戦闘終了後
「ふざけるな、何が魔神だ!」
僕は憤りを感じていた。
あの老兵の爺さんはあのまま悔いなく昇天できたはずなのに。
その瞬間僕の心臓が大きく一度跳ねた。
ドクンッ!
『新たな大罪見つけたようだな?』
「・・・ヤルダバイオト」
『・・・あの世界には2つしかないのでおかしいと思ったが残り4つがこの地にあろうとは』
脳に直接響くその声はどこか楽しそうだが、トモは目に見えて顔を真っ青にしていた。
『・・・フフ、貴様はこの地にてすでに一度わが力を使った。我が力を使うときは必ず来る。その時はより良き強敵であることを望んでおこう』
そう言って亜棚の名からか何かが消えるような感覚に見舞われる。
その瞬間に襲い掛かる急な脱力感に僕は地面に膝をついた
「トモ!?」
トモは声の方にかろうじて顔を向けるもその目は霞、焦点がずれる。
「ヤ、イチ。・・・悪い少し眠る」
僕はそう言って気絶するように眠った。
「エイト!」
「レギオン殿」
トモが気絶したことで効果が切れた結界より二人がこちらに走ってくる。
「メレーヌさんだったよな。君がトモの協力者?」
「たぶんそうです」
「たぶん?」
「取引で手伝うことになったので…はっきりそう言われたわけじゃあないので」
「・・・それならきみの事で間違いかな。こいつはそういうことははっきり言わないから」
「・・・そうですか」
ヤイチにそう言われたメレーヌはどこか嬉しそうな表情をする。
自身に向けられる恋の視線に鈍感なヤイチだが、他人をいじるために培った観察眼はそのメレーヌの反応にある一つの結論へとたどり着いてしまう。
「・・・ハァ、こいつも隅に置けねえな。メレーヌさん。こいつの止まっている部屋は?」
「え?ああそれはですね―――」
それを聞きヤイチはトモを一度地面におき、宿屋のカギを見る。
「隣の部屋かよ!」
ヤイチは先ほどの戦闘で消耗しているとは思えないほど元気よくツッコミをした。
「エイト、うるさい」
「朋さんは疲れているんですよ。静かにしないと・・・」
「す・・・すまない」
二人にそう言われて
ヤイチは落ち着き、二人と一緒に宿へと引き上げて行った。
※※※
それからトモが目覚めるのは翌朝になってからだった。
「うう、ここは?」
僕は体を起こす。
「すーすー」
すると真横から寝息が聞こえた。
僕は横を見る。
そこには下後姿で眠るメレーヌがいた。
「・・・はあ?」
僕には珍しいすとんきょんな声をあげてしまった。
そして、あわてて自分の服装を確認する。
・・・一応下着は着ていた。
ただそれだけである。
・・・何も思い出せない。
このことにこれほど恐怖を感じたのはいつ以来だろうか?
「お、おい。メレーヌさん?」
僕は彼女の肩をゆする。
「・・・ぁ、レギオンどの~♪」
寝ぼけているのが撫で声でしかもそのまま背中に手をまわしてきた。
「えーっと、すみません。メレーヌさん!」
「うう、へふぃふぉんふぁん!もふ、ふぇふぁめまふぃたふぁら」
僕は彼女の頬を引っ張るとほどなくして彼女は僕の手をぺしぺし叩く。
「・・・痛いのです」
彼女はそう言って自分の頬を撫でる。
「じゃあ、寝ぼけないでください。看病してくれたことには感謝しますけど」
彼女は僕が昨日倒れてこの宿に運ばれた後ヤイチの代わりに僕の事を見てくれていたそうだ。
すると僕はあることを思い出し冷や汗を流す。
「・・・待ってください。一晩立ってしまったのですよね」
「え?ええ」
・・・まずい!あそこに行かなきゃいけなかったのに!
僕は昨日の夜の予定を思い出し大急ぎで服を着る。
今から言って済む問題ではないが謝罪しに行くなら早い方がいいと思うからだ。
「あ、待って。君の部下と名乗る男の人から伝言預かっています」
「え?・・・なんて?」
「予定の方にはヤイチ殿に向かってもらいました。と、無事終了しました。今日の夕方仕掛ける準備をします、だって」
「ふぅー、よかった。メレーヌ、今ヤイチと聖女様はどこにいるか分かるか?」
「まだ隣の部屋にいるんじゃない?」
「寝てるかな?」
「大丈夫だと思うよ」
「じゃあ、声かけて一緒に朝食としようか」
「そうね、ミリ様も気になるし」
「・・・」
「なによ?」
「軽口たたけるくらいの中だろ?なら、その方が彼女も安心するし嬉しいと思うぞ」
僕はそう言いて部屋を出た。
その後、ヤイチ達の部屋にて下着姿の二人が同じベットで喧嘩していたので「ごゆっくり~」と言って扉を閉めようと知ってヤイチ覇剣王の能力を持って中に引き込まれた俺は別に聞く気もない弁明を20分あたり永遠と聞かさせるのだが・・・その扉の後ろで笑っているメレーヌにあとでいたずらしてやると思い、そのいたずら方法を聞きながら適当に相槌を打つのであった。




