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欠けし者達の異世界建国記 ~目が見えるとはすばらしい~  作者: othello
第1.5章 ギルドに商会と宗教
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傭兵ギルドだぜ!05 〈表〉

深夜テンションで書き上げたのに投稿忘れた!

 

「サラ、どうやら向こうも来たようだ。僕は行くよ」


「いいよ、任せて!」


 彼女はそう言ってにぎりう拳を作り腕を曲げ自信満々にそう言った。


「じゃあ、頑張れ」


 その姿がどこか向こうにいた妹弟子と重なり思わず頭を二度ほどやさしく触る。


「あ、・・・」


「…ロビン、後は頼んだぞ。スマイル!」


「今行きますよ、マスター」


「はぁー、わかりました」


 サラが顔を真っ赤に変えるのを見て僕はすぐさま退散することを決めた。

 僕はふてくされるスマイルと人形を連れ、その場を後にする。

 デルツはその様子を忌々しそうに見ていたが僕はそれを嘲笑し、その空間から出て行った。


 ※※※


 トモが出てゆき、その場には3名だけが残っていた。


「ああ、もういいや。あいつのいうことを聞くのは嫌だがこれ使うしかねえな。おい、サラとか言ったな?いいぞ、受けてやる。フィールドは荒野」


 その言葉と共にギルド証がフィールドを確定し、カウントダウンが始まった。


「いくぞ?」


 デルツは腰のマジックバックを叩き、己の半分くらいの大きさの戦斧(バトルアックス)を構える。


「いつでも」


 サラはそう言って刃の中に波を持つ刀を抜いた。


「おらぁあああああああああああああああ!」


 巨大な戦斧を持っていいるとは思えない速度でデルツは接近して斧を振り下ろした。


「!・・・腐ってもSランクか。それほどの腕がありながら」


 彼女はそれを避けながら刀で首を狙う。

 しかしそれはすぐに軌道を変え、飛んできた小さな戦斧を弾き飛ばす。


「!?」


「・・・なかなかやるな。だが硬直しすぎだぜ」


 デルツはそう言って大きな戦斧を振り回しサラを吹き飛ばす。


「きゃっ!」


 彼女はそう言いながら空中背姿勢を元へと戻し、着地する。


「パワーも速度も、予想以上。でも、この状況で勝てないわけじゃない!」


 彼女はそう言って切りかかる。―――亜音速の速さで。


 それから二人の戦いは続く、デルツは彼女を追うのをやめカウンター一択に絞り、その経験と彼女には劣るが自慢できるクラスの速度と傭兵ギルド最高クラスのパワーを持って地面や岩をも砕き徹底的に彼女を近寄らせず、彼女もながれる川のごとく速度と反射、受け流しを持って捌く。

 これは単なる持久戦ではない。

 人と言う種速度を長所として持つ者の上限を競う戦い。

 ここに引き分けの文字は無く、勝敗はった一つの傷で決まる。

 そして今―――その決着が着こうとしていた。


 ※※※


「あ!」

「グッ!」


 二人の服の避ける音とともに、一滴の血を地に落としながらこの人と言う種の中で最速を司る者の決着がついた。





 血は斧から垂れていた。





 しかし、それは相手の血ではなくのが腕より流れ出た血。

 彼は持っていた戦斧を彼女の方へ投げる。


 それはやけになったわけではなく・・・


「フフ、あんたと斬り合っていたら随分と懐かしい昔を思い出しちまった」


 デルツはそういう。


「俺の事どこまで知っている?」


「…昔はいいギルドマスターだったけど、奥さんが亡くなってから元気がなかった。でもそう、あの国王が

 王になるくらいから急変したって」


「・・・俺は、あるやつから妻の復活させてやると言われた。そいつのために働きあのクズを王にするために働いた。その為にあのクズの仕打ちを何だって受けた。好色家だってあいつが王権を俺に奪わせないための布石だし、横領だって俺じゃなくて全部あいつの懐に入っていた」


「・・・知ってる」


「なに?」


「・・・知ってる。トモ君は全部わかっていた。でも君の中にいる者はもう消せない。だからまだ人である

 内にあなたを殺す」


 サラは悲しそうにそう言うとデルツは疑問が解けたような表情をする。


「そういう事かい。やはり私は・・・」


 彼はそういうと胸を押さえて苦しみだし、そのまま地面に倒れこむ。

 そして起き上がると彼の目は光を失い、何かに乗っ取られているようであった。

 しかしそれもつかの間彼の目は紫へと変わり纏う雰囲気も先ほどとは打って変わってしまった。


「最後の一本を使うまで来ちまったか。ふっ、結局こいつももこまでか。いいエネルギー供給源だったんだがな」


 彼はそう言って一本の小瓶を取り出し飲み干す。


「あ、まって・・・」


「フフ、おい、女。いいこと教えてやる。もうこいつは死んだ。これは俺とやつの最後の契約条件。奴に唯一残った地位を狙うものを消す契約に基づき、奴の亡霊としてこれより戦う」


「あなた何者?」


「教えるわけなかろう。貴様もてだしはするな?」


「あんしんしろ、このけんはすべてサラにまかせると奴は言った」


 それを聴くとデルツを乗っ取った何かがサラに遅いかかる。

 しかしそれはサラの目から見るとひどく滑稽でさっきまでの戦闘を侮辱されてようにも感じた


「ごめんね、デルツさん。・・・そしてさようなら―――スキル〈一閃〉」


 サラがそういうときにはすでにデルツの背後に立っていた。


「なッ!?」


 それは今から切るのではなく切り終わったからである。


「・・・あなたより、彼の方がよっぽど強かった」


「・・ば・・・かな・・・」


 彼の身をの取っていた何かの存在が消えると彼は目を覚ます。


「・・・はっ、はは。これが俺の末路。くそ、やっぱり『魔神』のいうことを聞いておくべきだったか?いいや、奴が律儀に最後に契約を果たそうとしたからこうなったのか?」


 デルツのその一言をロビンは聞き逃さなかった。


「魔神?」


「・・・お前さんたちが今見た俺の中の何かだよ」


「その言葉覚えておきます。貴重な情報提供、ありがとうございます」


「なーに、激励だよ」


 デルツはそう言って笑って消えて行った。


 この世界には動かない死体はなない。


 未練ある死体ははこの世にとどまり、未練なき死体は様々な色の霧となって消えてゆく。

 そのままにすればアンデットを生み出すだけにしかならない。

 人型の生き物は変わっており命を終えるとその身は白い靄とと共に天へと昇ってゆく。


 サラは彼の戦斧を地面から抜き取り、最後に純粋な笑みを浮かべたデルツをただただ優しい笑顔で見送るのであった。


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