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プロローグ

 俺はある日、スマホを見ていると新作のゲームの宣伝が映った。


 いつもの携帯のアプリゲームかと思っていたが、それは全く違った。


 その内容は〈完全新作のVR装置と新作ゲーム〉だった。


 俺は一目その宣伝を見てソファーから勢いよく立ちあがってある事を思った。


「これ欲しい!」


 そう思って続きを見ているとゴーグルタイプのフルダイブ装置と、ファンタジーオンラインゲームのフリーダムテイクオンライン通称FTCのソフトの値段が書かれていた。


「フルセットで約10万円か、お年玉やお小遣いを貯めていたから何とか買えそうか?」


 俺は宣伝を見ている時に、預金通帳の額を思い出すが


「足りない、とりあえず何とか頑張って貯金するか!」


 ただ、発売が1年後なのだが、インターネット予約は明日からだったので、すぐに親に許可を取りに行く。


 それで、もしお金が足りない場合は、お小遣いの前借りをするか高校生になったらバイトをしようと思う。


 そして、ベーターテスターにも応募したが、当選しなかったので攻略サイトなどで情報を集めていた。


 それから半年後、昼食代をケチったり、必死にお金を貯めて、ついに俺の元にVRゲーム一式が届いた時からストーリーは始まる。


 〈中高一貫校、月宮学園〉 4月中旬の金曜日


 高等部にエスカレーター式に入学した、俺こと黒霧悠斗くろぎりゆうとは朝のHR前の時間、静かに自分の席でスマホをいじっていた。


 すると


「悠斗おはよう。ついに明日だね、VRゲームのサービス開始日。僕は今からでもしたいよ」


 俺の数少ない友人である、北山翔真がノリノリで声をかけて来た。


「翔真、そんなに焦ってもすぐには出来ないぞ。それに、職業やスキルの設定とかは考えているのか?」


 俺はスマホでFTCの攻略サイトを見せる。


 その中の職業欄を開く。


 ちなみに職業は、盾職のナイト、前衛攻撃職のファイター、遊撃のシーフ、後衛攻撃職のマジシャン、後衛回復職のクレリックの5種類だ。

 

 俺達はそれを見ながら話す。


「それは大体決まっているよ。僕のキャラネームはチェインで職業はシーフ、スキルはまだ考え中だね。見た目はそこまで変えないと思うよ」


 翔真はフツメンで眼鏡をかけているので、あまり目立たない存在だ。


「でも、悠斗がその話をクラスの中でするのは珍しいね。僕や翼がオタトークに巻き込んでもあまり喋らないのに」


「俺は目立たず静かに暮らしたいんだ。オタトークとかしたら変に目を付けられそうだからな」


 俺は自分の容姿を見てそう話す。


「確かに悠斗はイケメンだからね。普通にオタクのイケメンもいると思うよ」


「翔真、いつも言っているが俺はフツメンだぞ」


「いやいや、カッコいいと思うよ。でもこの話をすると長くなりそうだから、次は君のキャラ構成を聞いていいかい?」


 翔真がそう言って来た時、俺の後ろの席に鞄を置く音がした。

 

「悠斗、翔真おはよう! それで何話していたの?」


 そう声をかけて来たのは、ショートカットで活発な女子の如月翼だ。


 ちなみに俺の一人少ない友人の一人だ。


「翼、おはよう。僕と悠斗は今はFTCのことを話していたよ」


「へぇー、翔真はともかく悠斗がクラスの中で話すなんてね。まぁ、そこは置いておく事にして、二人はどんなキャラ構成にしたの?」


 翼の言葉に翔真は、先ほど俺が聞いたビルドを説明した。


「なる程、翔真はシーフなのね」


「そうだよ。それで次に悠斗のキャラ構成を聞こうとした時に、翼が来たんだよ」


「そうなんだ、私も今日もう少し早く来ていたら良かったな」


 翼がそう言って唸っているが


「まぁ、それは置いておいて次は俺の番だな。俺のキャラネームはフェイクで職業はマジシャンだ。スキルと見た目の方はまだ決まってないな」


 俺は二人にそう話した時に、ふと視線を感じたがスルーした。


「なる程、悠斗は頭の回転が早いから参謀タイプだね」


「私達が他のゲームをしている時でも、指示を出すのは上手いから、ぴったりだと思うわよ」


「俺は大体こんな感じだ。最後に翼のキャラ構成を聞いてもいいか?」


 俺がそう言って翔真も翼の方を見る。


「分かったわ。私のキャラネームはウイングで職業はナイトよ。私も二人と同じく見た目とスキルは決まってないわよ」


「やっぱりそうだよね。でも僕の予想だと、ファイターを選ぶと思っていたのだけどちかうの?」


「正直、俺もファイターを選ぶと思っていた」


 俺達は正直にそう答えると翼は


「私は大きな盾を持って仲間を守るのが、カッコいいと思ったからナイトを選んだのよ」


 と言って俺の方向を見てくる。


「なる程ね。でも、これでパーティーバランスはいいね」


 翔真がそう言った後、チャイムが鳴り担任の先生がクラスに入ってくる。


 その後、今日も長い授業を受けて俺達は部活に入っていないので、一旦解散して家に帰った。


 そして、次の日の朝10時。


 ついにフリーダムテイククロニクルのサービスが開始された。


 俺はゴーグルタイプのVR装置を掛けて、ベッドに仰向けになって、ログインする為の掛け声を言う。


「リンク・ザ・イン!」


 その一言で俺の目の前が真っ白になった。


 そして、俺は真っ白な空間の中にいて、何処からか女性ぽい機械音声が聞こえて来た。


『プレイヤーのログインを感知しました。これからキャラのカスタマイズをお願いします』


 その言葉の後、俺の目の前に大きな鏡が現れた。


 俺はまず髪色を青色にして、目つきを少し鋭くした。


 身長と体重の方は現実と変わらない170センチ、56キロと入力した。


 そして、俺が思っていたキャラになったので、コンソールを開いて終了と押す。


『次にキャラネームと職業を決めてください』


「キャラネームはフェイク、職業はマジシャンと」


 俺はそう入力する。


『ステータスは自動振り分けになっております』


 と言われてステータスを開くと


 ネーム・フェイク

 職業・マジシャン


 レベル1   経験値0  カルマ0 満腹度100


 HP300/300   MP200/200


 STR(筋力)5

 DEX(器用さ)10

 VIT(耐久力)10

 INT(知力)30

 MMD(精神力)20

 AGI(俊敏力)25

 LUK(運)52


 スキル なし


「なる程、運以外の5個のステータスの合計は100なのは情報通りだな。でも運が高く感じるのはきのせいか?」


『いえ、運は基本20〜30位が平均なので、かなり高いですね』


 これは幸先いいな。

 でも、その分何かありそうで怖いな。


『それでは、スキルの選択をお願いします。フェイク様はマジシャンを選んでおられるので魔法系がメインですね。サブに生産系やサポート系のスキルを入れるのもオススメです』


 確か攻略サイトには魔法は火水土風の4属性あると書いていた。

 

 ちなみに属性の有利不利は火←水←土←風←火の順番である。


 あと、スキルの方だが初期のスロットが4個しか無いので、全属性の魔法を入れると、それだけになってしまって他のスキルが入らなくなってしまうので、考えないといけない。


 なのでスキルは、水魔法、風魔法、長杖術、ストレージ容量アップを選んだ。


 そして、スキル設定終了して最後に


『それでは最後に初期装備とアイテムなどをお渡ししますね』


 運営からのプレゼント

 ファーストシリーズ

 3000S

 レベル1回復ポーション×10

 レベル1魔力ポーション×10

 乾パン×10

 

 ファーストシリーズを装備されますか? 

 はい        いいえ


 俺はもちろん〈はい〉を押して装備する。

 

 右手装備 ファーストロット

      (STR2.INT3)

 左手装備 なし


 頭装備 ファーストハット

     (VIT1.MMD1)

 胴装備 ファーストシャツ

     (VIT1.MMD1)

 腕装備 ファーストグローブ

     (VIT1.MMD1)

 腰装備 ファーストズボン

     (VIT1.MMD1)

 足装備 ファーストブーツ

     (VIT1.MMD1)


 アクセサリー1 なし


 アクセサリー2 なし


 最初に着ていたシャツとズボンから旅人みたいな服に変わった。


『それでは、準備が整いましたね。それでは剣と魔法の世界〈フリーダムテイククロニクル〉の最初の街であるビギニングに転移しますね」


 やっとだな、俺はワクワクしながら待っていると転移が開始され少し景色が変わって、街の中央広場に座り込んでいた。


「これからが始まりだな」


 俺は立ち上がって周りを見てそう言った。

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[良い点] ついにはじまりましたね! [気になる点] ちょっとずつゲーム世界になじんでけると楽しいですね。
[良い点] さっそく、連載きましたね! 新連載開始おめでとう&ありがとうございます。 今後の展開が楽しみです! [気になる点] ストーリーには関係ありませんが、 黒霧悠斗くんの苗字はくろきり? く…
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