ホーンラビットの素材売却
それから数時間後、昼休憩などで一旦ログアウトしたりしたながら、ホーンラビットをかなりの数を倒したのでレベル3に上がった。
「やっぱりこのエリアはモンスターが強い分、経験値が稼ぎやすいね」
「それは、格下ボーナスがあるからだろ」
格下ボーナス、こちらのレベルが相手よりも低い時に倒すと、その分経験値が多くなる。
ちなみに、こちらのレベルが相手よりも高い場合は、逆に貰える経験値が減る。
二人にもその事を説明すると
「確かに、攻略サイトでもそんな事を書いていたね」
「そうなのね。でも、私はそこまで気にして無かったから、その辺は知らなかったわよ」
「まぁ、その辺は人それぞれだからな。それよりもそろそろ街に帰らないか? ホーンラビットを30体近く相手したからポーションの残りがあんまりないのと、装備もボロボロだからな」
俺は武器を見て話すと、二人も頷いたので街に向かって歩く事にする。
「フェイク、もし帰る時にモンスターに遭遇したらどうする?」
「とりあえず、戦闘は最低限で頼む。このままだと武器をロストする事になるからな」
ロストは武器の耐久値が0になって壊れる事を指す。
「なら、僕の詮索が生きる時だね。出来る限り、避けて行くね」
「チェイン、初見殺しとかありそうだから気をつけてよ」
「分かっているよ。それよりも戦利品を売ったお金の分け方はどうする?」
「それは、基本は山分けで良くないか。」
「そうね。それとレアは引いた本人の物でいいわね」
俺の言葉にウイングがそう答える。
「わかったよ。はぁ、このホーンラビットの素材×32匹分はどれくらいの額で売れるのかな」
「しまったな、ホーンラビットの素材売値は調べてなかったな」
「別にいいと思うわよ。それに、最初にこのフィールドに向かうとは私も予想出来なかったわよ」
まさか、あれだけ始まりの草原に人がいるとは思わなかったからな。
そして、そう話しつつ街に向かった。
〈始まりの街、ビギニング〉
町の門をくぐって俺達は、素材買い取りをしてくれる総合ギルドに向かい始める。
「確か木造で出来ていて、剣がクロスして後ろに盾がある旗の場所だったわよね」
「確か、攻略サイトにもそう書いてあったよ」
俺達は総合ギルドを目指して歩いていると、ウイングが言った通りの大きな建物が目の前に写った。
「ここであっているか?」
「あっているよ。マップでも始まりの街ビギニング・総合ギルド前と書いてあるからね」
「まぁ、とりあえず入ってみましょうよ」
ウイングがそう言ってドアを開けると、そこには俺達が今装備しているファーストシリーズを着ている人達がかなりの人数いた。
「フェイク、どうする? この人数だとかなり並ばないといけないよ」
「それは大丈夫だろ。受付は女性職員の方の列がかなり長いけど、男性職員の方はあまり並んでいないからそこに行こう」
「わかったわ。じゃあ、あそこのオッサンの所に向かうのが良さそうね」
「僕は美人の受付の所に行きたい気持ちもあるけど、あの例を並ぶのは嫌だから我慢するよ」
そう言って俺達はオッサンが受付している列の場所に並ぶ。
それから5分後、俺達の番になったので
「初めての顔だな。お前ら、素材の買取でいいのか?」
「はい、大丈夫です」
俺達三人はストレージを開いてレアを除くホーンラビットの素材を渡す。
「なる程、ホーンラビットの魔石が32個、ホーンラビットの角が20本、ホーンラビットの毛皮が12枚、ホーンラビットの肉が同じく12個であっているか」
「あっているので大丈夫ですよ」
「わかった。それなら換金してくるぜ」
そう言ってオッサンが換金しに行って数分後
「それじゃあ、今回の内訳を話すぜ。魔石が1個100Sで32個だから3200S、ホーンラビットの角が1個120Sで20個だから2400S、ホーンラビットの毛皮が1枚160Sで12枚だから1920S、ホーンラビットの肉が1個180Sで12個だから2160Sだな。合計で9680Sだ」
そう言われてお金が入った小袋を渡され、俺は3200S、残りの二人は3280Sずつ分けた。
「フェイク、確かにこうすればいいけど、君の報酬が少なくなるよ」
「大丈夫だ、それよりもここからが本番だ」
俺はストレージの中から、ホーンラビットから手に入ったレア素材をオッサンに渡す。
「まだあるのか、レベル1魔水晶が一個とホーンラビットの眼が5個か、お前かなり運がいいな。とりあえず換金してくるな」
「わかりました。少し待っていますね」
「次、私もホーンラビットの眼を3個売りたいです」
「僕も彼女と同じ数です」
「わかった。少し待ってろ」
オッサンは少しぶっきらぼうにそう言いながら換金しに行った。
そして、少しして
「待たせたな。とりあえずレベル1魔水晶は1個10000S
が1個で10000Sだ。ホーンラビットの眼は1個500Sが5個で2500Sだ。合計12500Sだ」
……、はっ?
いやいや魔水晶高すぎでしょ!
俺はオッサンからお金を受け取って二人を見ると、固まっていたので
「とりあえず、お前らの番だぞ」
と話すと
「「わかった(わ)」」
そう言って二人もホーンラビットの眼を換金して1500Sを手に入れた。
今回の稼ぎ
フェイク、15700S
チェインとウイング、4780S
ヤバイ、魔水晶だけでここまで差が着くとは。
「なぁ、二人とも。今回俺が一番稼いだから装備の修理代は俺が出すよ。それとポーションも大量に買い込もうと思っているよ」
「えっいいの!」
「でも、フェイクが稼いだお金だからフェイクが使えばいいと思うけど」
「あのな、俺だけいい思い出してもお前らは面白くないだろ。それよりは3人で楽しめる方がいいと思うが」
俺は二人にそう話すと
「ならそのお言葉に甘えるわ」
「そうだね。それよりもこんな暗い雰囲気は嫌だから話を変えようよ」
「お前ら、ここは受付なんだぞ! 話すなら他の所にいけ!」
「「「すみませんでした!」」」
俺達はオッサンの迫力に負けてその場から離れる。
そして、総合ギルドから出て俺達はまず武器屋に向かって修理と予備の装備であるウッドシリーズ系、一個500Sを俺は長杖、チェインは短剣、ウイングは片手剣と盾をそれぞれ購入した。
修理には時間がかかるらしいので、俺達はその間雑貨屋にポーションを買いに行った。
雑貨に行くと回復ポーションも魔力ポーションも100Sだったので俺は50本ずつ買って、チェインは回復を30本と魔力を20本買って、ウイングは回復を30本と魔力を15本買った。
「別に、今回はたまたまレア素材が高く売れたからな。それよりも修理している武器を貰いに行こう」
「そうだね。それに、今18時すぎだから一回ログアウトした方が良さそうだね」
確かに、そろそろ一回ログアウトした方が良さそうだな。
そう思った俺達は武器を回収して、宿に入ってチェックインして20時半にまた会おうと話して一回ログアウトする。
そして、俺はリアルの世界に戻って来た。