新キャラの登場
とりあえず、これ以上中央広場にいると目立つので、カフェみたいな所を見つけて自己紹介をする。
そして、俺の自己紹介が終わった後
「次はボクだね。ボクはユール、職業はファイターだよ。スキルは片手剣術だけだよ」
「ちょっと待ってくれ。初期はスロットが4個あるのに、何で片手剣術しか取ってないんだよ!」
流石にそう突っ込みを入れると
「それは、どのスキルを選んだらいいか分からなくて、天の声さんから、これだけは取っておいた方いいと言われてこれだけ選ひました。もしかして、ボクはミスしたのですか?」
ユールはそう言って俯いたので
「すみません、情報はある程度知っているとはいえ、俺も初心者にだから言い過ぎました」
俺はそう言って、椅子から立って頭を下げると
「大丈夫ですよ。それよりもオススメのスキルを教えて貰えますか?」
「分かった。でも俺はマジシャンだからそこまで分からないぞ」
俺は座り直した後、こちらの職業を話す。
「でも、このゲームには詳しいと思ったのでお願いします。ちなみにボクがなりたいタイプは攻撃タイプです」
ユールの言葉を聞いて俺はスキルを組み立てる。
「攻撃タイプなら片手剣術以外にはSTRアップと体術、この2つはオススメだ。後1つはお任せだな」
そう話すとルーチェさんが
「STRアップは分かるけど、体術は何故入れるのよ」
「ルーチェ、質問はいいと思うけど、もう少し優しく行った方が……」
「大丈夫だぞ。そこまで言い方がキツく無かったら、別に好きに話してくれた方がいい」
そう言ってルーチェさんの質問に答える。
「ルーチェさんの質問に答えるよ。何故体術がいるかというと、武器を落としたり、壊れたりした時のサブで入れている人が多いからです」
「なる程ね、確かにそれは考えていなかったわ」
よかった、納得してくれて。俺は心の中でホッとする。
それはさておき、話を進める。
「あの、ユールさん。1個質問大丈夫か?」
「大丈夫ですけど、なんですか?」
「もしかして、ユールが男か女の事?」
ルーチェさんがストレートに聞いて来たので頷く。
「ボクは男ですよ。よく女の子に間違われますが……」
とりあえず性別が分かってよかった。
俺はユールを見ているとルーチェさんが
「ユールの性別よりアタシの事も気にしてよ」
「了解です。それでルーチェさんの職業は何ですか?」
「私の職業はクレリックよ。スキルは回復魔法だけよ」
……。やっぱりか!
予想はしていたけど、こうなるとは。
「なんか、顔の表情が死んで無いかしら?」
「気のせいだ。それよりもスキル構成はどうしたいんだ?」
俺は表情を何とか戻してそう聞く。
「それはアタシは回復メインの後衛ね。こう見えて運動神経はあんまりよく無いわ」
「なる程、それなら回復量アップ、魔力回復力アップがオススメです」
「でも、それなら攻撃が出来ないわよ」
ルーチェが短杖を振りながらそう話して来る。
「それなら短杖術もありですね。ですが、殆ど前に出ないので意味があまり無いと思いますが」
「それでも、攻撃スキルがあるだけいいわ」
そう言って二人はスキルを取った。
そして、スキルを試す為に外のフィールドに向かって歩き始める。
〈始まりの草原〉 適性レベル1〜3
始まりの草原には、まだ大勢のプレイヤーが居たが、昨日よりはかなり少ないので、モンスターも何体かフリーになっている。
「フェイクさん、これなら倒せそうですね」
「そうだな、でも油断は大敵だから気を付けろよ」
俺はユールにそう話すと
「分かってますよ、それよりもルーチェ、援護を頼みますよ」
「分かっているわ。フェイクも一緒に戦うの?」
「俺は最初は後ろで見ているよ。ピンチになったら介入するよ」
俺のレベル5だから、この辺のモンスターなら普通に倒せそうだ。
俺は下がって2人の戦いを観察する。
「ルーチェ、あのポヨポヨしたモンスターを狙います」
ユールが〈ジェル〉 レベル2 を見つけて攻撃を開始する。
まずは近づいて横から攻撃して、その後バックステップを踏んで回避して、相手の攻撃のスキを突いて上手く反撃している。
「あの、ユールさん。強くないですか?」
「そうか、フェイクには言ってなかったわ。ユールは現実で剣道をやっていて、その腕は全国レベルよ」
それは強いわ。これならスキルは要らないのでは
そう感じてしまって落ち込んでいると、〈ジェル〉は紫の煙になって消えた。
「おぉ、これが戦利品ですね」
ユールがコンソールに写っている戦利品を見ている。
「初勝利おめでとう、どうだった?」
「ジェルの動きは遅かったから、正直簡単に倒せました」
「そうよね。ユールなら簡単に勝てると思っていたわ」
ルーチェがユールに抱きついて、そう話しているので
「では、俺はそろそろ行くな。ここまで戦えたら何とかなると思うから。分からない事があったら、ネットにある程度載っているよ」
「ありがとう。そういえば、フレンド登録すれば離れていてもチャット出来ると聞いたいたけど、ボクも君とフレンド登録して大丈夫ですか?」
ユールが不安そうにこちらを見て来たので
「別に大丈夫だぞ」
俺はそう言って2人とフレンド登録した別れる。
そして、始まりの森林に向かい、入り口付近でレベル5のホーンラビットを10体以上倒して、夕方になったので街に戻って来た。
〈始まりの街 ビギニング〉
総合ギルドで、ホーンラビットの肉以外を、換金したら3500Sになったので宿に戻る。
「ハァ、1人でホーンラビットを相手にするのはしんどいな。それに詮索も無いから不意打ちにも弱いな」
俺は、今日の反省をしていると、18時半になったので一旦ログアウトする事にした。
〈リアル 黒霧家〉
俺は少し凹みながら、攻略サイトを見ていると、翔真から電話がかかって来る。
『悠斗、今日は散々だったよ』
「何があったんだ?」
俺は疲れた感じの翔真の声を聞きながら答える。
『今日は回避の訓練をしていたんだけど、モンスターに囲まれてボコボコにされたよ。でも、何とかデスペナは避けた。けど、レベル1回復ポーションが残り2本しか残らなかったよ』
「なる程な。でも、こちらも疲れた」
俺は翔真に、今日の事を伝えると
『なる程、悠斗も酷い目ににあっているね』
「それだけじゃ無いぞ。明日から学校だから、今日は早めに寝ないといけないぞ」
『うぐっ、そうだね。でも、宿題は金曜日にやったから何とかなるよ』
なんか、日曜日の夜は辛いな。
俺達はその事で話していると、母さんから夜ご飯と呼ばれたので電話を切る。
そして、1階に降りると父さんがソファーに座ってテレビを見ていて、母さんが料理の仕上げをしていた。
「悠斗、咲良を呼んで来てくれるかしら? あの子ワタシが呼んでも来ないのだけど」
「分かった」
俺はそう言って咲良を呼びに行く為に2階に上がる。
そして、部屋をノックして
「咲良、夜ご飯だってさ」
「兄ちゃん!? ちょっと待って」
何か部屋の中でドタバタなっているので
「とりあえず、声はかけたから降りて来てよ」
まぁ、何かありそうだけどスルーするか
そして数分後、少し怒ったような雰囲気の咲良を見ながら、俺はゆっくり夜ご飯を食べる。
その後、風呂と歯磨きをして部屋に戻り、スマホを見ていると22時半になったので、今日は早めに寝る事にした。