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欠けし者達の異世界建国記 ~目が見えるとはすばらしい~  作者: othello
第1.5章 ギルドに商会と宗教
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バレンタインスペシャル

滑り込みバレンタインスペシャル!


トモたちは悩んでいた。


「なあ、ホシカが満月教のイベントでヴァレンタインを始めたんだが…」


「うん?トモはなんでそんな顔してるんだ?」


「もしかしてヤイチくん向こうでも・・・」


「ロビン、そうだ。こいつはこの時期の男の寂しさを知らない」


「くっ、リア充め…」


「え?トモ?ロビン?」


ヤイチは困惑してしているが僕とロビンはこのバレンタインの厳しさを知っている。それはもう、デモでして法律で禁止したいくらいに。

地球でのこの時期は多くのカップルのイチャイチャが嫌でも目立つ。

そんな中、チョコをもらえない男の寂しさは…

僕は今まで生きていて女の子からこの日にチョコをもらったことはない。

散々試食はさせられたことがある。

病院での女性陣二人や、組織の妹弟子。

父の研究仲間の娘や研究仲間の僕と同い年の少女。

前日までになら嫌になる程チョコレートを食べる。

しかし、一回もこの日にチョコレートをもらったことはない。

義理や友チョコでいいから欲しいのに。

一方、ヤイチの方にはいっぱい女子というか女性や幼女が来る。

それを見ているとチョコレートは別に欲しくはないのだが、贈り物をモノは欲しい。男として。

まあこの日を過ぎると、余ったと言ってまたチョコを食わされ続けるのだが…

そんなわけでヴァレンタインにはあまりいい思い出はない。

この世界ではそんなことはないと思っていたがまさか満月教がそれを始めるとは思わなかった。

イベントの宣伝としては1ヶ月前から行っており、この北大陸の交友のある国や満月教の広まった国ではかなりこのイベントは大きく取り上げられ、恋人と言うよりは普段お世話になっている人に送る友や義理を押しているとも言える。

レラントの商会はチョコレートの素材をこのあいだのダンジョンや森で見つけて以来お菓子開発に生を出しておりこれもその一環と言い張っている。

(僕は世の中の男子特に僕みたいにもらえない男子は傷つくから反対と言ったら。じゃあ、傷つかないようにしてあげます!と言い切られた。)

こうしたいまをときめく流行発信所でこんな取り上げられた甲斐もあってか、ブームを呼び、手作り用も用意されて素人でも自分でお菓子を作れ形も自己流にできると言うところが男女問わず売れ筋を伸ばした。


こうして夜となり、僕たちは仕方ないので事前に準備していたイリミネーションを使ってこのイベントを国として大きく取り上げ、改造魔法の〈花火〉で祝砲もあげた。

こうして一仕事を終えた僕はBARカナタへと来ている。

本当なら、ヤイチ達ときたかったが急遽隣国の王女と皇女などの各国重鎮またはその娘がきており緊急の対応をしていた。全員『サクラ』の紙袋を持っており、何しきたのかは明白だ。

その中には実はヤイチではなく、ロビンに会いに来た人もいるのだが、ロビンがそれに気付けるかどうか…

多分だがロビンは寂しいとか言って裏ではモテるタイプだ。

よく聞けば、義理チョコはたくさんもらっていたらしい。

クッ、これで本当にチョコもらっていないのは僕だけじゃないか。

くそっ、傷ついた。レラント何が傷つかないだ。僕は傷ついたぞ。

あ、でももしかした友チョコくらいはくれるかな?

まあ、無理だな。チラッとよったが大量のお客さんであふれていたし今日は来れないだろう。

そう思いながらBARで暇をつぶす。

城も街も正直今の自分には居心地が悪いので唯一ここが心の休まる場所だ。


さらに時間が過ぎ夜中の10:00を周り僕はちょっと悲しくなって来る。

あれからヤイチ達は来る気配ないし、こうしてやることもなければ少し外に出ると幸せオーラにここが痛くなる。

「あー、やめたやめた。こうなったらとっておき飲んでやる」

そう言って僕は〈メニュー〉から秘蔵の神酒『劔』を取り出す。

少し度数は強いが、飲みやすいし一番好みの味をしている。

(劔はエルドワたちでも作れない本当の神のの作った酒)

それをコップに注ぎ、一気飲みする。

「あー、うまい」

そう言って次の文をコップに注いで行った。


30分もすると、扉が開く音がする。

「今日はもう店仕舞いだ、好きな人にチョコでももらって幸せ気分で帰って寝なさい〜。俺みたいに誰からももらえないぼっちなんかほっといてね〜」

僕は完全に酔っていた。

すると後ろから複数にため息が聞こえた。

「あー、もうようやく見つけた。あの二人が城にいるって聞いて城に行ったらトモ君いないし、あの魔導師もあんた探しているし、大変だったわ」

その声には聞き覚えがあり振り向くとホシカがそこにいた。

「師匠、私今日めっちゃ頑張りましたよ!巫女としてみなさんに!褒めてください!それとこれ、チョコレートです!」

ミチカゲの妹のツグミが子犬のようにこっちをキラキラした目で見て来る。

普段はしっかりしたおねさんなんだが、僕の前だとなぜか小動物、いや幼い娘のようになるのだ。…不思議だ。おお、チョコ。めっちゃ嬉しい。よし、いい子いい子!

「えへへへっへ」

「もう、ツグミったら。じゃあ私も。ギルドの要件も済ませたし、私もそれなりに努力をしたんだけどね。はいこれ」

「努力?もしかして手作りか?」

「テンも!」「スーも!」

そう行って三人からちょこをもらう。

「これはあなたを傷つけない為の私の優しさなんだからね!勘違いしないでよ!それと今回は味見させられなかった特別に今日ね!他から受け取ったから受け取らないとかなしよ!」

レラントはそう言いながらチョコを押し付けて来る。

わかった。勘違いしないから。

「あれ?私最後?まあいっか。はいこれ。そう言えばバレンタイン当時に渡すのは初めてだっけ?ちょっと嬉しいかも」

最後にホシカが僕も前にチョコの入った箱をおく。

「おお、チョコがこんなに!?ゆめか!?」

そう言いて僕は頬をつねる。

そしてみんなに笑われながら、夢でないことを確認するとまずはホシカの箱を開ける。

入っていたのは一口サイズのハート型のチョコだった。

ホシカは頬を朱に染めながらこちらを伺っている。

まあ、チョコを肉眼で見るのははじめただが、なんかデジタルで見るよりなんか考え深い。手作りだから形が少しブレているのがよくわかる。

これは肉眼でないとわからないレベルだ。

僕はそう思いながらチョコを食べた。

「あ、美味しい。試作品って食べたやつより美味しい。いいなー、これを毎年食べてたホシカの思いびとさんは」


こんないいバレンタインは初めてだ。本命じゃなくても嬉しすぎる!

今年は最高かもな!



僕が嬉しそうに食べていると他の女性陣が自分の箱を開け催促をしてきた。

「師匠!私の食べてください!自信作です」

「テンのも!」「スーもの!」

「私のも食べて欲しいかな?」

「せっかく私が作ったのです。全部食べるのですよ」


でも、ちょっと量が多すぎるのは例年通りじゃなくてもいいかな…

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