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痛み

作者: 武田道子
掲載日:2017/08/02

痛み 


私の中の暗闇が

私の意識を外へ外へと押し出そうとぐつぐつと煮えたぎる

私は自分の肉体の呻きを聞く

意識と肉体とそれぞれ違った生き物が

生存争いをしているかのように

暗い歪の中で葛藤する


沈黙と静寂

そこに隠された深い宇宙の深遠が

私の中にある

時間が止まったのか

私が絶え果てたのか

生きているのは痛み


どくんどくん

体全部が心拍に変わり

赤い信号が点滅する

荒波が岩を削るように

意識は侵食される


痛み

私の心を凍てつかせ

一瞬のうちに暗黒の闇の中へ

真っ逆さまに突き落とす

命綱は断たれ

光は煙のように消え去る


微笑みは凍結し

すべての人の顔は

冬の凍てつく夜に光る薄っぺらな白い月のように

大切な人の痛んだ姿に

私もまた生をなくす


けれども時間だけは優しく

痛んだ人を前に凍った私の体と心を溶かし

目の前の絶えることのない

強い自然の息吹に

一息つくことが許される


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― 新着の感想 ―
[一言]  素敵です。
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