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娘たちにまで呆れられる(千鶴)

作者: 狼花

  タンタン、タタタン、タン、タン、タ、タタン

鼻歌を歌いながら桃花が料理をしている。

最近、桃花が料理当番になると

フライパンを使って少し焦げた卵焼きを出されることが多い。

本人に聞くところ、この卵焼きを作るのがすごく楽しいらしく

形をきちんと整えれるようになるまで頑張りたいらしい。

・・・ちゃんとした卵焼きに近づいてる。頑張っているのね・・・


 最初の頃は包むどころかボロボロに崩れてスクランブルエッグに

なっていたのだが。今はきちんと巻かれている。

こうした子供の日々の進歩を肌で感じることができるのも

家事分担のいいところだと思う。


 「ね、上手くなったでしょう」

「そうね60点くらいはあるわね」

「もう少し点数あげてもいいんじゃない?」

「だってまだ焦げてるもの」

「うるさいな、少しだけじゃん」

そう簡単に認めないわよ、私はそんなに甘くない。


 「あ、卵焼き上手にできましたね桃花」

長女の奈々も食卓の席に着く

「ね、すごく進歩してるよね奈々。」

「上手くなってると思いますよ」

奈々は桃花にすごく甘い。

「でしょ、それなのにお母さんは少し焦げてるだけでワーワーうるさいんだよ」

「ワーワーはいってないでしょ」

「そだね、姑みたいな嫌味だね」

桃花は口だけは上手くなる。誰に影響されたのかやはり動画サイトとやらを

見てるからかしら?

「私は上手にできていると思いますよ」

「だよね。お母さんの求めてる基準が高すぎるんだよ」

「はいはい。私が悪うございました」

そうよね、きちんと食べられるものなのだから認めてあげましょう

褒められて伸びる子もいる話だし。

私の中の”基準”とやらを下げてね


 「ごちそうさまです。美味しかったですよ桃花」

「ま、当然だよ。私が作るんだから」

よし、次は私が感想を言うばんね

「さすが桃花。”素人”にしてはこの上ないくらいの美味しさだったわ。」

我が娘。桃花は少しご機嫌斜め。

  ・・・なんで?・・・


 「母さん。もうちょっと素直になりましょうよ」

と長女の奈々

「いいよ、奈々。もうお母さんには冷凍食品しか出さないから」

と呆れ顔の桃花


  ・・・し、仕方ないじゃない。 褒め方がわからないんだから・・・


  そんなことを言わずにまた卵焼きを作って欲しいと思う私だった。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 大人になっていく子供を戸惑いながら見ている、そんな感じが伝わってきます。 [一言] お母さん、ツンデレなんですね^^
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