僕たちが勇者であることを話した理由
「ねえ、ミリ。本当にごめんてば」
「知りません。なぜ前にいたあなたが扉をしめないのですか」
「その・・・見とれちゃって」
「・・・バカっ(。・_・。)ポッ」
初々しいカップルの雰囲気を見せる二人の後ろにる二人は目を合わせて苦笑いをする。
なまじ大人の世界を剣けんしている二人としてはあの程度、羞恥心はあれど水に流すのはたやすい。また、今はお互いに目の前の人物の護衛を兼ねているのもあり、仕事に専念するという逃げ道もあるのだ。
二人は自分たちを棚に上げて二人を温かい目で見ていると二人は振り返る。
「「そこの二人!俺(私)のこといえないんだからな(ね)!」」
「「そこはほら、大人ですから」」
二人はそう返し、内心互いに羞恥に悶えるのであった。
※※※
ここは、広場の端にある木々の下。敷物を敷いた僕は全員を座らせ、結界を張る。
「さて・・・朝の話の続きをしようか」
僕がそう切り出すと全員が息をのむ。
「まあ、勇者と言う話をしたということは君たちをそれなりに信用したのと、これから僕たちが勇者であるということを踏まえたうえで聞いてほしいことがあるからだ」
「・・・聞いてほしい事ですか?」
「そう、エイト。報告書出して」
「おう。えーっと、これだな」
「これは!」
「うん。この国の軍部を取り仕切る神官で私兵を多く持っている人だね」
「・・・ここまででしたか。私も知りませんでした」
「そうなの?大司教さんたちは知っていたようだけど」
僕はここで一枚カードを切る。
「大司教様がですか?」
「・・・なるほど」
メレーヌは僕と出会ったあの二人を想像したのか納得したようだが、ミリは半信半疑と言ったようだった。
「・・・ヤイチ、少し耳塞いでもらっていいか?」
「うん?」
「頼む」
「・・・わかった」
そう言いてヤイチは耳をふさぎ、目を閉じた。
彼は読唇術ができる。これからする話が彼聞かない方がいいという僕の判断を信じてくれてゆえの行動だと僕は思った。
「さて、・・・まずは二人に謝罪をする」
僕は正座をして、頭を下げる。
「聖女様に剣聖殿。度重なる不始末。ヤマト法国『賢者』レギオンが深くお詫び申し上げます」
その言葉に二人は驚いたように目を張る。
「いつから気づいていたのですか?」
「自分は初見です。・・・そう言った力を持っているので」
「そうですか」
「エイト・・・殿は知っているのですか?」
「いいえ。なのでこうしてもらっています」
僕はそう言ってヤイチを見る。
「彼はヤマト法国の王となる人物です。正直このことを言うことはあなたが聖女であるからですよ。ミリタールさま」
「・・・どういうことですの?」
「彼は見た通り優しすぎるし、多くの問題を抱え込みやすい」
「・・・そうですね。私の件も」
「彼は常にストレスを抱え込みやすい立場にいる上にそれを吐き出す心許せるものが少ない。今は同郷の僕や勇者がいますがそれでも各々今では大きなことに手を付けており最近顔を合わせることは少なくなりました」
どこか自分と重なったのか顔を伏せるミリ。
それを見て僕はメレーヌに視線を送る。
すると彼女はミリの肩を叩き、彼女はミリと視線を合わせ強くうなずくと再び前を向かせた。
「・・・そうですメレーヌ。王は後ろだけではなく横にも支える者が必要なのです。ようやくわかりましたか」
「そうですね。昨日の夜、結界の中とその夜に話して気づきました」
「それはよかった。・・・それで話を戻すと。今のあなたをエイトとすると今のメレーヌが僕になります。僕はかなり古くからの中なので頼られる部分は多い。ですが僕は後に消えるつもりでいます」
その言葉に彼女隊は息をのんだ。
「本気ですよ」
彼女たちが質問してくる前に僕は答えを言う。
「どうしてですか?私たち耳に入る情報の中でもあなたが優秀なのはわかっています。あなたがいなくなれば国は・・・もしかして?」
「そうですよ。確かに今僕がいなくなればいろいろと大変かもしれません。ですが、文官を育て武官を育て、ギルド、商会、宗教、子供を先導する役を取った我々はかなりスムーズに人材育成が行え、国の活性化にも成功している」
僕はどこか懐かしむ目をしてそう言う。
「ここ最近有名な有力な僕の育てた新人達。彼らも僕に恩義を感じてくれている者は多いあの国を裏切る人は少ないでしょう。それに、あの国には愛国心の強い国民が多いんです」
だからこそ暴君の元から逃げるのではなくクーデターを起こし、革命を起こす勇者をリーダーに据え、開拓に協力してくれたのだ。
「なぜそこまで他者のために頑張れるのですか?」
「簡単ですよ、僕にとってはそれが友人の願いだから」
「・・・それだけですか?」
「そうですよ。私たち元はこの世界の人ではないのですよ。なのにこの世界を守りたい、この国の人達を救いたいなんて思えるわけがないじゃないですか。僕は君達が思っているほどやさしくはないですよ。だって、法国の黒い部分は8割自分が行ってますから」
「そんなに・・・」
この国の剣聖と言うのは暗部の立ち位置にある物で彼女はそれなりに教王国の暗部を知っているのだろう故に彼女は渋い顔をする。
僕はそんな僕のことを分かってくれた二人にある提案をする。
「・・・そして今回友となることができたお二方への相談なのですが、―‐―」
僕は少しためを作って提案する。
「こいつを教王国の立場から支えてくれはしませんか?」
あしたもしかしたら投稿できないかもしれません。すみません




