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ムーンブラックソード

 俺が言った条件は簡単だが、ある意味難しいと言える。

 

「フェイク、なんでこの条件にしたのよ」


 ウイングが俺の方を見ながら話してくる。


「それは後で説明するから、待っていてくれるか?」


「分かったわ」


 そう言って、4人を納得させた後、相手パーティーである〈剛魔の牙〉職業ファイターのホーク、〈天女の集い〉職業ナイトのスワン、と本格的な話し合いを始める。


「それで、そちらはこの条件を飲んで情報を聞きますか? それとも飲まず情報を聞かないですか? ちなみに情報の前払いでこちらを見せます」


 俺は交渉モードの敬語になり、ストレージからムーンブラックソードを取り出して、相手に見せる。


「こ、これは! (STR20.DEX15.AGI5)だど!?」


「何ですって!? わたしにも見せなさい」


 そう言って、2人が取り合っているので、ムーンブラックソードを一旦ストレージにしまう。


「最初の情報を見せました。さて、どうしますか?」


「少し考えさせてくれ」「わたしも同じく」


 そう言って2人は自分のパーティーの元に向かったので、俺も自分のパーティーの元に向かう。


「フェイクさん。最初の掴みは上手くいったみたいですね。でも、ボク達はどうすればいいのですか?」


「とりあえず、他の人達が怪しい行動をして無いか、見張って欲しい」


「了解。あと、この中で交渉はフェイクが1番上手いと思うから任せるけど、あまり喋りすぎないようにね」


「分かっている」

  

 俺はそう言って、相手の2パーティの方を見ると、話し合いが終わったらしく、ホークさんとスワンさんが近づいて来たので、俺もそちらに行く。


 そして、中心にリーダー2人と、俺との話し合いが始まる。


「さて、まずは私の条件を飲んでくれますか?」


「いいだろ、飲んでやる」「わたしも飲むわ」


 ホークさんとスワンさんがそう言ったので、


「それでは、何を知りたいですか? 先に言っておきますが、始まりの草原のボスの事や、モンスターから得られる経験値や戦利品の分配の仕組みは知っていますよ」


 まず、始まりの草原のネームドボス〈ブルーライトジェル〉の事はネットで書いてある。


 次に、経験値のパーティでの分け方もネットで、例えば10の経験値を持つモンスターを5人で倒したら5当分されて、全員に2の経験値が入ると書いていた。(レベル差ボーナスはある)


 そして、戦利品も同じく、5人パーティが一体のモンスターを倒したら、ランダムで振り分けられる。


 ちなみに、1人の場合は丸々貰えるが、その分苦戦するので、結局はそこまで変わらないらしい。


 それはさておき


「1つ聞く、お前らはこの数日間は何をしていた。恐らくレベル3のオレ達よりレベルが高いよな」


「確かに、自分のパーティのレベル平均は4ですね」


 まぁ、あと少しで俺とチェインとウイングはレベル6になるけどな。


 それで、どういった反応をするか見ていると、2人は少し悩んでいた後、いきなり


「ねぇ、わたし達と手を組まない?」


 はっ……?


 何言っているんだこの人は? そう考えていると


「ちょっと待て! 俺達が先に出会ったから、こっちが先だろ」

  

 いや、俺はあんた達と手を組んでも、メリットよりデメリットの方が多いような気がするが


 なので


「自分達は貴方達と手を組む気は全く無いです」


 と伝えると


「「なんでだ(よ)」」


 と大声で言われる。


「あの、普通に考えて、情報は攻略サイトで手に入る。狩場も何とかなる。それで、〔貸し〕を作るとはいえ、貴方達に利用される筋合いはないです。それに、自分達よりも優秀なプレイヤーを育てたり、見つけたりした方が良いですよ」


[流石に、こう言えば何とかなるだろ]、自分には、そう考えている時がありました。


 でも、現実は


「まず、お前らがここまで来れると言う事はかなり優秀だろ。それに、優秀な人材をスカウトしろと言ったのはお前だぞ」


「いや、自分達以外と言いましたよね! こちらは誰かの下に入る気はないです。それに、自由に楽しみたいので、ガチパーティーはご遠慮します」


 普通に考えて、面倒な事になるだろ。


 というか、交渉が全然進まないのだが


 流石に帰りたくなったので


「流石に時間がマズイので帰りますね」


「待て」「待ちなさい」


 と2人に言われたが


「時間切れです。正直これ以上付き合ってられないので、言い合いは勝手にしてください」


 俺はそう言って離れて仲間の方に向かう。


「フェイク、最初からそう言った方が良かったんじゃないかな」


 チェインが声を掛けて来たので


「それはそうなんだが、ああでも言わなかったら、ここから離れられなかったぞ」


 俺は、また喧嘩している〈剛魔の牙〉と〈天女の集い〉を見て話す。


「そうですね。ボク達が無事に帰れるだけでも、良いですよね」


「確かに、あれは嫌だな。アタシなら殴っているかもしれない」


 ルーチェがそう言ったのを聞いて、ウイングがある事を言う。


「貴女に1つ質問なんだけど、なんでクレリックを選んだのよ」


 俺達は安全地帯を出て街に帰る途中、ルーチェの職業の事で議論した後、夜も遅くなって来たのでログアウトした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] フェイクが交渉役全面的に買って出るので話が早くていいが、よく考えたらプレイヤーの大半が駆け出しなわけで、交渉材料を持ってる相手を探す方が難しいという具合なんだなあ。
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