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双方の女子事情

「今度は何だ」

「そっちの女子についていろいろと聞きたい」

「えらく方向性が変わったな」

「何を言う。真っ当な思春期男子として、気になることであろう」


 目の色を変えて、今度は高めのテンションで俺に聞いてきた。


「だからってさっきの流れからどうしてその話題になるのかと」

「さっきも言ったろ。森嶋さんと竜胆の話をしていたらふと思いたったって。それにそっちの執行班の女子メンバー。崎田さんは言うまでもないが、残りの三人だってうちの学校じゃ、それなりに話題にもなるくらいのもんなんだ」

「そうかい。広く知られてもらってるって言うなら俺としても悪くは無いもんだが」

「そっちは七人中四人が女子、うちは男女半々。そういう訳だ。女子のほうが多いのだから色々とあるんじゃないか思ってな」

「んんー」


 頭の中で、うちの執行班の女子について考え、整理してみる。


 崎田紅葉。俺を執行班に推薦した張本人。炎を操る能力者で、剣術による戦い方に応用されている。というよりも炎自体を刀代わりに生成して戦うといった具合だ。明るく外交的な性格で、学院内外問わず人気が高い。


 邦岡麗奈。うちの執行班の副班長で、対象の硬度を自在に変化させる能力者。リーダーシップに優れ、班長よりも班長している人。普段は感情変化こそ少ないが、ある時に限っては感情が爆発している。


 袴田美音。三年の先輩で幻術能力者。色々スキンシップが激しかったり、言動も中々に業が深い。その要因として考えられるのが趣味で作成しているネット小説と同人誌。またそれらの作成のために触っているというアニメなり漫画の類だと思う。最近知ったことだが、一部の男子からは崇められているんだとかどうとかで。


 北島李梨華。俺や崎田さんと同じ執行班の二年。植物を操る能力者。彼女の最大の特徴でもある厨二病。現世の大魔術師リリーシェとかいうよくわからないそれのせいで、言ってることがまるで解らない。感がよく鋭いところもあるんだが、前述のそれのせいで彼女の言いたいことが上手いこと伝わってこない。


 それらを整理して、泰牙に説明する。


「なるほどなるほど。いいもんじゃねぇかよーおい。うちに関していえば天然の森嶋さんと自堕落気味の竜胆と、あとはギャルっぽい口調してる古沼と、生真面目な粟津さんかな」

「そっちもなんだかんだ個性的な人達なんじゃないのか」

「まぁそのなんだ、色々と複雑な事情もあるんだがな」

「そうそう。森嶋さんについて、前にこんなことがあってだな」




 放課後に書類の整理していた時だったな。あの時、その場所には俺一人だけで作業している所に森嶋さんがやってきた。定例会議から戻ってきたところであった。


「桐生さんおひとりですか?」

「はい。本当は紫苑寺さんと一緒にやるつもりだったんですけど、あの人親に呼ばれたとかで都合が悪くなったらしいんで、俺一人で何とかしているところです」

「そうでしたか。まぁ整理については急ぎませんので、今日は無理のない程度で構いませんので、無理はしないでくださいね」

「あ、ありがとうございます」

「それとこちらのプリント。先程の会議で配られたとのですけど、ファイリングして貰えますか」

「生徒会からのやつですか。でしたらこっちの赤いファイルに」


 棚から赤いファイルを取り出し、森嶋さんから貰ったプリントをファイリングする。そのファイルを元に戻して席につくと、向かいの空いた席に森嶋さんが座っていた。


「手持ち無沙汰ですし、良かったら手伝いましょうか?」

「ありがたいですけどお気持ちだけで十分ですよ。会議終わったあとですし、普段もそうやって色々と仕事持っているんですから、休んでいてください」

「ではそうさせてもらいますね」


 書類を手に取ろうとした彼女を止めようとした時。」


「急で悪いが竜胆いないか!」

「いなかったすか!?」


 勢いよく粟津さんと古沼が入ってきた。


「いないですけど。ここには俺と森嶋さんしかいません」

「何かあったのですか?」

「この前締切のレポート。竜胆のだけ貰ってないから探してたんだが、どこにも見当たらないんだ!」

「それで粟津さんと探し回っていたところっす!」

「もう帰ったってことじゃないんですか?」

「さっき玄関のロッカー確認したけど靴はあったんすよ。要はまだ学校にいるってことなんで。粟津さんと探してたんですよ」

「あぁ、それでしたら」


 森嶋さんがなにか言おうとしていたんだけど、それも聞かずに二人は竜胆探しに言ってしまった。


「行っちゃった。そのレポートなら、ちょうど会議の前に本人から貰ったのだけどね」

「入れ違いになったらまずかないですか」

「私二人に説明してくるねー」


 そのまま森嶋さんも、二人を追いかけて出ていきましたとさ。と言った具合だ。





「聞けばただの日常の一部なんじゃないのか?」

「なんだかんだうちの班員のほとんどって、色々あっても真面目な人って所にまとまるから。任務以外になると、騒ぎもあんまり起きないもんで、さっき言ったことみたいなのも中々起きないんだよ」

「俺としてはその方がありがたいな」

「時々紫苑寺さんがお前らの事言ってるんだけどさ、なんか騒がしい人達だって」

「随分な言われようだが、否定できないのは事実なんだよなぁ」


 話題になってる女子に限ったことでもないんだが、うちの班員が騒がしいってか騒動起こしまくってるのは悔しいが認めざるを得ない。平和だという泰牙達の方が羨ましくも思える。


「そういや暇潰しに念写してみたら凄いものが取れたって言うから。良かったら見せてやるよ」

「暇潰しに盗撮するなよ」

「いやいや。たまたま取れたやつだからな。たまたまな!!」

「分かったから黙れ」


 泰牙を黙らせてから、差し出してきたスマホを奪うように手に取り、その画面に映っている写真を見て、しばらく言葉が出なかった。


「これいつ撮ったやつだよ」

「確か先週の作業途中にって言ってたかな」

「ならあれのことか」


 そういえば先週、応接室で何やら女子メンツで揉め事あったとかで、色々と大変だったことを思い出した。


「それでこれは何していたところなんだ?」

「あまり気は乗らないが、お前のことだ。話せる限りで話してやるよ。ただその前に、飲み物取ってくる」

「あっ。じゃあ俺も」


 ドリンクバーに行って、コーヒーを淹れてからテーブル席に戻ってくる。一口啜ってから話をはじめた

「案外女子の方が男勝りだったりするもんなのかね」

「そんなどっかのギャグ漫画じゃあるまいし」

「滅相な話、中本さん除くと、女子の方が強い気がするんだようちの執行班」

「まじかよ」


尻に敷かれる

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