11/22
11 朝
朝、みんな思い思いにまったり乙女。
私はバルコニーから見下ろして、街がちょっとずつ目覚めていく様子をぼんやりと眺めている。
どっかに鍛錬向きの広場は無いかなと見回していたら、ノックの音。
ドアを開けたのはアイネかな、こしょこしょ話し声が聞こえる。
ドアが閉じて、
「モノカ、ちょっと」
部屋のテーブルにみんな集合、アイネは渋い顔、マクラが怖がってる?
「あのマダムシスレとかいう人が、マクラを連れて来いって、一階ロビーで」
ほう。
「駄目ですよモノカ、朝からそんな殺気出しちゃ」
すまんなノルシェ、マクラの返答次第でどうなるかわからんよ。
「マクラは、どうしたいのかな」
「マクラは、行きたくない、かな」
このまったりとした良い朝に、マクラにこんな顔をさせたやつが、すぐそばにいる、と。
「大丈夫だよマクラ、お母さんがちゃんとお話ししてくるからね」
こくこくうなずくマクラに、にっこりと微笑んで、
「ごめん、ひとりで行かせて」
みんなに、お願い。
槍は、いらない、かな。




