№5 この国の思惑 ~この定番は苦手分野です~
予告通り夜の部です
今度僕が目を覚ますと、そこはベットの上だった。
周りを見渡すとみんなが寝ていた。先に対価をもらっていたから回復が早かったのかと考える。
「あ、おきましたか?」
そう言った少女は耳がとがった・・・エルフだった。
「失礼だが君はエルフか?」
「はい?ええ、フォレスト・エルフですが」
「フォレスト・エルフ?森にすむエルフと言うことか?」
「当り前じゃないですか。・・・あ、そうか。すみません。みなさんはこの世界の人ではないのでしたね。」
「いえ、できれば今度色々教えてくれませんか?なにしろ私たちはこんな成りですがこの世界では赤ん坊と同じですから」
少女はそういうと笑って、いいですよと言ってくれた。
「勇者の一人が起きたのは本当か!?」
そう言って飛び込んできた人物には見覚えがあった。
「ネオラさま。お静かに」
「う、すまない。それでお前が起きたものか。名はなんという?」
彼女はあの丘に現れたけも耳女騎士だ。名前はネオラと言うらしい。
「僕は、レギオン。彼らのリーダーではないけどお話を聞くくらいならできるよ」
「おお、それはありがたい」
彼女はそう言って僕の手をつかむ。
「では、これより我らのリーダーの下へ向かってもらう」
「へ?」
「では、行くぞ!」
僕はそう言って米俵のように抱えられ連れ去れてしまうのであった。
ここはどうやらあの焼けていたお城の中のようで、色々な人が掃除したり書類持って走ったりとあっちこっち走り回っているのが目についた。
そんな中、とある一室にたどり着いた。
ネオラはその扉をノックし、相手からの返事を待たずして扉を開けた。
「しつれーしまーす!」
「・・・きちんと返事をしてからあけてくれ」
そこにはいかにも脳筋戦士と言った感じのがたいのいい白虎の男とラノベに出てきそうな平和な国の宰相と言った人間の普通の文官がいた。
正直これがリーダー?と不安になる面子だ。
「おお、よく来てくれた。私は元帝国騎士団総長 ガロウ。こっちは元文官長のエドワード」
「エドワードです」
そう言って二人は挨拶をした。
僕はメニューから〈特殊平服№05〉と書かれたアイテムを取り出す。
そうして取り出されたのはメガネだった。
彼はメガネの型フレームをつかむと自由落下によってフレームを開き、そのまま眼鏡を変える。すると、彼はスイッチが切り替わったように雰囲気が変わる。
「僕はレギオンと言います。先に行っておきますが僕は彼らの代表ではありません。しかし、同郷の者ではある。故にこうして先んじての懸案事項のいくつかを解決しようと思ってきています。我々の中で小さなくいちがいにより戦いにでもなれば、おそらくあなたが他に与える被害は常識を超えるものになる。私隊は元は勇者として呼ばれたもの。神からの依頼もあるのでできるだけ協力します。」
そう言うと、二人は意外そうな目でこちらを見た。
「失礼ですが年は?」
「17ですが...何か問題ありますか?申し訳ないのですが我々はおそらく17前後なので」
「いえ、王国元老院のデゥーク様・・・と言ってもわかりませんか。えーっと、賢者様と言えば分りやすいでしょうか?かのお方と話している気になりまして」
「そんな方に見てもらえるとは、少しうれしいですね。すみません、褒め馴れてないもので。お世辞でもうれしいのですよ」
そう言うと二人は微妙な顔をした。…お世辞かと思ったが本音だったようだ。
「それで、今回はどういったことを?」
そう言うと二人は顔を見合わせ、意を決したように言う。
「あなた方勇者を中心とした国を作ってほしいと考えています」
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