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欠けし者達の異世界建国記 ~目が見えるとはすばらしい~  作者: othello
第1.5章 ギルドに商会と宗教
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傭兵ギルドゲットだぜ!05〈裏〉

ちょっといつもより長いです。

 

 僕はサラの決闘を見届けることなく外へと戻った。


「マスター?一体どうして?」

「スマイル、わからないのか?この音で」


 スマイルは目を細めあたりの音に耳を傾ける。


 ...ドドッ!ドドッ!


 それは軍隊の行軍してくる音。

 そしてこの先の国は・・・


「・・・ミズア教皇国」


 世界宗教にもかかわらず現在信奉者がまったくいない『創生教』の総本山。


 信奉者がいないというのは語弊があるため撤回する。

 宗教と言う名の・・・いや、神の名をかたる強欲の塊たちと豪商や王族が斧が権力の為に支持する宗教だ。


 この宗教。自分たちを召還した神を祀っているのではなく彼らと対立する邪神『魔神』を祀っているらしい。

 上位幹部はその事を知っており、また魔神の加護をもらっているそうだ。

 それによりその地位とその地位に乗るために高められた下賤な知恵、加護による圧倒的暴力を手にした教王国はこの大陸で大きな力を持つ。

 多大陸ではそうでもないというか・・・ほかの4大陸の内、実力主義、鎖国非神、現人神、非科学批判主義と徹底しているのでひどいのはこの大陸だけと言えよう。

 そんなこの大陸だけでは力を持つ奴らの実力行使部隊〈聖騎士〉。

 潤沢な資金と各国王が献上品としてあげた武具を上位者が身に着け、その部下も教王国に集まる守銭奴な豪商たちの手によって巻き上げられたレアものを纏う、腐敗の象徴。


 そしてその1師団がここへ向かって進んでいた。


 無論そう仕向けたのは僕だ。あんな宗教あっていいわけがない。

 それに・・・あの神からに依頼はこうした魔神の手先の殲滅だろう。

 これが小説ならばあれら加護をもらったものは生活に支障が無いレベルで日常的に何かを失っているはずだ。魔神の復活を促す何かを。

 実際問題、あのギルドマスターは宗教団体の司祭とつながりがあり、怪しげな薬を裏でもらっていたらしい。

 司祭を殺す間に吐かせた情報では、あれは己の代償を払い、魔神の加護を強めるというもの。

 それはこれが小説などの展開通りなら命を削るものだ。

 彼の本性を知る今なら、できれば彼は仲間にしたい。

 この国で最速であり、5本の指に入る豪腕の持ち主。

 今なお傭兵稼業を続けけているのは・・・あの日の悔しさからだろうか?

 そんなことをかんが得ているうちに向こうからライトの明かりが見えてくる。

 メニューを開き、地図で敵総数を数えながら僕は関所をくぐる。

 僕は関所を超え、草原の前で総勢10人御手勢と共に6000人近い軍隊を迎え撃とうとしていた。


 ※※※


「貴様ら、ロノクの仲間か?」


 彼からそう声がかけられる。

 するとスマイルがあらかじめ彼の脳から読み込んでおいたサインを返す。


 すると副責任者だろうか?最も偉そうな奴のそばにいた人物がこちらに駆け寄ってくる。


「案外数が少ないな。報告にあった爺さんに手間取ったのか?」

「この軍の責任者か?・・・ロノクの身に緊急事態が起きた。リーダー殿の判断を仰ぎたい」

「私ではだめなのか?」

「君の一声でこの軍はすぐ動くのか?」


 僕がそう問い返すと彼はほんの数秒思案し着いてこいと軍団へ戻ってゆく。


「貴様が報告があるというのは?」


 そこにいたのは・・・豚だった。


 ...おっと失礼。思っていたより豚で驚いただけだ。

 確か、教王国の12大司教が一人の男だ。(名前は忘れた)

 金にうるさく、好色家。悪知恵の働く小物だったと記憶している。

 今の後ろのエバンの人形(女)に気味の悪い視線を送っている。


「どうかしたか?」


 敵の思わぬ心理戦に呆けてしまったが僕はすぐに心を落ち着かせ、作戦を開始する。


「・・・どうやらロノクがやられたようでして」

「なに?奴は意外とやり手だったはずだが」

「・・・そうですねそうとうなやり手でした」


 スマイルがおかしそうに笑いながらそう言う。肩が震えているところを見るに相当遊んだのだろう。


「・・・それで?引き返せと?」

「いいえ―――」



「―――その殺した者がここにいるのでお寄与付けよ。と、忠告に来ました」



 そう言って僕たちはローブを脱ぎ捨てる。

「貴様ら敵か!全員構え、突撃!」

 中央に至っていた僕たちに聖騎士たちは攻撃をするも槍を持って密集していたため思うように振えず。見方を攻撃していたりもした。


 その合間をくぐるように僕たちは彼らの息の根を止める。


「ひゃーはー!」


 スマイルは狂ったように喜びながら敵を切りつけてゆく。


 どごんっ!


 すると世紀死体の後ろで人が飛んでゆくのが見えた。


「アングリーか!」


 それと同時に左右からの人の叫び声が聞こえる。

 あれらはに、クライ、、イージーか。


 聖騎士はその数をどんどんと減らして行き、三割を超えたところで大司教がって撤退宣言した。

 しかし、そんなことを許すつもりもない

 僕は一気に接近して彼をしとめようとした。

 ガキンッ!

 それを寸前で止める者がいた。


「さっきの副長さん」


「あなたが敵だとは…最初見たとき手練れとは思いましたが」

「これでも勇者名乗っているので」

「勇者だと!?おい、ユオ。そいつの首を取れば大出世だ!」

「・・・」

 撤退しようとしていた大司教は勇者と聞き彼は身をひるがえし首を取りに来た。

 いくらあの国に流した情報とはいえ、鵜呑みにするとは思っていなかった。

 しかし、これは好都合。

「概念武装 トウシン スキル〈一閃〉」

 僕はユオをよけ彼の首をはねた。

 ついでに周囲の僕の首に目をくらんだ(ばか)ものどもと共に。


「ユオ、君は見どころがある。私は勇者レギオン。またの名をトモ。我らは女神より命を受けてここに来たものあんな偽物より私と共に当たらな神を信じる道をゆかないか?」


 僕は彼にやさしくそういう。彼はすでに戦意を喪失したのか剣が下を向き、疲れたのか、それとも死を覚悟したのか地面に座り込む。


「・・・ですが、」

「僕に刃を向けたことなら気にしない。届かぬ刃に恐怖はないからな。だが、これからあの国を滅ぼすのに君のような人材は持ったいない。―――そう、君たちのように真の信仰心を持つ者よ。あの国に正しき神はいないは思わないか?」


 先ほどの部隊は9割ほどが死に、残りもあまり動ける状態ではなかった。

 残した彼らには理由がある。

 一つは彼らの目はあの国にいてなお腐っていなかったこと。これは大いに仲間にする価値がある。

 2つ目は、宣戦布告。彼らはこの国へ再三に渡り勇者の返還を求めている。

 それをここできっちり断ろうと思ったのだ。

 宣戦布告と言う、全国家を敵に回しかねない方法を持って。

 しかしそれでも1年は攻め込めないような根回しはしたはずだ。

 たとえそれを乗り切ってもそれならば誰がそれをしたかはわかるだろう。

 それならば足踏みはするはず。

 あと半年。それさえあれば、最低限の経済侵略は行える算段だった。

 保険として新宗教による宗教侵略もしかけるつもりだがこちらは望み薄だ。

 まあ、新宗教をたてるのだ。

 宣戦布告が遅くなったか、早くなったかの差にすぎない。

 僕はふとこんなことを彼らに聞いてみたくなった。



「・・・君たちは教会の聖職者とはなんだと思う?」



「・・・」


 誰も何も言わない。そりゃあそうだろう。 自分の属す国にいる聖職者こそ己が理想の聖職者とかけ離れていることを知っているのだから。


「・・・なに、難しい事ではないとおもう。ただ、1年を通して常に信奉する神へ祈りをささげるものだと私は思っているよ」


 僕はそういう。この世に特別扱いされる聖職者などいないのだと。

 神を信じるものすべて、みな聖職者のだと。

 その言葉に何を思ったか彼らの表情が変わる。…やったか?


「・・・トモ殿。いや、神の使い勇者 トモ様」

「・・・(急に改まってちょっとこわいな)」

「私は、国へ戻ろうと思います」

「・・・(な、なに?)」


 それは意外な答えだった。それと同時に続いた言葉は予想以上だった。しかしそれを顔には出さない。


「我らレジスタンス。いずれ貴方の配下へと馳せ参じたいと思います」

 その言葉を聞き僕はすべてに納得がいく。

「やはりか。…今度来るときはきっと僕の仲間の宗教騎士となると思うよ」

「その方があなたと同じく広く寛大な聖職者ならば、券をささげるにもやぶさかではありません」

「・・・大げさだよ。それに僕は神に祈らないからね」

「え?」

 彼は僕の答えに驚きを隠せないようだった。

 まあ矛盾しているのだからしかない。

 だから僕は歩き彼らに背を向けこういった。


「だって、神は祈るのではなくて努力し目をつけられ始めて助けてくれるのだからね」



 ※※※


「サラお疲れ」

「ただ今、これ。彼の」

「そうか・・・だめだったか」


 決闘が終わったサラを出迎え、戦斧を受け取る。

 そして視線を戻すと悲しそうな雰囲気の彼女の頭にやさしく手を乗せる。


「これから、ああいった人を減らしていけばいい。そのために頑張ろうな?」

「ッ!・・・うん」

 今回完全に空気となっていたロビンはトモの戦っていた方を眺め。

 再びため息をつく。

『やがて、俺らは多くの中心に立ち、力を手に入れる。そして誰かが暴君となった時、誰かの血に手が濡れても、それを止める。・・・それは僕がお前に望む役割だ』

 ここへ来る前に席に座って彼と話したときのセリフの一つだ。

 それはどこかこれから先を予言するようであった。

 彼が先にあの空間から出て何をしていたかは知っている。

 けどそれはやがて彼が・・・

「ロビン?」

 トモ名を呼ばれたことで我に返ったロビンは急いで彼らの後を追う。


 彼は今思ったことをあるはずがないと、心の奥にそっとしまい彼らとともに帰路に着くのであった。





傭兵ギルド編あと一話で終わります。

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