教王国に到着〈裏〉 ~謎のジョブ精霊皇の秘密~
連日投稿って言ったのに忘れてました。すみません
僕がヤイチと離れた後、月読のリーダーミチカゲと合流していた。
ここはとある酒場の角。周囲には防音結界を貼り音漏れ防止を施していた。
「師匠、Rとの接触に成功。ただ、その際に思わぬ人物に目をつけられました」
「思わぬ人物?」
「大司教アルムという方です」
「接触は?」
「使者が文を預けてきました」
「内容は?」
「・・・今この国の重要人物が城を向けだし市街に潜伏中。軍部の重鎮が彼女の暗殺に乗り出しているとのことです」
「知らぬふりは?」
「できますが・・・」
「・・・まさか」
「はい、あの方と既に接触。暗殺者を返り討ちにしたとのことです。戦闘のビーコンをあの方が発したので
3名向かわせましたが、後処理だけで済みました。瞬殺とのことです」
「当たり前であいつと正面切って戦うのは俺でもきつい」
その言葉にミチカゲは驚きの顔をする。
「意外か?でもな、あっちはその道の専門だ。いくら技術があってもスキルという補助具がある以上、こっちは差が出やすい。まあお気軽パワーアップできていいのだけどな」
「そうですか。・・・そうだ。実はその暗殺者少し我々というか師匠に関係のあるジンぶちでして・・・」
「教王国でか?・・・あ、もしかしてあの時の聖騎士部隊の?」
「おお、さすがです。そうです。あれがあなたにやられたことによって落ちた評判を取り戻そうとしているんですよ」
「安直な。・・・それで、報告はそのくらいか?」
「はい、以上です」
「じゃあ僕はちょっくら見てくるわ。君たちは、ローテーションまわして観光していいよ」
「いいのですか?」
僕は席を立ち、硬貨の入った小袋に銀貨2枚をおいていく。
「かまわないよ。情報収集は怠るな」
僕が店を出る時驚いた様子のミチカゲが見え、軽く笑い目的の人を歩きながらあるジョブを概念武装に入れる。
「精霊皇起動 精霊召集」
※※※
概念武装〈精霊皇〉の基本スキル〈精霊召集〉。
かつてselect・gardenに公式存在として認知されていた精霊。
しかし初期プレイヤーの強制行為により精霊女王の反逆が行われ、これに対し『精霊王女の被害を食い止めろ!』という特別イベントが発生した。
当時のselect・gardenには魔法はないもの精霊術師と呼ばれる精霊と契約できるジョブがあり、精霊の力を借りた疑似魔法が行使出来て人気職だった。
当時はのNPCに対する認知は表情豊かだ、自由度の高いNPCだ。とその性能の高さにただ驚いていた。
しかし、このゲームのNPCはただのNPCじゃなかった。
心のようなものを持っていたのだ。
笑いもすれば泣きもする。死ねば復活することもなければ(NPC専用の復活薬などの一部例外有)、肉親から恨まれることもある。
家族関係の愚痴を言われもするし、お使いクエストでも毎回対応やかけてくる言葉、派生クエストもその度違う。
それがどういうことか。
それはある精霊術師ギルドが起こした事件だった。
ある精霊は落ちこぼれだったが、仲間思いの精霊たちは彼女を仲間外れにするようなことはなかった。
そんなある日、精霊ギルドが後あるレイド戦に負けた際にその精霊にこういってしまったのだ。
「お前がいなければもっといい魔法が打てたのに」
そいつはそう言ってその精霊に石を投げてしまった。戦闘の後ということで精霊もそれなりに消耗しており、それを避けることはかなわなかった。
精霊術師は一定のMPをまとめて精霊に送り精霊たちはそれを均等に分配しそのMPにおおじて魔法を編む。
渡すMPが多ければ当然一体一体に分配される量は多くなり、彼女にも相当量が送られていた。ただ彼女はそれをうまく使えないのだ。
それがほかに分配されれば確かにもう一段回上に行けたかもしれない。
だがそれは仲間思いの精霊たちを怒らせるには十分だった。
そして彼らは知った。精霊たちは通常でも魔法を行使できるのになぜ精霊術師からMPを受け取って魔法を行使するのか?
単にエネルギー補給だという推論が多くを占めていたがそれはこの日、覆された。
魔法は現象を、物理学を無視して行われるものである。
それを行える精霊とは何者か?
それは簡単なことだった。世界の一部。・・・システムである。
その日、全プレイヤーにとある通知が。
全神官に信託が下された。
『システム管理者(神の使い)への暴行を確認。自衛を容認し、枷を解き放ちます。・・・この世界の生き物よ。裁きを受けなさい』
―――その日、世界中の精霊術師の約8、5割が同時に死に、精霊王国と呼ばれたマップ中央付近にあったの森の王国は突如として姿をけし、森が世界の浸食を始めるのであった。
それはかつて古の文献にある伝説の天罰『世界緑浸食』。
精霊に暴行を行ったとしてNPCたちは・・・いやあの世界の住人は大いに怒った。
それは多くNPCをプレイヤーが敵に回すことになる大惨事となった。
これを沈めたのは伝説の25人。
リーダーはファーストと名乗り、その名の通りβテスター1番だった男にしてselect・garden最強の男。
その参謀としていたのが、βテスター3番。当時『幽霊』と呼ばれていたのちにトウシンと呼ばれるプレイヤーであった。
ただ彼は最初からこの中にいたわけではない。
トウシンはあの怪我した精霊に運良く?出会い、傷を直し彼女と共に精霊魔法の特訓をした。彼女の悪いところは他のみんなと同じ魔法の編み方をしていたこと。
精霊には4種類いて赤、青、緑、黄色とそれぞれ魔法の組み方が違った。
ただどれも彼女に会わなかった。それもそのはず。
それは一度だけとある精霊を見たことがある彼だからこそ試せた魔法。
それは『無色』の精霊の魔法の組み方。
つまり妖精女王の魔法こそ彼女も適正であった。
彼は知る由もなかったが、彼女は精霊女王のもとから盗み出された無色の継承者だった。
盗んだのは伝説上の存在ドラゴン。
ドラゴンも上位種となれば管理者に属する者もいるが基本的に『次元の裂け目』から出てくることはなく、そのことは異例中の異例だった。
かくして魔法を組めるようになった彼女は彼と修業を積みその姿は妖精王と呼ばれる精霊女王の一歩前まで来ることになった。
彼は自分の知る24の仲間に連絡。
彼女を今の精霊女王のもとまで連れて行くことにした。
それは、精霊女王の討伐組が組まれるほんの1週間前。
プレイヤーが本気になれば双方に被害は大きく、なおかつある種の不死であるプレイヤーが勝ち、精霊が虐殺されるのは目に見えていた。
ゆえに彼ら25人は少数精鋭で突破。説得を試みた。
しかし、説得は失敗に終わった。
精霊女王の怒りはすさまじく、大陸を、いや世界を飲み込まんとするほどの魔法を編んでいた。
彼女は世界に飲み込まれてしまったのだ。
最後にたどりついたのは8人と一体。
彼らは暴走した精霊女王と戦い何とか勝利を収めた。
その時彼女は僕達に、そして継承者である彼女にある言葉を言った。
『・・・戦争って、いやなものね』
彼女はそう言い消滅した。
ただ、彼女の中途半端に編んだ魔法はその術者が消え、暴走を始めた。僕隊8人に加え、新たな精霊女王の招集に従い精霊たちはその魔法を解体した。
ただし、妖精女王の根城となっていた旧妖精王国跡地はその森ごときれいになくなった。
その後、精霊は二度とこの世界には現れなくなりその知は一人の男に与えられ、男は己が権能(イベントクリア報酬)を持って森を復活させた。
その森はやがて多くの生き物が住み、色とりどりの果実がなることからエデンの森と呼ばれ、一人の幽霊が表舞台から消えた時でもあった。
※※※
「~~♪~♪~~♪」
この世界には精霊は多くいる。
僕の目の前で嬉しそうに踊る彼女もそうだ。
「精霊女王。頼みごといいかな?」
「!~~♪♪」
彼女は何でも言ってというかのように僕に頬ずりする。
感触はないが憂いそうなのは何となくわかる。
「ヤイチを探してくれないか?」
僕がそう頼むと彼女は数名の精霊を呼び辺りに散らせる。
彼女ともあれから長い付き合いになったと思うし、こんな世界に来てしまったからにはもっと頼ることになると思う。
だけど、いやだからこそ。
今度は・・・あんなのを見ないためにも建国をし、世界にいい影響を与えて行こうと思ったのだ。
僕はヤイチを見つけた精霊に従い歩いてゆく。
あの世界で守りきれなかった先代の思いを胸に。精霊女王に見初められし『精霊皇』として
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