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ひめてん〜姫と天使と悪魔と猫〜  作者: こーちゃ
第一章 アイバーンとワイバーン
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第3話 知らない人について行くとこうなる

 パティと別行動し、色んな店を見たり買い食いしたりした後、道端でやっていた大道芸らしきものを立ち止まって見るユーキ。


(サーカスと関係ある人達かな?)


 その舞台裏。

 男性らしき2人の影。


「あ、兄貴ー! 来たー! 来たよー‼︎」

「来た? 俺の時代でも来たってのか?」

「やだなー、兄貴の時代なんて未来永劫来る訳ないよー」

「うるせえよ‼︎」


 弟分らしき男の頭を殴る兄貴。


「いててて、そうじゃなくて来たんスよー」

「だから何が来たってんだ‼︎」

「ほら、昨日話した女の子が来たんスよー」

「昨日のって、サイクロプスを倒したってぇ2人の女の事か?」

「そっス、しかもピンク髮のメチャ可愛い娘の方が来たんスよー」


「なんだとー‼︎ だが俺はガキよりももう1人居たっていう色っぽい黒髪の姉ちゃんの方が好みだがな」

「ええ、そうなんスか? オイラは可愛い系の方が好みっスけどねー」

「オメェはガキだなー」


「ハハハハハハ‼︎」

「ハハハハハハ‼︎」


 2人揃って笑う。


「笑ってる場合じゃねぇ!」

「そっス! 急ぐっス‼︎」


 舞台裏から表を覗く2人。


「何処だ?」

「あそこっス、あのピンク髮の娘っス」


 ユーキを指差す男。


「ホントにガキじゃねぇか‼︎ あんなガキがプラチナランクの魔装具を持ってるってのか?」

「そっス、しっかりこの目で見たっス! 間違いないっス‼︎」

「んー、まあいい! 例え魔装具が無くてもあれだけの上玉だ、幾らでも稼ぎようはある」

「悪っスねー、兄貴ー」

「悪だろー、弟よー」

「フッフッフッフッフッ」

「フッフッフッフッフッ」


「あ、もうじきショーが終わるっス」

「いかん、オメェ行って引き止めてこい‼︎」

「ええー⁉︎ どうやればいいんスかー⁉︎」

「そこはオメェ、旨く言って誘ってこい‼︎」

「無理っスよー! オイラ女子とまともに話した事無いんスからー‼︎」

「うるせえ‼︎ つべこべ言ってねえでサッサと行け‼︎ 帰っちまうだろうが‼︎」


 弟の尻を蹴り飛ばす兄貴。


「理不尽スー‼︎」


 仕方なく出て行く弟。



 ショーが終わったので立ち去ろうとするユーキ。


(面白かった、さて……まだ時間あるし、次はどこ行こ?)

「ちょっ……ちょっと待つっス」

「背後からの声に振り向くユーキ。

「ん? 僕?」


 そこにはユーキより少し背の高い、小太りの男が居た。


「あ、あ、あの、ああ、う、あ、あううああああ」


 顔を真っ赤にしながら、しどろもどろの男。


「えっと……何?」

「あの、あ、あの、お、おい、オイラ、し、し、し、しょ、しょ、ショーの……」

「ショー? ああ、ショーの関係者の人? うん、とても面白かったよ、ありがとう」


 ユーキの笑顔を見て更に顔が赤くなる男。


「人と待ち合わせしてるから、じゃーねー!」


 立ち去ろうとするユーキを更に男が大声で呼び止める。

「ま、ま、待つっスー‼︎」


 再び振り向くユーキ。


「んーと……何か用、かな?」


 少し苛立った様子のユーキに近づいて来て。


「お、お、お、おい、おい、オイラ、オイラ」

「ん?」


 クビを傾げるユーキ。


「オイラと付き合って下さいいいいいい‼︎‼︎‼︎‼︎」


 ありったけの大声で叫ぶ男。


「はいい⁉︎」


 キョトンとなるユーキ。

 舞台裏でズッコケる兄貴。



「は⁉︎ え⁉︎ い、いや、えと……」


 意表を突かれて変に動揺するユーキ。


「あ、あの……ちょ、ちょっと意味が分からないんだけど……?」


「バカかオメェはあああ‼︎」


 飛び出してきて弟の頭を殴る兄貴。


「ご、ゴメン兄貴、オイラ訳分かんなくなって……」

「もういい! 下がってろ‼︎」

「うん」


 先程の男よりも身長の高いスリムな男だった。


「このバカが失礼いたしました、気になさらないで下さい」

「あ、うん……大丈夫」

「お詫びと言っては何ですが、ショーでまだ披露していないネタのお披露目会をこれから裏でやるんですが、よろしければご覧になって行きませんか?」

「え? 未発表のネタ?」

「はい、そうです」

「見ていいの?」

「本来は部外秘ですが、今日は特別に」

「見たい‼︎」


 目を輝かせて言うユーキ。


「はい、ではこちらへどーぞ」


 手招きする男に付いて、舞台裏へ入って行くユーキ。



「こちらです」


 奥にあったドアの扉を開ける男。

 広い部屋の真ん中に椅子が置かれていて、正面には舞台らしき所があり幕が張られていた。


「こちらにお掛けになってお待ち下さい」

「うん」


 言われるままに椅子に座るユーキ。

 椅子には肘掛けと背もたれが付いていて、ちょっとしたVIP気分だ。

 そっとドアにカギを掛ける男。



 椅子の左右に立つ男2人。


「それでは、本日のお披露目会を始めさせていただきます」

「ワクワクワク」


 バサッ‼︎

 正面の幕が開くと、そこには10人程の男達が立っていた。


「んん?」


 何やら只ならぬ雰囲気を感じたユーキ。


「ようこそ、可愛いお嬢さん! さあ! 怪我をしたくなかったら、大人しく魔装具を渡してもらおうか‼︎」



 頭の中にさっきのパティの言葉が響く。


『知らない人に付いて行っちゃダメよー‼︎』





(付いてきてしまった……ヤバ……)

 


相変わらず会話ばかりです。

人物描写が出来ない分、会話で面白くして行けたらいいなと思います。

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