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ムーンブラックシリーズ

 ユニークボスとの戦いが終わり、俺達は座り込んでいると


「フェイク、ウイング、ユニークボスの経験値と戦利品凄いよ!」


「そうだな。レベルも1つ上がってレベル5になったし、俺はラストアタックボーナスも貰ったからな」

 

 ラストアタックボーナスとは、ボスに止めを刺したプレイヤーのみ、個別のレア装備またはアイテムが手に入る事である。


「いいな。でも私もレア装備が落ちたよ」


 ウイングがそう言ってコンソールを弄って、さっきまで使っていたファーストシールドから黒い盾に変わった。


「この盾の名前はムーンブラックシールドよ。それと今まで使っていた盾とは桁違いの性能になっているわよ」


 そう聞いたので見せて貰うと


 ムーンブラックシールド 分類 通常盾 レア度2

 (VIT20. MMD20)   装備レベル 5以上


 ……。 はっ、何この性能? ちなみにファーストシールドは


 ファーストシールド 分類 通常盾 レア度1

 (VIT3. MMD2)  装備レベル 1以上


 である。


 いやいや、今までの装備の十倍近いぞ!?


 そう考えているとチェインの方も


「僕もムーンブラックダガーを手に入ったよ。ちなみに性能はこんな感じだよ」


 と見せて来る。


 ムーンブラックダガー 分類 短剣 レア度2

 (STR20.DEX20)  装備レベル5


 もう何も言わない。


 そう思って俺も何かないかと見ていると


「エクリプスブレスレット? なんだこれ」


 とよくわからないも物が、ストレージにの中に写し出されていた。


 エクリプスブレスレット 分類 アクセサリー

 レア度? (?)  装備レベル50


 これラストアタックボーナスだよな。


 そう思って2人に見せると


「フェイク、僕の鑑定スキルにも何も出てこないよ。これはかなりの曰く付きのような気がするよ」


「なる程、俺もその可能性を考えていた。でも、このゲームを初めて一日でこうなるとは、思ってもいなかったぞ」


「そうね。私達は運がいいのか悪いのか分からないわね」


 ウイングがそう言って俺もチェインが頷く


「フェイク、他には何かレアは落ちたの?」


「一応、ムーンブラックソードが落ちたけど、俺はファイターではないから使い道が無いけどな」


 俺はそう言って乾パンを食べて満腹度を回復させる。


 チェインとウイングも食べているが


「乾パン、正直味気ないね。レベル5になってスキルスロットも1つ解放されたから料理のスキルを取ろうかな。でも回避術も欲しいな」


「なら、俺が料理を取るからチェインは回避術を取ったら?」


「フェイクは、火魔法か土魔法を取らなくていいのかしら?」


 ウイングがそう言ってこちらを見て来るが


「別に魔法の事で困ってはいないから大丈夫だぞ。それよりも美味しいご飯は食べたくないか?」


「「食べたい」」


「だろ、それなら俺が1番適任かなと思ったんだよ」


「なる程ね、それなら納得するわ。ちなみに私は武器作成術を取って、みんなの武器を作ろうかなと考えているわ」

 

 ウイングがそう話して来たので


「それはありがたい。でも、今回は生産系のスキルで固まったな」


「そうね。あと、今回手に入った素材は売らない方がいいかもしれないわね」


「それは僕も思っていた。売ったら確実に目立つよ」


 それは、ユニークボスであるムーンソウルラビットはかなりの強敵で、その素材や装備は今現在のこのゲームの中でトップクラスだと思うから、この狩場に大勢の人が来るのが目に見える。


「ならとりあえず僕達が使う方向でいいね。それはともかくそろそろ街に帰ろうよ、流石に22時半だよ」


「そうだな、それじゃあ帰るか」


「そうね。でも明日はどうするの?」


「それは街に帰ってから相談しよう」


 そう話して俺達は街に向かって歩き始める。


 〈始まりの街 ビギニング〉


 とりあえず、ホーンラビットの素材を売って、生産に使う為の物を俺とウイングは買った。


「なんとかギリギリ買えたのは良かったけど、盾の事で色々聞かれたのはしんどかったわ」


「ウイング、それはムーンブラックシールドを装備しているのも悪いと思うよ」


「そうよね、失敗したわ」


「まぁ、仕方ないだろ。それよりも今日はログアウトした方が良さそうだな。流石にそろそろ寝ないと明日に響くからな」


「そうだね。でも、僕達はフレンド登録まだだったよね。今のうちにしておこうよ」


 チェインがフレンド登録の事を言って来たので、俺達は登録した後、一旦ログアウトする為に宿屋に入った。


 〈リアル 黒霧家〉


 俺はVRゴーグルを取って机に置くとスマホを起動して攻略情報を見る。


「やはり、始まりの草原の情報は出ているけど森林の情報はないな。それに草原のエリアボスに負けた情報もあるな。そう考えると、俺達はよく勝てたな」 


 運と相手が遠距離攻撃が無かったのが大きかったな。 


 始まりの草原のエリアボスは〈UB、パープルスタージェル〉 レベル3 の情報が載っていた。


 でも、次のプレイヤーがエリアボスフィールドに入ったら 〈NB、ブルーライトジェル〉 レベル3 になっていてそこで負けて他のプレイヤーが入ってもNBだったと書かれていた。


「これってもしかして、最初にボスフィールドに入ったプレイヤーだけがUBで、次の人からはNBになるのか?」


 ユニークボス(UB)とネームドボス(NB)の出現条件を調べていると、次の日になったので寝ることにする。


 そして、次の日の日曜日の朝8時


「おはよう、って誰も起きてないのか」


 俺は身支度をして1階のリビングに降りて来だけど誰も居なかった。


「父さんも母さんも流石に疲れているから、今日はゆっくり寝ているんだな。とりあえず、キッチンに置いてある食パンと冷蔵庫の物で何か作るか」


 俺はまずポットに水を入れてスイッチを押して、次に冷蔵庫からベーコンと卵を出して油を敷いて熱したフライパンに入れる。


 そして、少し塩をかけて焼いていると食パンをオーブン・トースターに入れるのを忘れていたので急いで入れる。


 それから数分後、こんがり焼けた食パンとベーコンエッグに粉末のコーン・スープを作ってテーブルに持って行って俺も椅子に座り


「いただきます」


 と言って食べ始めようとすると


「それいただき!」

 

 横取りしてくる輩がいるので


「自分で作れ!」


 俺は容赦なくはたき落とし、横取りしようとして来た相手を見る。


「えーいいじゃん、可愛い妹の為に朝ご飯を譲ろうとする気は無いの?」


 咲良はロングヘアーの髪を左右に揺らして喋って来たので


「全く無いな、食べたければ自分で作れば良くないか?」


「私が作ったら焦げて苦い所しかなくなるから、兄ちゃんに作って欲しいよ」


 前に、母の代わりに夜ご飯を作ると言って、作ったのが焦げた物しかなかったのを思い出す。


 このままではキッキンを片付けるのは大変な事になるかも知れないので


「ハァ、わかった。俺はまだ口をつけて無いから食べていいぞ」


「やった! 兄ちゃんありがとう」


 と言って来るので


「まぁ、お前が焦がした物の対処する時間を考えたらこっちの方がいいと思っただけだ」

 

 俺はそう言って椅子から立ってもう一度朝ご飯を作り直す事にする。


 それから15分後、俺は朝ご飯を作り直し椅子に座って食べていると、食べ終わってインスタントコーヒーを飲んでいる咲良が


「そういえば兄ちゃん、始まりの草原のエリアボスの事知ってる?」

 

「それは知っているぞ。確か2回目以降ボスが変更される奴だろ」


「うん。私もボスエリアの所まで行ったのだけど人が多くて見れなかったよ」


 そうか。でも、俺達が戦ったムーンソウルラビットよりもレベルが低いから倒せそうなのだけど違うのか……。


 そう考えていると


「エリアボスはかなり強いみたいだから、キチンと準備をしていかないとすぐに負けるからね」


 とコーヒーが入っているマグカップを置いて、スマホを触りながらそう話してくる。


「そうなのか? 確かエリアボス戦は1チームで6人までが参加出来たんだよな」

 

「攻略情報ではそう書いているね。でも、今も攻略サイトを見ているけど、ブルーライトジェルを倒した人はいないね」


「そうか、とりあえず情報ありがとう。食器はシンクに置いておくから洗い物頼むな」


「わかった、兄ちゃん」


 俺はシンクに食べ終わった食器を持って行って自分の部屋に戻る。

 明日から夕方頃に投稿します。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 攻略情報があまり出回ってないあたり、うまくやれればどこでも一番乗り出来そうで、たのしいですね。
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