エルフと過ごす朝の時間
ふと目が覚めると今回はベッドの上の布団の中にいた。ただいつもと違うのは周りが木製のいかにもな壁が見えるぐらいだろうか。
「ん…ふぅ…おはようございます。ご主人様。」
「…おう、おはよう。ってお前何一緒に寝てんだよ…」
あぁ。忘れていた。もうひとつ大きく変わった出来事と言えばここのエロエルフが近くに居るくらいだろうか。清純そうな見た目に反してこのエルフ。色々えげつない。
「…何をおっしゃいますか。昨日あんなに激しくしたじゃないですか…ポッ」
「ポっじゃねえよ!!何もしてねえよ!追い出しただろ寝る前に!」
ご覧の皆さん。誤解しないで欲しい。俺は確かに夜に追い出した。確かに激しくはした…"薪割り"を!!料理を作るために薪が無かったんだ。仕方ないだろう。
「あんなに太くてたくましいものを…したのに。」
「何もしてねえよ!!ただ太い丸太を割っただけだよ!」
朝から疲れる。よく薪割りだけでこんなに卑猥な言い方ができると思う。
「とりあえず服着替えたいから出てけ…はぁ…」
大人しく出ていった。観念したようだ。タンスの中に入った服を取りだし着替える。某RPGに初期装備辺りで出てくる旅人の服感が否めない。着替えを終えた俺は寝室をあとにした。
「ご主人様…お料理が用意できています。」
…出てびっくりした。このエルフこんな家庭的な事までできるのか。
「本日の朝ごはんは…熱々エルフ汁とパンティーでございます。」
「熱々エルフ汁ってやめろよ!ただのお前が作ったスープじゃねえか!パンティーってパンとお茶じゃねえかよ!繋げんじゃねえよ!!!」
昨日だけが特別で無かったようだ。このエルフ、年中発情期らしい。
「私が作った汁…それではこの汁も入れますか?」
手に持つ怪しい小瓶。中にはピンクの液体が入っており飲んだら絶対にやばい気がするので全力でお断りする。
「いや。…このままで美味いと思うし。十分だぞ?」
素直に感想を口にして褒める。こう言われれば気を悪くする女子は居ないだろう。
「…ご主人様。そういうのはちゃんと段階を踏んでから…」
「誰も俺に毎朝味噌汁を作ってくれなんて言ってねえよ!!普通に美味いって言ったんだよ…」
最初は何を言ってるのか分からなかったが昨日の今日で慣れつつある。正直自分が怖い。
「…そうですか。ありがとうございます。」
普通に喜んでくれれば可愛く思えてくる。見た目はいいのだ。見た目は…
「そうだ…そのご主人様って言うのどうにかならないか?なんか、落ち着かないんだ。」
「それは…私が夜に御相手すればよろしいでしょうか。」
これである。これだから困るのだ。
「誰も下の息子が落ち着かねえとは言ってねえよ!!…呼ばれなれないからどうにかしてくれ。って言ってるんだ。」
「なるほど。そういう事ですか…では航平さんとお呼びします。」
それならいい。別に普通に受け付けられる。
「それでいい…そういえばお米はないのか?俺はパンより米の方が好きなんだ。」
「おめこはねえのか…?…ここにあるじゃないですか…恥ずかしい。」
自分の下半身を指さし頬を赤らめて話す。本気で言ってるんだろうか。
「誰も田舎っぽく言ってねえよ!!米だよ!ライスだよ!!」
「…なんですか。それならそうと早く言ってください。あいにくお米は今は無いので買いに行くしかないですね…」
時々本気で殴りたくなる。女子には手を出さない性分なのでそれは無理だが。
「じゃあご飯を食べたら出かけよう。いいだろう?」
「…わかりました。私も朝食を終え次第用意致します。」
…こうして異世界生活2日目が始まった。