05 同盟
「もしかしてぶるんぶるんの揺れまくりになれるのですかっ」
「残念ながら即効性は無くてね、身体の負担とならないように時間を掛けて成長を促すものなんだ」
「ぜひっ、促されたいですっ」
「うむ、興味があるのであれば詳しい話をしようか」
「この部位は揉まれれば揉まれるほど成長すると聞いた私は、物理的にそれを再現しようと試みた」
「この『始終永続超感覚薬』を飲めば、永久に24時間その感覚を味わうことが出来るようになる」
「つまり、四六時中揉まれっぱなしになっちゃうと……」
「筆舌に尽くしがたい地獄のような極楽のような感覚を味わい続けるのは、私のような虚弱体質では絶対に無理だろう」
「モノカさんのように、鍛え抜かれた屈強な身体で修練を乗り越えてきた不屈の精神力の持ち主ならあるいは耐えられるのではなかろうかと」
「絶対に無理ですよぅ」
「モノカさんが身悶えする姿をあの娘たちに見せてあげたかったのだけどね」
「勘弁してくださいよぅ」
「もちろん、私もとても見てみたいのだがね」
「先生、もしかして私をからかってはいませんか」
「そんなことはないさ、あの新薬はちゃんと私の『収納』の中で出番を待っている」
「早く廃棄処分してください」
「そんな薬なんかよりも、私の話に恥じらう乙女を観察するのが大好物っていうだけさ」
「乙女扱い、ありがとうございます」
「私は、モノカさんのハーレムパーティーの一員にはなれないけど、ひとつだけお願いを聞いてもらえないだろうか」
「極端な性的接触以外は抵抗しませんよ」
「先生ではなく、名前を呼び捨てで呼んで欲しいな」
「……」
「嫌かい」
「クロイ、じゃ何かあれですし、チェル、でも何か変ですよねぇ」
「クロ、で良いんだけど」
「それってメイジさんとのらぶらぶの証しでは」
「よしてくれないか、あの年中発情期男の犠牲者扱いだけは御免だよ」
「すみません、てっきりおふたりはそういう間柄だと」
「何てこった、もしかしてメイジは変なことを言いふらしたりはしていないだろうね」
「そういえばアランさんから聞いたんですけど、今度あったら飲みに行こうって言ってたとか何とか」
「……いいともさ、浴びるほど飲ませてやるよ。 酒なんかよりもっときっついのをね」
頑張れ、メイジさん。
「それじゃそろそろ行くね、クロ」
「いつでも胸を貸すよ、モノカ」
「……やっぱりあの同盟の名前、変えませんか、クロ」
「この小さな部位には私たちの誇りと矜持がめいっぱい詰まっているんだよ、モノカ」
「もう少しだけでも容量が増えてくれれば、もっとたくさん詰められるのですけどね、クロ」
ふたりで、笑った。