって言い始めていつの間にか『勇者のフィオ』、『英雄のフィオ』として振舞うようになってたんだよね」
「勇者…英雄…」
「で、ある国から魔王になったお姉ちゃんと会談するから護衛をして欲しいって友達の皇女様が言ってきて、本当にお姉ちゃんは魔王になったのか確認しに行ったら…お姉ちゃんは私達を助けてくれた時のままの優しいお姉ちゃんだったんだ。魔王になってもお姉ちゃんはお姉ちゃんだった…だから私は一緒に仲間として国を造り上げて国を守る勇者として、英雄として、今だ超えられないお姉ちゃんっていう壁を超える為に頑張り続けたんだけど…勇者とか英雄とかってさ、物語だと何でも救っちゃうじゃん?だから私もそうじゃないとって頑張り続けちゃって勇者であり続ける事、英雄であり続ける事、お姉ちゃんっていう壁を超える事が重荷になって押しつぶされちゃったんだよね」
「…」
「で、うだうだしてたら久しぶりにお姉ちゃんを見かけて…今までの溜まりに溜まった鬱憤を晴らす為に八つ当たりでお姉ちゃんを本気で倒すつもりで戦ったんだけど…私が思い描いていた勇者と英雄がお姉ちゃんと全然違くてね?私は勝手に自分で思い描いていた勇者と英雄の型に自分から嵌って抜け出せなくてじたばたしてたんだって気付いたんだ。そこからはもう自分らしく戦って…遂に旦那さんと一緒にお姉ちゃんを超えたんだよね。その後普通にデコピン一発で吹き飛ばされちゃったけど」
「そう…なんですか…」
「自分が思い描いていた勇者と英雄って言う型に嵌ってた私、自分が思い描いている剣士って型に嵌ってるリーチェちゃん。…だからお姉ちゃんは私にリーチェちゃんを任せたんだと思うよ?本当の自分らしくでいいって伝える為にね」
「自分らしく…」
「私が自分が信じていた勇者と英雄像を簡単に捨てられなかった様にリーチェちゃんも剣士である事を簡単に捨てられないと思う…だけどさ、剣士よりなりたいもの…もうあるでしょ?唯織君のお嫁さんとかね?」
「っ…」
俯くリーチェに昔の自分を重ねたフィオは慈しむ様な笑みで頭を一撫ですると何かを吐き出すようなため息が聞こえる。
「はぁ……もう一度、手合わせをお願いしていいですか?」
「ん、いいよ。今度は少し速度をおと『いえ、全力でお願いします』…」
「その上でその刀を抜かせます。後…」
フィオの言葉を遮り顔を上げたリーチェは悪戯を考える様な悪童染みた笑みを浮かべ…
「今度の私は手癖と足癖が悪いかも知れませんし、頭も物理的に使ってしまうかも知れません。魔法も剣技もとっても下手くそになってるかもしれないので十分注意してくださいね?」
「…おっけー!ならリーチェちゃんもその可愛い顔が台無しにならない様に気を付けてね!私は元々手癖も足癖も悪いから!」
同じく悪戯な笑みを浮かべるフィオと拳を合わせ二人は背を向け合い距離を取るのだった…。




