閑話:BARカナタ 04
閑話これにて終了
「ええ、別にかまいませんよ。私にできることなら」
僕はマスターの問いに何も気づかぬようにそう答えると彼から値踏み知るような視線は消えた。
その代わり磨いていたグラスを置き、私に頭を下げてきた。
「わたしの息子と娘に戦闘訓練をつけてほしい」
「あ、頭をあげてください。・・・それは、私にですか?それとも城の騎士にですか?」
突然スイッチでも入ったかのように2択を迫る僕に隣の酒飲みドワーフも一瞬酒を飲む手を止めた。
「無論あなたに、だ。出なければ私は断る」
「へぇ、こいつにこれだけ言わせるってことはお前も『例外者』なのか」
「『例外者』?・・それは?」
僕はさっきを消して二人に問いかける。
「ああ、一般的に技術はスキルの補助を使用するだろう?だけどそのスキルを使わずに、又はスキル以上の独自の技術を例外と言って本職と同等以上の働きができる奴を指す言葉だ」
「なるほどそれなら心当たりがありますね。・・・わかりました。では城下町のbarの話今度部下を連れて書類も持ってきますの宜しくお願いします」
「ああ、わかった。正直昼間のこの店の状態はあまり芳しくないと思っていたからね。素敵な店として使ってくれる方がうれしいよ」
「そうだ、これを出会いの記念として飲みませんか?私の開くbarに置こうと思うお酒なのですが・・・」
そう言って取り出したのはselect・garden時代僕の支配下にある森でしか取れないブドウのような外見をしながらその身を防衛手段として発射して攻撃してくる「テブドウ」と言う果物で作ったワインだ。
これはなかなかおいしく、むこうでも各国で出元不明にかかわらず重宝されるものだ。
まあ、主にヤイチの国を通して販売してはいたが・・・。
「・・・これはうまい」
「美味しいが、儂には刺激が足りんのう。上品すぎるわい」
「では、デレンクさんはこれを」
「さんはいらん、呼び捨てで構わんぞ」
「じゃあ、デレンク。これはスコッチと言ってかなり強烈ですよ。こっちは日本酒の鬼殺しと言う酒です」
「おお、これはピリリとして生まないな。こっちの酒はあったかいな、確か熱燗だったか?」
「ええ、この方がおいしいそうですよ」
デレンクはそう言うと思っていたのでエルドワが好きなお酒を進めた。
「おおうまい。しかし、これくらいにしとかんと仕事に響くからな、このスッコチゆう酒は持って行ってもいいか?」
「いいですが、取り合いにならないように気をつけてください」
「おお、そうだな。マスター、儂はこれで変えるぞい」
「ああ、気を付けてな」
「僕もそろそろ行こうかと。要諦としては3日後にまた来ます」
「ああ、きをつけてな」
僕はそう言って軽い足取りで城へ帰り、急いで書類をまとめてエルダードワーフとヤイチ配下の司法官一人を連れて彼のもとに行き、今江と至るわけだった。
※※※
こうして彼の息子ミチカゲと今は満月教の巫女をやっているツグミに戦闘訓練、主に隠密系統を重点的に教えてミチカゲは傭兵ギルドSランクにしてヤマト諜報部隊エースの称号jokerを。ツグミはホシカ配下の満月教〈戦闘巫女部隊〉の部隊長クラス(この世界のSランク冒険級)になっている。
「へぇ、そんなことが。トモってホント色々するね」
「・・・違うという顔をしていますね。たぶんこれは彼の目的の副産物のようなものでしょう」
「はぁ、よくわかったな。そうだよ、本当の目的はこの目で色々な景色を見て回ること」
僕はそう言って自分の目を指す。
「え?・・・あ、そういうことか」
ヤイチは一瞬疑問に持ちすぐに気づくと声のトーンを落とす。
「ヤイチ、別に気にするな。今は見える。この事実が大切なんだ。それに向こうでは無くて不便したことができる喜びはわかるだろ?僕はそう言うのを表に出さないだけでそう言った衝動にかられて動き回っているだけさ」
そう、僕は前世では目が見えなかった。
だからこの世界に消えて目で見ることができてとてもテンションはいつも高い。
なにしろ世界に色があふれているのだから!
自然の景色、待ちゆく人の表情、風になびく草木、小屋で主を待つ動物達。
そのすべてが僕にとって諦めていたもの。
1時期諦めきれず目以外の器官でそれらを把握しようとして、結局湯へと消えた望み。
VRとして見ていたが実際に肉眼として感じるこの感覚。
僕はこの目で、自分の目で見えることになによりの喜びを感じているのだ。
ゆえにさまざまなところに赴き、人の目を見て話す。
そうすることで、今回のような人と出会うこともまた楽しいのである。
そうした旅での思い出を料理として、お土産として飾って、酒としてふるまって話すためにこの店を作ったのだ。
「へえ、これからかわっていくんだろうなこの店も」
ヤイチのその言葉に僕は何も言わず、席を立ちあがってガラスのグラス3つと一本のワインを持ってくる。
「この世界に乾杯しないか?」
そういって僕はワインをグラスに注ぐ。
「この世界での飲酒はゆるされるしな、よし」
「私もいただきますよ」
そう言って、特別なワインをグラスに注ぐ。
「・・・これは」
ロビンはどうやら気づいようだがヤイチはきれいだなと言ってそのワインを眺めている。
「・・・神酒・虹の酒」
その言葉にヤイチは驚き、僕はうなずく。
Select・gardenにおけるレアアイテムだからだ。・・・と言っても僕は製造方法を見つけたし、一時的にだけ幸運状態にするというものだが貴重であることは変わりない。(普通は、レア武器に匹敵します)
僕らはグラスを掲げ、中の7色の酒を見ながら乾杯する。
「これからの僕たちに幸あれ」
ガラスのぶつかる甲高い音が店内に鳴り響き、彼らの夜は更けてゆく。
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