調理開始
私が聞いている小説、回復魔法使いが500ポイント突破したので、参謀魔法使いを更新します。
部屋に戻って充電中のスマホを見ると、LINEが来ていたのでロックを解除して見ると、翔真と翼からだった。
なので、LINEを開いて2人の内容を見ると、翔真は回避術を鍛える為の練習を、翼は工房に行くと書いていたので
「今日は別行動だな。とりあえず、俺は食材を買って料理の練習をするか」
俺はVRゴーグルをかけて
「リンク・ザ・イン」
そう言ってFTCの世界に入る。
〈始まりの街 ビギニング〉
俺は宿から出て市場を見ていると、ランクは1しかないが良さそうな食材があった。
俺はコンソールを開いてお金を確認すると、約6000Sあったので
お米 ランク1 10キロ300S
塩 ランク1 5キロ100S
なので、お米を20キロと塩を5キロ買って他にも玉ねぎと牛乳と卵、塩以外の調味料を買ったら残り残金が1500Sちょっとしか無くなったので、マズイなと思った。
ちなみに昨日売らなかった、ホーンラビットの肉が5個残っているのでお肉は買わなかった。
そのあと、調理出来る場所である、総合ギルドの調理場エリアに向かう。
「しかし、今日も人が多いな。それで調理場を借りるのには確か、担当の人に言えばいいんだよな」
俺はそう思い担当の場所を探していると、入り口から左奥に生産エリアと書いていたので、そこの受付の人に聞いてみる事にする。
「あの、すみません。調理場を借りたいのですが、ここで合っていますか?」
「はい、調理場もございますよ。ただし調理場は部屋代1日500Sを先払いでいただきますが大丈夫ですか?」
俺はコンソールを開いてお金がある事を確認して、担当の人に500Sを支払い中に入る。
そして、案内されたのは1人部屋くらいの広さで、魔石が嵌め込まれていたが普通のキッキンだった。
ここも、昨日ネットで調べていたので使い方はわかっている。
なので
「すみません、案内ありがとうございました」
「いえいえ、また何かありましたら、お声をおかけください」
そう言って担当の方は外に行った。
「さて、まずは米を研ぐか」
まず一升炊きの炊飯器の釜を取って一升(1.5キロ)を中に入れる。
「しかし、米の感触もリアルに近いから結構やりやすいな」
水を入れて米を研いで、水を捨てる作業を何回か繰り返して、良さそうになったので炊飯器に入れてボタンを押す。
「炊き上がるまでに1時間かかるのか、その間に他の料理を作るか」
まずは、玉ねぎをみじん切りにしてボウルに入れてレンジの中に入れる。(時間は5分)
次に俺は乾パンを1つ取り出して棒で粉々にして、パン粉を作りボウルに入れる。
その次にストレージの中からホーンラビットの肉(約3キロ)を1つ取り出して包丁でミンチ状にする。
そのあと、レンジから玉ねぎの入ったボウルを取り出してミンチ肉と合わせて塩を入れて、粘りが出るまでかき混ぜる。
その後、混ざった所に卵とパン粉調味料などを追加して素早く混ぜる。
混ぜ終わったら、手のひらの大きさよりも少し小さめのハンバーグの形を作り、何回か叩きながら空気を抜いて、楕円型にまとめて真ん中をくぼませる。
そして、熱したフライパンにハンバーグのタネを乗せて両面が軽く焦げ目がつくまで焼いて、少し水を加えて蓋をして蒸し焼きにする。
最後に、串を刺して肉汁が透明になっていれば、蓋を外して水分を飛ばしてハンバーグを取り出して完成。
俺はハンバーグを作る工程を何回か繰り返して、31個を作成した。
〈ホーンラビット肉のハンバーグ〉
レア度1 クオリティ4
クオリティは1〜5で数字が高い方がいい。
「ふぅ、なんとか完成したな。そういえば、米の方も炊けていたな。おにぎりを作るか」
そう言って、まずは炊飯器を開けて炊き立てのご飯(約3.5キロ)を混ぜて、ボウルに入れた水で手を冷やして、塩をつけた後、ご飯を適量を手の上に乗せて握る。
そして、用意して置いた大皿に乗せるのを、繰り返したら、22個完成した。
〈白米の塩おにぎり〉
レア度1 クオリティ3.5
「よし、完成した。でも味見とかはしてなかったから、少し不安だな。ちょうど満腹度が落ちていたからハンバーグ1個とおにぎり2個を食べるか」
そう思ってストレージに入れていたハンバーグと、さっき作ったおにぎりを取り出して皿に乗せる。
「さて、まずはハンバーグからだ」
そう思って箸で切って食べて見ると、思わず立ち上がってしまった!
「なんだこれ、リアルのハンバーグよりも美味しく感じるぞ」
俺は口に入っているハンバーグを噛み締めて飲み込み、次に塩おにぎりを口に入れる。
「美味い! 米の1粒に食感があって歯応えもしっかりある」
そして、いつの間にか塩おにぎりが1個無くなっていた。
「マズイな。正直、リアル並みに美味しいぞ」
そう思い、残ったハンバーグとおにぎり1個を平らげるのであった。
そして、12時過ぎになったので、一旦ログアウトしてリアルで昼ごはんを食べた後、もう一度ログインして、担当の人に終了した事を伝えて、総合ギルドから出る。
そして、プレイヤーが最初に召喚されたり、死に戻り(リスポン)する、中央広場に到着した。
すると、壁の所にへたり込んでいる少女? 2人組を見つけた。
他の人は2人組を見てもスルーしているので
仕方ない、何でへたり込んでいるか聞いてみるか。
そう思って近づくと
「ぐうぅ」
へっ?
「お腹すいた……」
赤髪の中性的な少女がそう言った。
なる程、この2人は満腹度が0に近いのか。
そう考えて、塩おにぎりを2つストレージから取り出すと
「ゴグリ」
先ほどの少女と相方ぽいクリーム色のロングの少女が俺を、特に塩おにぎりをガン見してくる。
いやいや、流石ならこの状況はどうすればいいんだ?
俺は軽くパニックになりながらそう思っていると
「あの、ボク達にそのおにぎりを恵んでくれませんか? 正直全く動けないのです」
……。 完璧にコレ(塩おにぎり)に惹かれているな。
俺は2人に塩おにぎりを1個ずつ渡すと
「ハムハムハムハム」
と勢いよく食べ始めた。
「もう、何も言えない……」
2人を見ていると塩おにぎりをすぐに完食され
「「おかわり!」」
と言われた。
「あのな、お腹が減っているなら、街の料理店に行けば良くないか?」
「「断る(わ)」」
……。 俺はその言葉に頭を抱えたくなった。
その後、地面にシートを敷いて、お皿に乗せたハンバーグ6個と塩おにぎり10個を取り出して2人に振る舞うと
「美味しい! これならお店も出せそうですよ」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、周りを見てくれるか?」
俺は、周りの食べたそうな視線を受けながら話す。
少しして、ハンバーグと塩おにぎりが綺麗になくなり、2人は満足そうにしている。
「ご馳走様でした、美味しかったわよ」
クリーム色でロングの少女が口を開いて来る。
俺は今すぐに皿を回収して、この場を離れたいと思っているが
「ねぇ、ボク達の専属料理人ならない?」
「それはいいわね。彼の料理はかなり美味しかったから、その案決定よ」
「いやいや、流石におかしいわ! それに俺にはパーティーメンバーがいるから無理だ!」
俺は少しイライラしたので、勢いよく立ち上がった。
すると
「ご、ごめんなさい。勝手に決めてしまって」
「ボクもごめん」
と謝って来たので
「ハァ、とりあえず俺は専属料理人にはならないからな。それじゃあ、またご縁があれはよろしくお願いします」
俺はそう言って離れようとした時
「「ちょっと待って」」
と2人に手を掴まれた。
俺はキレそうになりながら振り向くと
「あの、わたし達は初心者で、どうすればいいのか分からないの。出来ればレクチャーして欲しいのだけどいいかしら?」
「断る。それに1番弱いフィールドの〈始まりの草原〉は、今はプレイヤーが大勢いるから無理だぞ」
なんか、疲れて来た。
それにハラスメントの注意が出てるのに2人とも気にしてないのか?
それ程にまで初心者か。
……、仕方ない、少しだけ何とかするか
「ハァ、わかった」
「「やった!!」」
2人が手を話したあと、俺は敬語も忘れ素で喋っていた事を思い出す。
「すみません、思いっきりタメ口で喋ってました」
と伝えると
「別にいいですよ。ボク達が完璧に迷惑をかけていましたから」
そう言って貰えたので、ホッとした。
そして、この2人、(ユールとルーチェ)の初めて出会いだった。