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ひめてん〜姫と天使と悪魔と猫〜  作者: こーちゃ
第ニ章 全てはゲーム機の為に
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第10話 早くトドメをさせって言われると、逆にやり辛いよね

「パティ選手の奇襲攻撃により、炎を一身に受けてしまったユーキ選手! はたしてこのまま試合を続行出来るのかー!」



「勝負としてはパティ君の勝ちだが、単純な力比べではユーキ君が勝っていた」

「パティさんに押し勝つなんて凄いです」



「治癒魔法使えるんでしょ? 早く回復しなさい! まあ、あたしも少し大人気なかったかなーって思うから、回復するまで待っててあげるわ」


「そんな余裕見せて大丈夫? 今やっとかないと、後で後悔するよ?」

「ああ、それもそうね⁉︎ じゃあとどめを……」

「あ、ごめんなさい、ウソです! やっぱり待ってください!」



「じゃあ回復するまでの間に、ホーミングアローズの事を教えてあげるわ! アローズは一の矢が術者を追尾して、二の矢三の矢はそれぞれ1つ前の矢を追尾する……そして術者が矢と共に飛行して、加速すればするほどその威力は増す」

「そうか……だからあの時、僕を追いかけて来たのか……」



「ホーミングアローズ!」


 アローズを出現させて、指先で操作するパティ。


「こんな風にあまり速度が出てない状態なら、自由に操る事が出来るけど、加速するに従って操るのが困難になって行くの」




「パティ選手の周りを3本の光の矢が飛び回っていますが、特にユーキ選手を攻撃する様子はありません。 どう言う事でしょう?」



「余裕のつもりかー! パティちゃん!」

「ユーキちゃんを舐めてたら痛い目に合うぞー!」

「そんなお姉様も素敵ー!」


「ドS悪魔ー!」

「アイバーン‼︎ 後で覚えてなさいっ‼︎」


「普通に喋ったのにバレたぞ? メルク」


 また座席に隠れているアイバーン。


「うーん……声、ですかねー?」



「さっきは面白いアローズを見せてもらったわ……そのお礼に、本家のアローズを見せてあげる」


 ダメージの回復が終わったユーキが魔装具を構えて警戒する。


「さあ! 見事防いでみなさい‼︎」


「フライ!」

「フライ!」


 先にユーキが飛翔し、少し遅れてパティも飛翔する。


「来なさい! アローズ‼︎」


 アローズがパティを追尾し始める。



「2人共空に舞い上がったー‼︎」



 逃げるユーキと追いかけるパティ。


「ユーキ! ただ飛んでるだけじゃアローズからは逃げ切れないわよ!」


「行きなさい! アローズ!」


 パティに操られたアローズがパティを追い越し、ユーキに襲いかかる。


 アローズがユーキに迫って来た時。


「フラッシュボム‼︎」


 閃光魔法を放つユーキ。


「くっ……目くらまし⁉︎」

「アクセル‼︎」


 強烈な閃光により、一瞬ユーキを見失うパティとアローズ。その隙に一気に加速してパティの後ろに回り込むユーキ。


「ホーミングアローズ‼︎」


 ユーキもアローズを出現させる。


「頼んだよ! アローズ‼︎」


 ユーキに操られたアローズがパティに向かって行く。


「これであたしの視界を封じたつもり? 甘いわよ、ユーキ!」


 目をつぶったまま振り返り、空中で静止するパティ。

 ユーキも警戒して同じく静止する。


「例え見えなくても魔力を辿れば!」


 指先でアローズを操作して、ユーキのアローズをことごとく撃墜して行くパティ。


「全部迎撃された?」

「言ったでしょ? 加速すればするほど威力が増すって……あたしのアローズは既に加速していた……出したばかりのユーキのアローズより強いのは当然よ」

「納得……」



「アローズ対決はパティ君の勝ちだね」

「あんなに加速した状態のアローズを操れるなんて」

「熟練度の違い、と言う事だろうね……コピーしたてのユーキ君と数々の戦いで使ってきたパティ君の」



「ほら、油断しない! あたしのアローズはまだ生きてるわよ!」


 パティのアローズが再びユーキに向かって行く。


「くっ……ウィンドウォール‼︎」


 風の壁が一の矢を防ぐが、二の矢三の矢が壁を突き抜けて、それぞれユーキの右腕と右足を貫く。


「あぐっ‼︎」


 激痛の為飛行魔法が維持出来ず、落ちて行くユーキ。



「ああっと! 光の矢を受けたユーキ選手が落下して行く! あの高さから落ちたら危険だー‼︎」



「いかん、ユーキ君‼︎ 飛行魔法を発動するんだ‼︎」

「ユーキさん‼︎」


「キャー‼︎ ユーキー‼︎」

「ユーキちゃん、危ない‼︎」

「何とかしろ、ユーキ‼︎」


「フ、フラ……ぐうっ‼︎」


 痛みの為集中出来ないユーキ。

 地面に激突すると思われた時、スッとパティがユーキをお姫様抱っこですくい上げる。


「パティ?」

「あたしがユーキを死なせる様な事、する訳ないでしょ⁉︎」


 地上に降り立つパティ。



「あっと間一髪! 何と敵であるパティ選手がユーキ選手を救ったー‼︎」



「ユーキちゃん、良かったー」

「パティちゃん、ありがとう‼︎」

「よくやったぞパティー‼︎」

「それでこそパティちゃんだ!」



「パティ、ありがと……と、ところでさ……もうそろそろ降ろしてくれない? このかっこ、ちょっと恥ずかしい……」


 パティにお姫様抱っこされたままのユーキ。


「いいじゃない、もう少しこのままで」

「いや、あの……」


 顔が真っ赤になるユーキ。



「キャー‼︎ パティ王子様ー‼︎ 私も抱っこしてー‼︎」

「ユーキちゃんもお姫様みたいでかわいいー!」


「このツンデレひねくれ娘ー!」

「アイ君、三枚下ろし確定ね」


「こ、声まで変えたのに何故バレるんだ?」


 隠れながらガタガタ震えているアイバーン。


「いや、怖いならヤジらなければいいでしょ? バカなんですか?」

「君も怖いよ、メルク」




決着つきませんでした。

つ、次こそは……多分……

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