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双方の実力事情

61話の後

「それにしたって、だいぶ事が進んできたんじゃないか?」

「俺に聞くな。程度なんか分かったもんじゃない」

「でももう大詰めってところなんだからさ。もうちょっとってところじゃないか」

「だからってすぐに捕まえられるってことじゃないんだぞ」


 調査に言った翌日。泰牙に呼ばれ、ファミレスで昼食とりながら色々と話していたわけだ。話の内容のほとんどは執行班絡み。今俺たちが調べている失踪事件に関してだ。二人でこれまで分かったことについてまとめ、色々と議論をしていた。


「あとは犯人捕まえるだけだな。気合い入れますか!」

「話の中身が中身なんだから周りに聞こえるような声で話すな。それ以前に人様に迷惑だからもうちょい静かにしろ」

「わりぃ」


 一応、執行班の任務関連の話についてはみだりに部外者には話さない。というのが暗黙のルールである。内容と場合によっては秘匿事項になるためである。今もなるべく小声で話している。

「昔っから大雑把ってかそういう所は変わっちゃいねぇんだからよ」

「変わってないってのはいいことじゃあねぇか。それよか蓮」


 手元に置かれた、グレープジュースの注がれたコップを手に取ってを一口飲んでから、こんな話題を持ってこられた。


「お前の執行班での立場ってどんなもんなんだ」

「急になんだよいったい」

「いやだってさ。前の任務の時、お前すごい重要な役回りしてたって言うじゃねぇかよ。それくらい地位も高いってことなんじゃないのか?」

「別に大層なもんじゃねえし。だいたい俺は今年度から兼城学院に編入して来たんだ。むしろ俺はあのなかじゃ一番のひよっこなんだよ」

「なんだよそれ。でもさぁ、それでも実力は高いってことだよな。そうでなきゃおかしいって!」

「まぁ・見込まれていたって言うのはお前の言う通りかもしれねぇけどさ」

「そうだよなそうだよな!!」


 任務が終わってからだが、何となく選ばれた理由は想像できた。主任はあの時、上が俺のことを高く評価しているって言ってたんだが、考慮された要因は俺の総合的なものではなく、俺自身の持つ能力故のことでは無いのかと。前に小松主任に言われたことなんだけど、俺の持つ無効化能力。そういう類の能力は久しぶりに見たと。

 それらを思うに、俺自身の実力は誰かに真っ当な評価を得られるほど高くはないと思っている。


「実力高いって言うもんならどんなもんなんだ? ひょっとしたら一番強いとか!?」

「流石に一番ってことはねぇよ。一番強いって言うなら班長の天王寺さんだと思う。次いで邦岡さんか崎田さんで、その後は悠で。あっ、悠って草薙の事な」

「わかってるわかってる」

「その後俺って具合だと思う」


 これは俺の推論であり、他の班員の言動も兼ね合いながらのものだ。天王寺さん以外とはちゃんと手合わせとかしたわけじゃないので、実力の序列についてはわかったものでは無い。

 俺は小さい頃から運動好きであったり、ちょくちょく喧嘩に首突っ込むなり巻き込まれるで、身体能力には自信はあるが、まともな戦闘経験はほとんど無いに等しい。そういう意味でも実力が高いだなんて思ってはいない。

 ちゃんとした武術の心得がある天王寺さん。剣道をしており天才肌でもある崎田さん。執行班としての経験のある邦岡さんや悠に比べれば俺は大層なもんじゃない。

 ちなみに袴田さんと北島さんなんだが、元々あの二人は前に出ることは少なく、後方支援の方が多いそうだ。まぁそれを抜きにしたって実力が高いのは容易に想像できる。



「そういや、兼城の執行班って結構レベルが高いっていうような話を、前に森嶋さんがしていたのを思い出したよ」

「そうなのか?」

「と言ったって、ここいらは都会と違って執行班のある学校自体そんな多くないからさ。それだけ平和というべきか、そこまで必要でもないからなのか」

「おそらく後者だと思うが。そういえばそっちの方ってどうなんだよ」

「やっぱし聞く?」

「聞かれてみたら、なんかこっちも気になったからさ」


 そう聞かれてみれば、泰牙達のほうも気になってくるものだ。他校の執行班の事情っていうのはあまり知らないものなので、こういう話を聞けるのはいい機会であろう。


「うちでいうなら、一番強いっていうなら中本さんかな。副班長の。次いで森嶋さんで……いいのかな。あーでもやっぱしあの話が本当だっていうのなら」

「はっきりしてねぇのかよ」

「なんというかな。抜きんでた人以外になると明確な差ってもんがなくて、拮抗してるようなもんだからさ」

「あーそういう。てかその話がって何なんだ」

「あーそれなんだが。うちに竜胆っていう二年の女子がいて……。あの時ってか普段からなんだが、終始眠そうな顔をしていたグレーの髪の人っていえば多分わかると思う」

「うん。大体わかった」


 調査チームを立ち上げた時の合同会議、先日の調査後の報告会。向こうのほうにそんな感じの女子がいたなっていうのは覚えている。


「俺は話で聞いただけだから本当かどうかは知らないんだが、めちゃくちゃに強いんだとかいうそうで。傷一つ負うことなく六人ぐらい相手にしてるとか、常人離れした動きをするとか、怒らせたら怖いとか。でも俺は実際に竜胆が戦ってるとことか見たことないからさー」

「話で聞いただけって。お前は同じ学校の執行班なんだから知ってるもんじゃないのかよ」

「さっきも言ったが終始眠そうな顔してて無気力ってか、隙あらば寝ているような人っていう認識しかなくてな……」


 そうだとしたら執行班として大丈夫なのか? 一応選りすぐりの生徒なんじゃないのか?


「目が死んできてるぞおい。そこまで疑わしいのならもう本人に聞くとかしろよ」

「前に気になったから本人に聞こうとしたら、はぐらかされたっていうか・・・気が付いたら寝てた」

「なら森嶋さんとかに聞きゃいいだろ。あの人班長なんだからある程度は知っているんじゃないのか」

「でも森嶋さんも全てを知っているってわけでもないんだよなー。というかこれに限った話じゃないんだけどさー、あの人としばらく話をしていると、気が付いたら当初話していたこととは全く関係ない話をしていてな。ひょっとしたら本質を聞けないかもしれない」



 思うことがあるんだが、何で執行班の面々って変わり者ばかりが集まるんだろうって。まぁ向こうについては、森嶋さんと泰牙以外の他の人たちの詳細についてがよくわからんから、何とも言えないが。


「あぁそうそう。森嶋さんで一つ思ったことっていうか、気になることがあってな……」

「こんなことは言いたくはないんだが」

「なんだよ」

「俺んとこの執行班、変わった人多い気がする」

「それは俺も同じかもしれない」


いい意味でも悪い意味でも個性的な人達の集まりです

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